社会保険労務士試験合格を目指される皆様、こんにちは。
今回は、厚生労働省が発表した「厚生労働省関係の主な制度変更(平成30年4月)」の中から、今年の社労士試験にかかわる内容を抜粋してご紹介します。
社労士試験の勉強をしていると法律の勉強なので「運営さん」視点に偏りがちです。こういった情報に触れて「ユーザーさん」視点からも眺めると、知識の機能性が上がります。
重要度は次の通り。
★★★→必須!
★★☆→真ん中。
★☆☆→余裕あれば。
年金関係
平成30年度の国民年金保険料★★★
平成30年度の国民年金保険料は、16,340円
(平成29年度16,490円 → 平成30年度16,340円)
※法律に規定されている平成30年度の保険料額16,900円(平成16年度価格)に、平成16年度以降の物価や賃金の変動を反映した率(0.967)を乗じることにより、16,340円となる。
保険料改定率は選択出題実績あり!覚えましょう。また、改定の基準は「物価」や「名目手取り賃金」ではなく「名目賃金」です。
平成30年度の年金額★★★
平成30年4月からの年金額は、月64,941円(老齢基礎年金(満額))
※平成29年平均の全国消費者物価指数は、0.5%↗となり、また、平成30年度の年金額改定に用いる名目手取り賃金変動率は▲0.4 %↘となった。 この結果、平成30年度の年金額は、法律の規定に基づき、平成29年度から据え置きとなる。
医療関係
診療報酬改定★☆☆
平成30年度診療報酬改定については、医療機関の経営状況、物価・賃金の動向等を踏まえ、診療報酬本体0.55%のプラス改定とした。
2018年度は
・第3期 医療費適正化計画(6年1期)スタート
・第7期 介護保険事業計画(3年1期)スタート
・診療報酬改定(2年に1回)
・介護報酬改定(3年に1回)
が同時にきます。
国民健康保険制度の都道府県単位化★★★
国民健康保険制度の財政運営の都道府県単位化と財政支援の拡充による財政基盤の強化を柱とする国保改革を施行する。
「都道府県も市区町村とともに保険者に」 都道府県の役割は「市町村から財布を預かって」上手に管理すること。これは制度発足以来の大改革。 一方、加入者からすると窓口は今まで通り最寄りの市役所なので、大きな変更はない。しかし、次の点は加入者にとってのメリットになる。
同一都道府県内の市町村間異動における高額療養費の多数回該当の通算★★☆
国民健康保険の被保険者が、同一都道府県内の他市町村へ住所を異動した場合について、当該被保険者が属する世帯の高額療養費の多数回該当に係る該当回数を引き継ぐ規定を設ける。
従来は市区町村をまたぐと多数回該当の回数がリセットされていたのが、改正で通算されるようになります。
同一都道府県内の市町村間異動における住所異動月に係る自己負担限度額について★★☆
国民健康保険の被保険者が、同一都道府県内の他市町村へ住所を異動した場合について、転居月において、転出元の市町村と転入先の市町村における自己負担限度額をそれぞれ本来の2分の1に設定する。
健保の高額療養費で75歳到達月は、負担限度額がハーフ&ハーフになるのと同じ発想
後期高齢者医療の保険料率の改定★☆☆
各都道府県の後期高齢者広域連合において、2年ごとに保険料率を改定。
国民健康保険・後期高齢者医療の保険料(税)の賦課(課税)限度額引上げ★★★
国民健康保険・後期高齢者医療の保険料(税)の賦課(課税)限度額について、国民健康保険は89万円から93万円に、後期高齢者医療は57万円から62万円に、それぞれ引き上げる(平成30年度分の保険料(税)から実施)。
国民健康保険は基礎賦課額(医療費の財源)にあてる部分がアップ。結果「58万円+19万円+16万円」の合計で93万円
介護関係
介護報酬改定★☆☆
平成30年度介護報酬改定については、介護サービス事業者の経営状況、賃金・物価の動向等を踏まえ、0.54%のプラス改定とした。
第1号被保険者(65歳以上)の保険料★☆☆
平成30年度から平成32年度までの介護保険の第1号保険料について、各保険者において、介護保険事業計画に定めるサービス費用見込額等に基づき設定する。
介護保険料の全国平均額はこれまで約5,500円(←選択出題実績あり)これが上がる見込み。
雇用・労働関係
障害者の法定雇用率の引上げ★★★
「障害者の雇用の促進等に関する法律」では、事業主に対して、その雇用する労働者に占める障害者の割合が一定率(法定雇用率)以上になるよう義務づけている。
平成30年4月1日から、障害者雇用義務の対象として、これまでの身体障害者、知的障害者に精神障害者が加わり、あわせて法定雇用率も次のように変わる。
・民間企業 2.2%(従前2.0%)
・国、地方公共団体等 2.5%(従前2.3%)
・都道府県等の教育委員会 2.4%(従前2.2%)。
法定雇用率の改正にあわせて、雇用義務が生じる企業規模も「50人→45.5人」に変化。45.5人×2.2%=1.001人
労災保険率等の改定★★☆
業種毎の労災保険率等について、平成30年度から改定する。
全業種平均が4.7/1000→4.5/1000に引き下げ。ただし試験対策上重要な「最低2.5(金融業他)・最高88(金属鉱業)」は据え置きなので、覚え直し不要!
ちなみに雇用保険率は「据え置き」で1000分の9のまま。
労災保険の介護(補償)給付額の改定★☆☆
平成30年4月から、介護を要する程度の区分に応じ、以下の額とする。
(1)常時介護を要する方
・最高限度額:月額105,290円(160円の引き上げ)
・最低保障額:月額57,190円(80円の引き上げ)
(2)随時介護を要する方
・最高限度額:月額52,650円(80円の引き上げ)
・最低保障額:月額28,600円(40円の引き上げ)
人事院勧告による国家公務員の給与改定と連動しており、毎年度の恒例です。 容量がもったいないのでくれぐれも「覚えないように」しましょう。 ざっくり10万円、5万円でOKです。
家事支援従事者に係る特別加入制度の新設★★★
個人家庭に雇用され、家事、育児等の作業に従事する者について、特別加入制度の対象とする。
家政婦は、労働基準法の労働者とされておらず、労災保険の強制加入対象ではありません。 しかし、既に特別加入対象となっている介護作業従事者との就労形態の(家事に近い仕事をしているという)類似性に鑑み、特別加入制度の対象とする改正です。 特別加入は選択式注意です!
以上です。
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