皆様こんにちは。
資格の大原 社会保険労務士試験対策講座の金沢です。
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選択式問題を解く際のポイントは次の通りです。
①問題文を見て解答となる語句や数字を思い出す※いきなり語群をみない
②思い出した語句や数字を語群から探す
③ダミーの選択肢と相対評価して解答を確定する
④思い出せなかった場合でも、どういう性質のカテゴリー(行政機関名、給付名称、給付率、届出期限など)かを思い出した上で、語群から探す。選ぶ際も自分なりの根拠を持って選ぶ。
このポイントを意識することで、選択式対応力が上がっていきます。
それでは、今回のお題はこちらです。
書類の保存年限(正解率70%)
問題
使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を、当分の間、【?】保存しなければならない。
A 1年間
B 2年間
C 3年間
D 5年間
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解答・解説
「C 3年間」。
書類の保存年限は、【本則上は5年間】とされているが、賃金請求権の消滅時効(当分の間3年間)との兼ね合いで、【当分の間3年間】とされている。
問題文では、「当分の間」とあるので、5年間ではなく、3年間が正解。
【書類の保存年限の押さえ方】
法律名称に「労働」とつくと3年、つかないと2年。
関連論点- 使用者は、労働基準法第109条の規定に基づき一定の労働関係に関する重要な書類を保存しなければならないこととされており、タイムカード等の記録、残業命令書及びその報告書など労働時間の記録に関する書類は、同条でいう「その他労働関係に関する重要な書類」に該当し、使用者は、これらの書類を5年間(当分の間、3年間)保存しなければならない。
- 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を5年間(当分の間、3年間)保存しなければならない。
- 使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者(2か月以内の期間を定めて使用される者×)を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴等の事項を記入しなければならない。
- 使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額等の事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。
- 使用者は、労働者ごとに、労働時間数(「その就業した日ごとの始業し、及び終業した時刻並びに休憩した時間」ではない)を賃金台帳に記載しなければならないこととされている。
(長野労働局HPより引用)
- 労働基準法第108条に定める賃金台帳に関し、同法施行規則第54条第1項においては、使用者は、同法第33条若しくは同法第36条第1項の規定によって労働時間を延長し、若しくは休日に労働させた場合又は午後10時から午前5時(厚生労働大臣が必要であると認める場合には、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時)までの間に労働させた場合には、その延長時間数、休日労働時間数及び深夜労働時間数を、労働者各人別に、賃金台帳に記入しなければならず、また、同様に、基本給、手当その他賃金の種類ごとにその額も賃金台帳に記入しなければならないこととされている。
以上、今回の問題でした。
毎日判例
新日本製鐵事件(平成15年4月18日)★
会社(出向元)がその労働者に対し、協力会社への業務委託に伴い当該協力会社への出向を命じたが、一部の労働者が出向命令に同意しなかったことについて、最高裁が出向命令を有効と認めた事案。
(概要)
製鉄会社が、鉄鋼業界の構造不況の下において経営の合理化等を図る必要があったところ、従業員らの従事していた業務が協力会社へ委託されるのに伴い、出向を命じられた(出向命令は従業員らの個別同意を得ずに発令された)。
その後も会社では厳しい経営環境が続いていたこともあって、3年ごとに右出向命令が3回延長されたことから、従業員らは出向命令が無効であるとして出向命令の無効確認を求めた(労働者敗訴)。
(要旨)
出向命令の内容が、使用者が一定の業務を協力会社に業務委託することに伴い、委託される業務に従事していた労働者に対していわゆる在籍出向を命ずるものであって、就業規則及び労働協約には業務上の必要によって社外勤務をさせることがある旨の規定があり、労働協約には社外勤務の定義、出向期間、出向中の社員の地位、賃金その他処遇等に関して出向労働者の利益に配慮した詳細な規定があるという事情の下においては、使用者は、当該労働者に対し、個別的同意なしに出向を命ずることができる。
(要約)
就業規則などに社外勤務条項があること、社外勤務協定において、社外勤務の定義、出向期間、出向中の社員の地位、処遇等に関して出向労働者の利益に配慮した詳細な規定が設けられていること等の事情の下においては、労働者の個別的同意なしに出向命令を発令することができる。
(判決文)
原審の適法に確定した事実関係等によれば,(1) 本件各出向命令は,被上告人が D 製鐵所の構内輸送業務のうち鉄道輸送部門の一定の業務を協力会社である株式会社 E 運輸(以下「E 運輸」という。)に業務委託することに伴い,委託される業務に従事していた上告人らにいわゆる在籍出向を命ずるものであること,(2)上告人らの入社時及び本件各出向命令発令時の被上告人の就業規則には,「会社は従業員に対し業務上の必要によって社外勤務をさせることがある。」という規定があること,(3) 上告人らに適用される労働協約にも社外勤務条項として同旨の規定があり,労働協約である社外勤務協定において,社外勤務の定義,出向期間,出向中の社員の地位,賃金,退職金,各種の出向手当,昇格・昇給等の査定その他処遇等に関して出向労働者の利益に配慮した詳細な規定が設けられていること,という事情がある。
以上のような事情の下においては、被上告人は、上告人らに対し、その個別的同意なしに、被上告人の従業員としての地位を維持しながら出向先であるC社においてその指揮監督の下に労務を提供することを命ずる本件各出向命令を発令することができるというべきである。
本件各出向命令は、業務委託に伴う要員措置として行われ、当初から出向期間の長期化が予想されたものであるが、上記社外勤務協定は、業務委託に伴う長期化が予想される在籍出向があり得ることを前提として締結されているものであるし、在籍出向といわゆる転籍との本質的な相違は、出向元との労働契約関係が存続しているか否かという点にあるのであるから、出向元との労働契約関係の存続自体が形がい化しているとはいえない本件の場合に、出向期間の長期化をもって直ちに転籍と同視することはできず、これを前提として個別的同意を要する旨をいう論旨は、採用することができない。
本件各出向命令が権利の濫用に当たるかどうかについて判断する
原審の適法に確定した事実関係等によれば,被上告人が構内輸送業務のうち鉄道輸送部門の一定の業務を E 運輸に委託することとした経営判断が合理性を欠くものとはいえず,これに伴い,委託される業務に従事していた被上告人の従業員につき出向措置を講ずる必要があったということができ,出向措置の対象となる者の人選基準には合理性があり,具体的な人選についてもその不当性をうかがわせるような事情はない。また,本件各出向命令によって上告人らの労務提供先は変わるものの,その従事する業務内容や勤務場所には何らの変更はなく,上記社外勤務協定による出向中の社員の地位,賃金,退職金,各種の出向手当,昇格・昇給等の査定その他処遇等に関する規定等を勘案すれば,上告人らがその生活関係,労働条件等において著しい不利益を受けるものとはいえない。そして,本件各出向命令の発令に至る手続に不相当な点があるともいえない。これらの事情にかんがみれば,本件各出向命令が権利の濫用に当たるということはできない。
また,上記事実関係等によれば,本件各出向延長措置がされた時点においても,鉄道輸送部門における業務委託を継続した被上告人の経営判断は合理性を欠くものではなく,既に委託された業務に従事している上告人らを対象として本件各出向延長措置を講ずることにも合理性があり,これにより上告人らが著しい不利益を受けるものとはいえないことなどからすれば,本件各出向延長措置も権利の濫用に当たるとはいえない。
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【今日の一言】
数年間あと1点足りず、今回もまた…という方がいらっしゃった。
その方は「失敗の先に成功がある。失敗して得るものがある。自分にやりたいことにするために合格は必要だから続ける。本当は悔しい。でもこの悔しさは、自分は、合格でしか晴らすことができない」と仰っしゃり、翌年合格された。
執筆/資格の大原 社会保険労務士講座
金沢 博憲 「時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
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