皆様こんにちは。
資格の大原 社会保険労務士試験対策講座の金沢です。
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選択式問題を解く際のポイントは次の通りです。
①問題文を見て解答となる語句や数字を思い出す※いきなり語群をみない
②思い出した語句や数字を語群から探す
③ダミーの選択肢と相対評価して解答を確定する
④思い出せなかった場合でも、どういう性質のカテゴリー(行政機関名、給付名称、給付率、届出期限など)かを思い出した上で、語群から探す。選ぶ際も自分なりの根拠を持って選ぶ。
このポイントを意識することで、選択式対応力が上がっていきます。
それでは、今回のお題はこちらです。
国庫負担と国庫補助(正解率51%)
問題
国庫負担と国庫補助。
国庫補助なのは?
A 介護保険の給付費
B 協会けんぽの給付費
C 基礎年金の給付費
D 都道府県等国保の給付費
ついでに見たい
超基本なのに正解率が低かった本試験問題【動画】
超基本なのに正解率が低かった本試験問題です。その理由は…担当:金沢博憲(#社労士24)
解答・解説
「B 協会けんぽの給付費」。
我が国の社会保険の費用には、社会保険財源を主としつつも、税財源も充てられている。
この税財源が国庫負担や国庫補助。
国の「やらなきゃ感(責任の度合い)」が強いものは「負担」となり、弱くなると「補助」になる。
各制度の給付費についての負担・補助・なしをざっくりまとめると、次のとおり。
(給付費)
・原則→負担
・補助→労災保険、協会けんぽ、組合国保
・なし→組合けんぽ、厚生年金
(給付費)
・労災保険→補助
・雇用保険→負担
・協会けんぽ→補助
・組合けんぽ→なし
・国民年金→負担
・厚生年金→なし(基礎年金拠出金に対し負担)
・都道府県等国保→負担
・組合国保→補助
・後期高齢者医療→負担
・介護保険→負担
上記のように、原則は「負担」。
国が「制度は作るけど、お金は、う~ん、どうしようかな~援助してもいいかな~(補助)」というスタンスでは、関係各位の理解を得ることが難しい。そこで「負担」として国の責任を明らかにするというわけ。
国民年金の制定時も、「全部税財源で」勢との合意形成を図るため、昭和34年の福祉年金(全額国庫負担)を先行スタートさせ、抱合せで36年4月からの拠出制年金(2分の1負担)をスタートさせたという経緯がある。
その観点でいえば、国民皆保険・皆年金より後につくられた社会保険制度は、「負担」となっている。介護保険法も後期高齢者医療制度もルーツは老人福祉法。
一方で、例外的に「補助」や「ない」ものがある。
・労災保険(補助)→事業主の損害賠償の代行であり、費用負担のメインは事業主。
・協会けんぽ(補助)→元々は財政支援なし。戦後、大赤字に陥った際に、大蔵省と昵懇だった健康保険課長が大蔵省に出向いて補助を付けさせた(らしい)。健保課長になる前の国保課長時代にも、国保の国庫補助の導入にも一役買っている(らしい)。
・組合けんぽ(なし)→特定の母企業に税財源の投入は好ましくない。
・組合国保(補助)→元々は財政支援なし。その後市町村国保とのバランスで補助がつくことになった。
・厚生年金→報酬比例の年金額に国庫負担をつけると、年金額が高いものほど多くの国庫負担がついてしまうため(所得再分配と逆の現象が起きる)。
以上、今回の問題でした。
過去の選択式問題の正解率別・項目別カテゴリー
過去の選択式問題の正解率別・項目別カテゴリーはこちら。
特に、正解率51%~75%、76%~100%の問題は、他の受験生の方も取れる論点となりますので、マスターしたいところです。
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執筆/資格の大原 社会保険労務士講座
「時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
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