皆様こんにちは。
資格の大原 社会保険労務士試験対策講座の金沢です。
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選択式問題を解く際のポイントは次の通りです。
①問題文を見て解答となる語句や数字を思い出す※いきなり語群をみない
②思い出した語句や数字を語群から探す
③ダミーの選択肢と相対評価して解答を確定する
④思い出せなかった場合でも、どういう性質のカテゴリー(行政機関名、給付名称、給付率、届出期限など)かを思い出した上で、語群から探す。選ぶ際も自分なりの根拠を持って選ぶ。
このポイントを意識することで、選択式対応力が上がっていきます。
それでは、今回のお題はこちらです。
割増賃金の計算の基礎となる賃金(正解率63%)
問題
(月給)
・基本給 235,000円
・精皆勤手当 8,000円
・家族手当 10,000円
・通勤手当 15,000円
家族手当は家族の⼈数に関係なく⼀律に⽀給しており、通勤⼿当は通勤に要した費用に応じて支給している。
割増賃金の計算の基礎となる賃金はいくら?
A 235,000円
B 243,000円
C 253,000円
D 268,000円
令和7年本試験問題の選択肢別解説。
未知の論点が混じる選択肢の中から、いかに早く正解肢を特定するのか。
高得点者はどの問題をとって、どの問題を取れなかったか。どのような思考回路で解いたのか。択一式試験の問題を実況中継風に解説します。#社労士240:00 はじめに1:28 問1 絶対とりたい!4:44 問2 とれたらすごい!7:46 問3 絶対とりたい!9:08 問4 絶対とりたい!12:30 問5 絶対とりたい!
解答・解説
「C 253,000円」。
割増賃金の計算の基礎からは、次の賃金は除外される。
① 家族⼿当
② 通勤⼿当
③ 別居⼿当
④ ⼦⼥教育⼿当
⑤ 住宅⼿当
⑥ 臨時に⽀払われた賃⾦
⑦ 1か⽉を超える期間ごとに⽀払われる賃金
家族手当や通勤手当は、原則的には除外されるが、一律支給の場合は除外されない。
よって、本問の家族手当は一律支給のため除外されない。
結果、割増賃金の計算の基礎となる賃金は、基本給(235,000円)+精皆勤手当(8,000円)+家族手当(10,000円)=253,000円となる。
関連論点- 割増賃金の計算の基礎となる賃金には家族手当、住宅手当等は算入されないこととされているが、例えば、賃貸住宅の居住者には3万円、持家の居住者には1万円というように、住宅の形態ごとに一律に定額で支給することとされている手当は、割増賃金の基礎から除外される住宅手当に該当せず、割増賃金の基礎となる賃金に算入する。
- 割増賃金の基礎となる賃金(算定基礎賃金)はいわゆる通常の賃金であり、家族手当は算定基礎賃金に含めないことが原則であるが、家族数に関係なく一律に支給されている手当は、算定基礎賃金に含める必要がある。
- 通勤手当は、労働とは直接関係のない個人的事情に基づいて支払われる賃金であるから、割増賃金の基礎となる賃金には算入しないこととされている。
- ある作業中に、やむを得ない事情により特殊な危険作業(例えば高圧電流の通じる線を取り扱う作業)に従事する場合、これに対してその日は特に危険作業手当を支給することになっているが、当該危険作業が法定の時間外労働として行われた場合は、割増賃金の基礎となる賃金に算入しなければならない。
- 年俸制で毎月支払部分と賞与部分を合計してあらかじめ年俸額が確定している場合の賞与部分は、賞与部分を含めて確定した年俸額を算定の基礎として割増賃金を支払う必要がある。
- いわゆる年俸制の適用を受ける労働者の割増賃金の取扱いについて、賞与の支給額が確定しており、かつ、毎月支払部分と賞与とが明確に区分されている場合には、当該賞与額は、割増賃金の計算になる賃金に算入しなければならない。
- 年間賃金額を予め定めるいわゆる年俸制を採用する事業場において、就業規則により、決定された年俸の16分の1を月例給与とし、決定された年俸の16分の4を2分して6月と12月にそれぞれ賞与として支給し、他に交通費実費分の通勤手当を月々支給することを定めて支給しているような場合には、割増賃金の支払いは、月例給与に賞与部分を含めた年俸額を基礎として計算をして支払わなければならない。
- 通勤手当を、月額1,000円までは距離にかかわらず一律に、1,000円を超える場合は実際距離に応じた額を支給することとしている場合、割増賃金の基礎となる賃金の算定に当たっては、実際距離によらない一定額の部分は割増賃金の基礎から除外される通勤手当ではないから、一律に支給される1,000円は、割増賃金の基礎となる賃金に算入しなければならない。
- 手術に従事した医師に対して支払われる手術手当は、当該手術手当を支給される医師が手術以外の業務で法定時間外労働を行った場合においては、割増賃金の基礎となる賃金に算入しなくても差し支えない(手術の業務を法外時間外労働で行った場合は、割増賃金の基礎となる賃金に算入しなければならない)。
- 通常は事務作業に従事している労働者が、法定労働時間外に特殊作業手当が支払われる現場作業に従事した場合、当該特殊作業手当は割増賃金の基礎となる賃金に算入しなければならない。
- 正規の勤務時間による勤務の一部又は全部が午後10時から午前5時までの間において行われる看護業務に従事したときに、その勤務1回につき夜間看護手当として3,000円を支払う場合、当該夜間看護手当は、本条第1項の通常の労働時間又は労働日の賃金とは認められないから、割増賃金の基礎となる賃金に算入しなくとも差し支えない。
以上、今回の問題でした。
毎日判例
葬祭料不支給決定処分取消請求事件(平成9年1月23日)
土木工事及び重機の賃貸を業として行っていた事業主が、特別加入の承認を受けていたとしても、その使用する労働者を右事業主が請け負った土木工事にのみ従事させており、重機の賃貸については労働者を使用していなかったときは、右重機の賃貸業務に起因する死亡に関し、同法に基づく保険給付を受けることはできないものとされた事例。
「労働者災害補償保険法二七条一号所定の事業主の特別加入の制度は、労働者に関し成立している労災保険に係る労働保険の保険関係を前提として、右保険関係上、事業主を労働者とみなすことにより、当該事業主に対する同法の適用を可能とする制度である。原審の適法に確定した事実関係等によれば、事業主は、土木工事及び重機の賃貸を業として行っていた者であるが、その使用する労働者を事業主が建設事業の下請として請け負った土木工事にのみ従事させており、重機の賃貸については、労働者を使用することなく、請負に係る土木工事と無関係に行っていたというのである。そうであれば、同法二八条に基づき事業主の加入申請が承認されたことによって、その請負に係る土木工事が関係する建設事業につき保険関係が成立したにとどまり、労働者を使用することなく行っていた重機の賃貸業務については、労働者に関し保険関係が成立していないものといわざるを得ないのであるから、事業主は、重機の賃貸業務に起因する死亡等に関し、同法に基づく保険給付を受けることができる者となる余地はない。」
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ご面倒及び迷惑をおかけしますが、探してみてください。
【今日の一言】
合格点のうち、 9割を知識で解き、 1割を思考で解く。
思考とは、原理原則の応用、既存知識からの類推、知識の事例への当てはめ。
両方必要。
それが社労士試験。
執筆/資格の大原 社会保険労務士講座
金沢 博憲 「時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
Twitterもやっています。


