皆様こんにちは。
資格の大原 社会保険労務士試験対策講座の金沢です。

「Twitterで選択対策」のバックナンバー版「ブログで選択対策」の配信です。

選択式問題を解く際のポイントは次の通りです。

解く際のポイントテキストが入ります。

①問題文を見て解答となる語句や数字を思い出す※いきなり語群をみない
②思い出した語句や数字を語群から探す
③ダミーの選択肢と相対評価して解答を確定する
④思い出せなかった場合でも、どういう性質のカテゴリー(行政機関名、給付名称、給付率、届出期限など)かを思い出した上で、語群から探す。選ぶ際も自分なりの根拠を持って選ぶ。

このポイントを意識することで、選択式対応力が上がっていきます。

それでは、今回のお題はこちらです。

作業床の設置(正解率70%)

問題

事業者は、高さが【?】メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等を除く。)で作業を行なう場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない。

A 1
B 1.5
C 2
D 2.5

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今からコツコツ毎日判例【ブログ】

解答・解説

”正解はここをクリック”

「C 2」。

”1㍍は一命とる”という安全標語。
1メートルでも、転落・転倒すれば命に関わるという意味。
安全衛生規則は、転落による労働者の危険を防止するため、次のような規定がある。

・2㍍以上→作業床の設置
・2㍍以上(作業床の設置が困難)→ロープ高所作業やフルハーネス型墜落制止用器具を用いる作業に係る特別教育
・1.5㍍超える→昇降設備の設置

関連論点
  • 事業者は、最大荷重が1トン未満のフォークリフトの運転の業務については、労働安全衛生法第59条第3項のいわゆる特別教育を行わなければならない。
  • 事業者は、廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉の設備の保守点検等の業務に労働者を就かせるときは、労働安全衛生規則第592条の7に規定する科目について特別の安全衛生教育を行わなければならないが、当該科目の一部について十分な知識及び技能を有していると認められる労働者であれば、その科目についての特別の安全衛生教育を省略することはできる。
  • 事業者は、労働安全衛生法第59条第3項の規定に基づく安全又は衛生のための特別教育を行ったときは、当該特別教育の受講者、科目等の記録を作成し、これを3年間(2年間×)保存しておかなければならない。
  • 事業者は、建設用リフトの運転の業務に労働者を就かせるときは、その業務に関する特別の安全衛生教育を行わなければならないが、その業務に関する特別の安全衛生教育を行ったときは、当該教育の受講者、科目等の記録を作成して、3年間保存しておかなければならない。
  • 労働者がその事業における派遣就業のために派遣されている派遣先の事業に関しては、労働安全衛生法第59条第2項の規定に基づく作業内容変更時の安全衛生教育は派遣元事業主及び派遣先事業主が、同条第3項の特別の安全衛生教育は派遣先事業主(派遣元及び派遣先の双方ではない)が、それぞれ行わなければならない。

    以上、今回の問題でした。

    毎日判例

    国際自動車事件(第2次)(令和2年3月30日)

    歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の定めがある賃金規則に基づいてされた残業手当等の支払により労働基準法37条の定める割増賃金が支払われたとはいえないとされた事例

    (概要)

    労働者は、タクシー事業等を営むY社と労働契約を締結し、タクシー乗務員として勤務していた。
    会社の就業規則の一部である賃金規則によると、タクシー乗務員の歩合給は、揚高をもとに計算した対象額から割増金(残業手当、深夜手当、公出手当の合計)および交通費を控除したものとして計算されており、時間外労働等に対応する割増金(残業手当等)に相当する金額が歩合給の計算から控除されるため、時間外労働等が行われてもその時間数に対応する賃金の増額はないものとされていた。
    なお、歩合給の算定にあたり、対象額から割増金と交通費を控除した金額がマイナスになる場合には、歩合給の支給額を0円とする取扱いをしており、実際に、対象額が上記の控除額を下回り、労働者への歩合給の支給額が0円とされたこともあった。

    労働者は、歩合給の計算にあたり残業手当等に相当する金額を控除する旨の賃金規則の定めは無効であり、控除された残業手当等に相当する賃金等の支払を求めて、訴えを提起した。

    第1次上告審(H29.02.28最3小判)は、売上高等の一定割合に相当する金額から割増賃金相当額を控除したものを通常の労働時間の賃金とする旨の労働契約上の定めが、労基法37条の趣旨に当然反するものとして公序に反し無効であると解することはできないとした上で、同原審(第1次控訴審)では、通常の労働時間の賃金に当たる部分と同条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することができるか否か等の審理判断がなされていないとして、原審に差し戻した。

    本件原審(第2次控訴審)は、本件賃金規則においては、通常の労働時間の賃金に当たる部分と同条の定める割増賃金に当たる部分とが明確に区分されて定められており、本件賃金規則において割増賃金として支払われた金額(割増金の額)は、労基法37条等に定められた方法により算定した割増賃金の金額を下回らないから、労働者に支払われるべき未払賃金があるとは認められないとして、労働者の請求をいずれも棄却すべきものとした。
    これに対し、労働者が上告した。

    (要旨)

    歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の定めがある賃金規則に基づいてされた残業手当等の支払につき,時間外労働等に伴い発生する残業手当等の額がそのまま歩合給の減額につながり,歩合給が0円となることもあるなど判示の事情の下では,これにより労働基準法の定める割増賃金が支払われたとはいえない。

    (要約)

    歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の定めがある賃金規則に基づいてされた残業手当等の支払につき、残業手当等の額がそのまま歩合給の減額につながり,0円となることもある場合には,割増賃金が支払われたとはいえない。

    (判決文)

    使用者が労働者に対して労働基準法37条の定める割増賃金を支払ったとすることができるか否かを判断するためには、割増賃金として支払われた金額が、通常の労働時間の賃金に相当する部分の金額を基礎として、労働基準法37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回らないか否かを検討することになるところ、その前提として、労働契約における賃金の定めにつき、通常の労働時間の賃金に当たる部分と同条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することができること(編注:明確区分性という)が必要である。

    そして、使用者が、労働契約に基づく特定の手当を支払うことにより労働基準法37条の定める割増賃金を支払ったと主張している場合において、上記の判別をすることができるというためには、当該手当が時間外労働等に対する対価として支払われるものとされていることを要するところ、当該手当がそのような趣旨で支払われるものとされているか否かは、当該労働契約に係る契約書等の記載内容のほか諸般の事情を考慮して判断すべきであり、その判断に際しては、当該手当の名称や算定方法だけでなく、上記アで説示した同条の趣旨を踏まえ、当該労働契約の定める賃金体系全体における当該手当の位置付け等にも留意して検討しなければならないというべきである。

    (中略)

    結局,本件賃金規則の定める上記の仕組みは,その実質において,出来高払制の下で元来は歩合給(1)として支払うことが予定されている賃金を,時間外労働等がある場合には,その一部につき名目のみを割増金に置き換えて支払うこととするものというべきである(このことは,歩合給対応部分の割増金のほか,同じく対象額Aから控除される基本給対応部分の割増金についても同様である。)。
    そうすると,本件賃金規則における割増金は,その一部に時間外労働等に対する対価として支払われるものが含まれているとしても,通常の労働時間の賃金である歩合給(1)として支払われるべき部分を相当程度含んでいるものと解さざるを得ない。
    そして,割増金として支払われる賃金のうちどの部分が時間外労働等に対する対価に当たるかは明らかでないから,本件賃金規則における賃金の定めにつき,通常の労働時間の賃金に当たる部分と労働基準法37条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することはできないこととなる。

    したがって,被上告人の上告人らに対する割増金の支払により,労働基準法37条の定める割増賃金が支払われたということはできない。

    そうすると,本件においては,上記のとおり対象額Aから控除された割増金は,割増賃金に当たらず,通常の労働時間の賃金に当たるものとして,労働基準法37条等に定められた方法により上告人らに支払われるべき割増賃金の額を算定すべきである。

    以上と異なる原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨はこの趣旨をいうものとして理由があり,原判決は破棄を免れない。そして,被上告人が上告人らに対して支払うべき未払賃金の額等について更に審理を尽くさせるため,本件を原審に差し戻すこととする。

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    【今日の一言】

    マーカーを引く行為は作業。
    それだけでは頭に入らない。
    最初の段階では、”本当に抑えるべき箇所”は分からない。
    気になる箇所に薄く鉛筆で線を引いておくので十分。

    問題を解いて、習熟度が上がっていく過程で”本当に抑えるべき箇所”にのみ、最小限のマークをする。

    執筆/資格の大原 社会保険労務士講座

    金沢 博憲金沢 博憲

    「時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
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