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みなさん、こんにちは。

社労士24担当講師の金沢です。

今回は、在職老齢年金について語ります。

在職老齢年金の見直し議論

在職老齢年金の対象者「月収62万円に引き上げ」を軸に議論が進んでいます。
※なお標準報酬月額の最高額は62万円です。

現行は65歳前は28万円、65歳以後は47万円です。

高齢者の就労意欲を削いでいるという指摘があり、これを引き上げようというものです。

完全に廃止すると、その分給付増が増え、現役世代の負担が増えてしまうため、廃止ではなく、対象者を絞る方向のようです。

社会保障審議会の年金部会で議論を進め、2020年の通常国会での法案提出を目指しています。 

低在老と高在老。低在老は何の略?

この在職老齢年金についての文献で、「低在老と高在老」という呼称がよく用いられます。

65歳前の在職老齢年金は「低在老」と呼ばれます。

一方、65歳以降の在職老齢年金は「高在老」です。

この「高在老」は「高年齢者在職老齢年金」の略です。

では、「低在老」は何の略でしょうか?

※ヒント→当初、厚生年金は「退職」が要件になっていた。

チッチッチッチッポーン

正解は、「低所得者在職老齢年金」です。

時代の変遷と共に変化する在老の役割

在老制度は当初、低所得である高齢者の暮らしの安定が目的でした。

厚生年金は当初、老齢年金の要件に「退職」があり、在職中は支給されなかったのです。

しかし、当時の高齢期就労は低賃金で、賃金だけでは生活できない問題があり、在職中でも年金を支給する特例を創設されました。

1969年の改正で、低賃金の60歳台前半を対象に、賃金水準に応じて年金の一定割合を支給する制度が創設されます。

これが現在の65歳前の在職老齢年金の原型です。

その後、高齢就労者が増える中、高齢者の就労を阻害しない観点からの見直しがなされてきたため、現在、「低所得者」向けのイメージは薄くなっています。

そのためか、低在老を「低年齢者在職老齢年金」と表現している文献も少なくなくありません。

「低年齢」も「低所得者」でも、いずれにしても法律名称ではなく、低年齢者でも間違いではないですが、制度創設当初の趣旨を踏まえると「低所得者」が正解となります。

当初、「低所得高齢者の生活の安定」が目的に創設された在職老齢年金。

健康寿命の伸びや就業者の意識の変化で、高齢期の就労を希望する方の増加。
生産年齢人口が減少する中、労働力を増やしたい国。
現役世代の負担増を抑えるため、高所得層への給付額を抑えたい年金制度。

これらの事象が重なって、在職老齢年金が持つ役割も変化しているということでしょう。

 

執筆/資格の大原 社会保険労務士講座

金沢 博憲金沢 博憲

時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
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