「ネット企業が給料にビットコイン購入枠設ける」旨の報道です。
そこで想起されるのが「ストック・オプション制度の取扱い」です。
ストック・オプション制度の取扱い
自社株購入を行うか否か、その時期等は労働者が決定するものであり、労働の対償ではないため、賃金ではない旨の通達(H9.6.1)が出ています。
全文は次の通りです。
「改正商法によるストック・オプション制度では、権利付与を受けた労働者が権利行使を行うか否か、また権利行使するとした場合において、その時期や株式売却時期をいつにするかを労働者が決定するものとしていることから、この制度から得られる利益は、それが発生する時期及び額ともに労働者の判断に委ねられているため、労働の対償ではなく、労働基準法第11条の賃金には当たらないものである。
したがって、改正商法によるストック・オプションの付与、行使等に当たり、それを就業規則等に予め定められた賃金の一部として取り扱うことは、労働基準法第24条に違反するものである。
なお、改正商法によるストック・オプション制度から得られる利益は、労働基準法第11条に規定する賃金ではないが、労働者に付与されるストック・オプションは労働条件の一部であり、また、労働者に対して当該制度を創設した場合、労働基準法第89条第1項第10号の適用を受けるものである。」
この企業でのビットコインの運用
この企業での運用も「給料をビットコインで支払う」ではなくて、
・希望者の給料から申込金額を天引き(労使協定が必要)
↓
・天引き額をビットコインの購入に充てる
↓
・ビットコインの振込
という流れのようです。
仮想通貨は労働基準法上の賃金か?
通達の存在は確認できてはいないのですが、おそらくストックオプションの取り扱いと同じく、「労働基準法上の賃金ではない」という取り扱いになるでしょうね。
執筆/資格の大原 社会保険労務士講座
「時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
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