皆様こんにちは。
資格の大原 社会保険労務士試験対策講座の金沢です。
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選択式問題を解く際のポイントは次の通りです。
①問題文を見て解答となる語句や数字を思い出す※いきなり語群をみない
②思い出した語句や数字を語群から探す
③ダミーの選択肢と相対評価して解答を確定する
④思い出せなかった場合でも、どういう性質のカテゴリー(行政機関名、給付名称、給付率、届出期限など)かを思い出した上で、語群から探す。選ぶ際も自分なりの根拠を持って選ぶ。
このポイントを意識することで、選択式対応力が上がっていきます。
それでは、今回のお題はこちらです。
作業場巡視の頻度(正解率79%)
問題
「【?】は、作業場等を巡視し、設備、作業方法等に危険のおそれがあるときは、直ちに、その危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。」
A 安全管理者
B 安全衛生推進者
C 衛生管理者
D 産業医
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解答・解説
「A 安全管理者」。
管理体制メンバーの巡視義務は次の通り。
問題文中の「危険のおそれ」、「頻度の定めがない」という点から特定可能。
・安全管理者→巡視義務はあるが、頻度の定めなし
・衛生管理者→週1回
・産業医→月1回(例外的に2か月に1回)
・安全衛生・衛生推進者→巡視義務がない
- 事業者は、「労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関する業務」を統括管理しなければならない旨規定されており、同法第10条の総括安全衛生管理者を選任し、その者に当該業務を行わせることとした場合でもその義務を免れることはない(「その義務を免れる」ではない)。
- 総括安全衛生管理者は、労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関することを統括管理する。
- 総括安全衛生管理者は、労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関することを統括管理する。
- 総括安全衛生管理者は、健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関することを統括管理する。
- 総括安全衛生管理者は、労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関することを統括管理する。
- 事業者は、総括安全衛生管理者に、労働安全衛生法第28条の2第1項又は同法第57条の3第1項及び第2項の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置に関することを統括管理させなければならない。
- 総括安全衛生管理者については、作業場等の定期巡視に関し、その頻度について特段の規定は置かれていない。
- 総括安全衛生管理者は、労働安全衛生法施行令で定める業種の事業場ごとの労働者数(「企業全体における労働者数」ではない)を基準として、事業場(「企業全体」ではない)の安全衛生管理を統括管理するために、その選任が義務づけられている。
- 事業者は、常時150人の労働者を使用する清掃業の事業場においては、総括安全衛生管理者を選任しなければならない(清掃業は100人以上で選任が必要)。
- 製造業に属する事業者は、総括安全衛生管理者を、常時300人以上(100人以上ではない)の労働者を使用する事業場ごとに選任しなければならない。
- 常時500人の労働者を使用する製造業の事業場においては総括安全衛生管理者を選任しなければならないが、巡視義務の定めはない(「少なくとも毎年1回作業場等を巡視しなければならない」ではない)。
- 事業者は、常時250人の労働者を使用する自動車整備業の事業場においては、総括安全衛生管理者を選任する義務はない(自動車整備業は300人以上で選任が必要)。
- 事業者は、常時350人の労働者を使用する各種商品小売業の事業場においては、総括安全衛生管理者を選任する必要がある(各種商品小売業では300人以上で選任が必要)。
- 総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない(「厚生労働大臣の定める研修を修了した者のうちから選任しなければならない」ではない)。
- 総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならないが、必ずしも安全管理者の資格及び衛生管理者の資格を共に有する者のうちから選任しなければならないものではない。
- 総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者(「又はこれに準ずる者」ではない)をもって充てなければならない。
- 常時120人の労働者を使用する清掃業の事業場の事業者は、総括安全衛生管理者を選任する義務があるが、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者であれば、他に資格等を有していない場合であっても、その者を総括安全衛生管理者に選任し、当該事業場の労働災害を防止するため必要な業務を統括管理させることができる(清掃業は100人以上で選任が必要)。
- 都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告することができる(「改善を命令することができる」や「解任を命ずることができる」ではない)。
以上、今回の問題でした。
毎日判例
片山組事件(平成10年4月9日)
(概要)
建築工事現場で長年にわたり現場監督業務に従事してきた労働者が、疾病のため現場作業に従事できないと申し出たところ、会社から自宅治療命令を受け、約4か月間欠勤扱いとして賃金が支給されず、冬期一時金も減額されたためその措置を不当として賃金等を請求した。
(要旨)
建設会社に雇用されて以来21年以上にわたり建築工事現場における現場監督業務に従事してきた労働者が、疾病のため右業務のうち現場作業に係る労務の提供ができなくなった場合であっても、労働契約上その職種や業務内容が右業務に限定されていたとはいえず、事務作業に係る労務の提供は可能であり、かつ、その提供を申し出ていたときには、同人の能力、経験、地位、右会社の規模、業種、右会社における労働者の配置・異動の実情及び難易等に照らして同人が配置される現実的可能性があると認められる業務が他にあったかどうかを検討した上でなければ、同人が債務の本旨に従った労務の提供をしなかったものと断定することはできない。
※債務の本旨→契約の本来の目的に沿った義務。
(要約)
現場監督に従事してきた労働者が、病気で現場作業ができなくなっても、職種が限定されておらず事務作業が可能であると申し出ているなら、配置の現実的可能性がある業務の有無を検討した上でなければ、債務の本旨に従った労務提供ができないと断定することはできない。
(判決文)
労働者が職種や業務内容を特定せずに労働契約を締結した場合においては、現に就業を命じられた特定の業務について労務の提供が十全にはできないとしても、その能力、経験、地位、当該企業の規模、業種、当該企業における労働者の配置・異動の実情及び難易等に照らして当該労働者が配置される現実的可能性があると認められる他の業務について労務の提供をすることができ、かつ、その提供を申し出ているならば、なお債務の本旨に従った履行の提供があると解するのが相当である。そのように解さないと、同一の企業における同様の労働契約を締結した労働者の提供し得る労務の範囲に同様の身体的原因による制約が生じた場合に、その能力、経験、地位等にかかわりなく、現に就業を命じられている業務によって、労務の提供が債務の本旨に従ったものになるか否か、また、その結果、賃金請求権を取得するか否かが左右されることになり、不合理である。
前記事実関係によれば、上告人は、被上告人に雇用されて以来二一年以上にわたり建築工事現場における現場監督業務に従事してきたものであるが、労働契約上その職種や業務内容が現場監督業務に限定されていたとは認定されておらず、また、上告人提出の病状説明書の記載に誇張がみられるとしても、本件自宅治療命令を受けた当時、事務作業に係る労務の提供は可能であり、かつ、その提供を申し出ていたというべきである。そうすると、右事実から直ちに上告人が債務の本旨に従った労務の提供をしなかったものと断定することはできず、上告人の能力、経験、地位、被上告人の規模、業種、被上告人における労働者の配置・異動の実情及び難易等に照らして上告人が配置される現実的可能性があると認められる業務が他にあったかどうかを検討すべきである。そして、上告人は被上告人において現場監督業務に従事していた労働者が病気、けがなどにより当該業務に従事することができなくなったときに他の部署に配置転換された例があると主張しているが、その点についての認定判断はされていない。そうすると、これらの点について審理判断をしないまま、上告人の労務の提供が債務の本旨に従ったものではないとした原審の前記判断は、上告人と被上告人の労働契約の解釈を誤った違法があるものといわなければならない。
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問題を解くことで、”トラップ”の仕掛け方が分かる。
1巡目に問題を解き「トラップの仕掛け方」が分かった上で2巡目に入ると、レクチャーやテキストの見方に格段メリハリがつく。
執筆/資格の大原 社会保険労務士講座
金沢 博憲 「時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
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