社労士24プラス「本試験全問解説」労基・安衛法問2~問5

皆様こんにちは。

資格の大原 社会保険労務士試験対策講座の金沢です。

本試験後に大変お疲れのところ、ブログをご覧いただきまして誠にありがとうございます。

前回の記事で社労士試験の全問の解答解説を行う「社労士24プラスで本試験全問解説」の誌上?体験版をご紹介しました。

ご好評を受けまして、今回、第2弾「労働基準法・労働安全衛生法問2~問5」までご紹介させて頂くことになりました。

誌上?体験版もよいですが、動画版は、音声・画像などいろんな角度から情報が入ってきますので、よりわかりやすいと思います。

動画版をみる手続きはメールアドレスをご登録いただくだけです。今年の7月からスタートして、すでに数千人の方にご登録頂いております。ぜひご登録の上、ご覧いただき、振り返りにお役立てご覧ください。

なお、すでに「社労士24プラス」にご登録済の方は、再度のご登録は不要です。

「全問解説」体験版(労働基準法・労働安全衛生法02~05)

次に問2です。

正しいものの組み合わせ問題です。アとエの組み合わせが正解でした。

まずアについてみます。

論点は、労働基準法が適用される前提は事業であるということです。

事業とは業として継続的に行われる活動です。アでは「事業を営むことがない大学生が引っ越し作業を友人に手伝ってもらった」場合です。

すなわち、労働基準法の事業に該当しないため、使用者、労働者の関係性もなく、労働基準法は適用されないことになります。

次にエです。

論点は、労働基準法の労働者の定義です。

労働基準法の労働者とは、使用者から指揮命令を受けて、かつ、賃金を受けるものです。

この観点から、代表がつく取締役は組織上トップであるため、誰からも命令されません。

結果、代表取締役は労働者にはなりません。

一方、代表権がない取締役は、トップではないため、使用者と労働者の二面性を持ちます。

すなわち、同じ取締役でも代表権があるか、ないかが結論の分岐点です。

問題文をみると、「代表権を持たない」「工場長等の職にあって賃金を受ける」とあります。すなわち兼務役員のケースです。結果、その限りにおいては労働者に該当することになります。

以上、問2についてでした。

次に問3です。

正しいものはどれかの問題で、Dが正解肢です。

Dは解雇制限に関する問題です。

「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間」とその後の30日間が解雇制限期間とされます。「休業する期間」とありますので、休業していなければ解雇制限にかかりません。

問題文では、「休業しないで就労している場合」、とありますので、解雇制限を受けない、というのは、正しいです。

ほか、「解雇制限になりそうでならない」シリーズとしては、「療養のため」ですから、治癒後、すなわち、症状が固定化した後は、解雇制限にかからない、というのもあります。

以上、問3です。

次に問4です。

誤っているものはどれかの問題で、Bが正解肢です。

有害業務に係る1日の時間外労働は2時間まで」に関する問題です。

その有害業務とは、坑内労働その他健康上特に有害な業務です。

すなわち、作業時間に比例して健康が害されていく業務です。例えば、放射線をあびる業務については作業時間に応じて健康被害が増します。

そして1日2時間まで、ということは、法定労働時間8時間であれば、プラス2時間の10時間まで有害業務が可能です。このように有害業務オンリーで1日10時間まで、という制限ですから、有害業務以外の業務については10時間の枠に入りません。

したがって、問題文の「坑内労働等とその他の労働」が同一の日に行われる場合、例えば、坑内労働等に8時間従事した後にその他の労働に2時間を超えて従事させることも、36協定の範囲内であれば可能です。

結果、Bは誤りとなります。

次に問5です。

誤っているものはいくつあるかの、個数問題です。

まずアは、均等待遇の原則についてです。

均等待遇の原則は、国籍、信条、社会的身分を理由とした、労働条件全般についての差別を禁止しています。

問題文では、この対応関係に性別が入っています。

この部分が誤りで、結果アは誤りです。

次に、ウです。

中間搾取の排除についてです。

「業として」というのは、営利目的で反復継続する意思があれば、行為が1回でも該当します。

問題文では、1回の行為では規制対象としないとありますが、この部分が誤りです。結果エは誤りです。

最後にオです。研修医の労働者性が争点になった最高裁判例からの問題です。

この裁判は、死亡した研修医の遺族が奨学金と最低賃金との差額を未払賃金として支払を求めたものです。

判決では研修医は「指導医の指導の下にある」と評価される限りは労働者に当たるとし、その後の臨床研修制度の見直しの契機となりました。

問題文では、「臨床研修指導医の指導の下に従事」とされているにもかかわらず、労働者に当たらない、とあるため、×という判断です。

以上労働基準法・労働安全衛生法問1から問5でした。

(2017/9/8)