【選択式対策】空欄の前後の語句をチェックせよ!【実践編】

社会保険労務士受験生の皆さん、こんにちは。

選択式試験問題では、ほぼ毎年、殆どの受験生にとっての初見の問題が出題され、また、その初見の問題をある程度得点できるかどうかが合否を分かることがあります。

この初見の問題にどのように対応するかが選択式試験のカギとなります。

そこで、選択式の難問を攻略するためのテクニックをシリーズでご紹介していきます。

今回ご紹介するテクニックは、「空欄の前後の語句をチェックせよ!」です。

空欄の前後の語句をチェックせよ!

このテクニックは、
・空欄に語句を埋めてみる

・空欄の語句とその空欄前後の語句とのつながりをみる

・「もしこの語句が正解だとすると、文章が日本語としておかしい。だからこの語句は正解ではない。」という語句を消していく

・消去法で正解率を高めていく、

という方法です。

この「日本語としておかしい」つながりとして典型的なものが、「空欄の語句と、前後の語句が同じ意味になってしまう」というものです。

例えば、「使用者又は労働者」という条文はよくありますが、「使用者又は使用者」(これは極端ですが)とか、「使用者又は事業主」という条文は存在しません。

又は」は選択式接続詞ですから、例えば「甲又は乙」という文章の場合、甲と乙に同じ意味の言葉は用いられないからです。

したがって、「甲又は【A】」という問題では、

「甲」と同じ意味の語句や類似した意味の語句は誤りの語句である可能性が高い

という推測することができます。

過去問で試す!(1)

このテクニックを使って本試験問題にチャレンジしてみましょう。

~平成21年試験-労働基準法・労働安全衛生法~
労働安全衛生規則第15条第1項では、「産業医は、少なくとも毎月1回作業場等を巡視し、【E】又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。」と定められている。

選択肢
・作業環境 ・作業場所 ・作業方法 ・設備
 

この条文は、産業医が作業場等を巡視する際、健康障害の原因となる有害のおそれをチェックし、必要な対策を講じる義務を定めた規定です。

この健康障害の原因は、物的原因、人的原因、環境的原因の3つに分けることができ、【E】の後に続く「衛生状態」は、環境的原因を意味する語句です。

したがって、【E】に環境的原因を意味する語句を埋めると、「環境的原因又は環境的原因」と同じ意味の言葉が続き、文章がおかしくなります。

結果、環境的原因を意味する語句は誤りであると判断することができます。

選択肢のうちで環境的原因を意味する語句は、「環境」という言葉から【作業環境】、「場所」という言葉から【作業場所】の2つであり、この2つを消すことができます。

そして、物的原因を意味する【設備】は機械のことであり医師の専門外の分野であるため、産業医がチェックする項目としてふさわしくないので、これも消せます。

結果、人的原因を意味する【作業方法】が正解です。

このテクニックは、並列関係になっている文章であれば、「又は」の記載がなくても、活用することができます。次の問題もそうです。

過去問で試す!(2)

~平成22年試験-労働に関する一般常識(男女雇用機会均等法)~
このような状況の中、平成18年に改正された、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律においては、あらゆる雇用管理の段階における性別による差別的取扱い、【E】、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱い等が禁止されるとともに、セクシュアルハラスメント防止対策の義務が強化される等、法の整備・強化が図られた。

選択肢
・間接差別 ・国籍又は信条 ・社会的身分 ・直接差別
 

まず、国籍、信条、社会的身分を理由とする差別的取扱いの禁止規定は、労働基準法の規定であり、均等法の規定ではないため、【国籍又は信条】【社会的身分】は、消せます。

残る【間接差別】【直接差別】の絞込みで、【E】の前の語句に着目しましょう。

あらゆる雇用管理の段階における性別による差別的取扱い」とあります。これは直接差別を意味する語句です。

とすると、【E】に【直接差別】を埋めると、「直接差別、直接差別」と同じ意味の語句が続き、文章がおかしくなりますから、【直接差別】は消せます。

結果、【間接差別】が正解です。

以上です。