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みなさん、こんにちは。

先日の日経新聞に「明治安田生命グループ、定年65歳に引き上げ」という記事がありました。

企業の人手不足感の強まりやノウハウの承継のために、ホンダやサントリーなどの大企業でも65歳定年の導入を進めています。(全体としてはまだほんの一部ですが)。

また働き方改革の一環として、政府は、公務員の定年を段階的に65歳まで引き上げる方向で検討に入っています。

また、2018.9.6の報道によれば、政府は徐々に70歳まで引き上げる考えであるとか。

2018.10.5の報道によれば次の通り

「継続雇用年齢を65歳に引き上げる法改正を検討」
「全世代型社会保障の基盤を整える」
「70歳を超えてから公的年金の受給を開始できる制度改正も検討」

多くのお勤めの方にとっての人生の大きな分岐点となる定年制。

今回は定年制の歴史と現状をまとめたいと思います。

定年制とは

定年制とは、「企業において定められた一定年齢に達すると雇用契約が自動的に終了する仕組み」です。

高年齢者雇用安定法において、定年制を設ける場合には60歳未満の定年制は禁止しています。

この定年制を導入すること自体は、法律上の義務でもなんでもありませんが、現在、多くの企業で定年制を導入しています。

その経緯は次の通りです。

定年制の歴史

定年制は企業の中から自然に生まれたものです。

この定年制が普及し始めたのは第1次大戦後の不況期からといわれており、第2次大戦後に急速に広まりました。

経団連の資料では定年制度について次のように記述しています。

定年制度制定の必要性は戦後益々強まってきた。それは戦時生産遂行のために極度に膨れあがった過剰雇用の問題を急速に解決する必要に迫られたからである。しかも戦後の労基法その他の労働立法や労働運動によって過剰人員の整理は益々困難の度を加えてきたことも定年制度の設定を促進した

すなわち、企業側は定年到達で契約が終了する「雇用終了機能」として活用したい、一方で、労働者側は定年到達まで雇用が保障される「雇用保障機能」として恩恵に預かりたい、という同床異夢的な思惑の一致の仕方で、急速に広まっていったのです。

その年齢については、、55歳定年が主流であり、それが高度成長期まで続きました。

その後、政府は定年年齢について引き上げる法制化を進めます。
その背景にあるのはジワリと始まっていた少子化です。
将来の労働力人口の減少を予測して、高齢でも企業で働き続けることができる法整備を進めたのです。

高年齢者雇用安定法により、60歳定年の努力義務が定められ、その後、60歳未満の定年の禁止、さらに65歳までの雇用確保措置の導入が企業に義務付けられました。

この雇用確保措置の現在の実施状況をみてみます。

定年制の現状

平成29年「高年齢者の雇用状況」によると、雇用確保措置の実施済企業のうち、

1 「定年制の廃止」により雇用確保措置を講じている企業は 2.6%(同0.1ポイント減少)、
2 「定年の引上げ」により雇用確保措置を講じている企業は 17.1%(同1.0 ポイント増加)、
3 「継続雇用制度の導入」により雇用確保措置を講じている企業は 80.3%(同 1.0 ポイント減少)

となっています。

現状では、1、2の「定年制の見直し」ではなく、3の「継続雇用制度の導入」で対応している企業が多数を占めています。

理由は人件費抑制のためです。

継続雇用制度では、既存の定年制を維持しながら定年退職→再雇用の流れになるため、再雇用後の賃金を引き下げしやすい面があるからです(定年後再雇用時の賃下げについては労働契約法20条を巡る裁判(長澤運輸事件)が行われています。)

しかしながら、前年比をみると、定年引き上げ企業がアップ⤴️、継続雇用制度の導入企業がダウン⤵️、ということで、わずかに「定年引き上げにシフトしている傾向と捉えることもできます。

65歳定年の企業は15%

そして、65歳定年企業は23,835社、15.3%0.4ポイント増加)とこれもわずかながらアップしています。

今後、65歳定年は広がりを見せると予測されます。政府は公務員の定年年齢引き上げを皮切りに、民間企業での65歳定年義務化も視野にいれているでしょう。
総人件費の増大や世代交代の停滞を懸念する意見もあり、「人材確保×人件費抑制」、「シニアの活用×若手育成」の両立が課題になっています。

以上「65歳定年がジワリ広がり」という動向を捉えておきましょう。

65歳以上で定年退職すると「失業保険」がもらえない?

65歳定年となると、退職時に65歳以上になります。

この退職時点で65歳未満か65歳以上かで、雇用保険(いわゆる失業保険)から受けることができる給付の種類が変わります。

退職時点で65歳未満ですと基本手当、65歳以上ですと高年齢求職者給付金が支給されます。

定年退職の場合、基本手当では最大150日分、高年齢求職者給付金では最大50日分となります。

 

執筆/資格の大原 社会保険労務士講座

金沢 博憲金沢 博憲

時間の達人シリーズ社労士24」「上級コース」を担当致しております。
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