皆さん、こんにちは。

金沢博憲(社労士24)です。

2020年社会保険労務士試験の解答・解説です。

手早く論点確認をして頂けるように、問題・解答を併記しています。

問題文の「ここをみれば正誤判断ができる」という部分にマーカーを引いています。

正しい対応関係にはこの色のマーカー誤っている対応関係にはこの色のマーカーをつけています。

正解率は、大原採点サービスをご利用の方の率です。

・70%以上→絶対得点したい問題。
・40%~70%未満→できれば得点したい問題。
・40%未満→得点できなくても仕方がない問題。

今回は、労働者災害補償保険法及び労働保険料徴収法です。

労働者災害補償保険法及び労働保険料徴収法

・70%以上→5問
・40%~70%未満→3問
・40%未満→2問

合格者(男性)

全体的に難しくはないが、マイナーな箇所をネチネチきいてくる印象

〔問 1〕正解率90%

合格者(男性)

「相対的給付制限の論点をすごく回りくどくいってみた」問題。

業務災害の保険給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 業務遂行中の負傷であれば、労働者が過失により自らの負傷の原因となった事故を生じさせた場合、それが重大な過失でない限り、政府は保険給付の全部又は一部を行わないとすることはできない

正しい。

・過失→相対的給付制限の対象にならない。
・重大な過失→相対的給付制限の対象になる。

B 業務遂行中の負傷であれば、負傷の原因となった事故が、負傷した労働者の故意の犯罪行為によって生じた場合であっても、政府は保険給付の全部又は一部を行わないとすることできない

誤り。

・故意の犯罪行為→相対的給付制限の対象になる。

C 業務遂行中の負傷であれば、労働者が過失により自らの負傷を生じさせた場合、それが重大な過失でない限り、政府は保険給付の全部又は一部を行わないとすることはできない

正しい。

・過失→相対的給付制限の対象にならない。
・重大な過失→相対的給付制限の対象になる。

Aと同じ。

D 業務起因性の認められる疾病に罹患した労働者が、療養に関する指示に従わないことにより疾病の程度を増進させた場合であっても、指示に従わないことに正当な理由があれば、政府は保険給付の全部又は一部を行わないとすることはできない

正しい。

・療養に関する指示に従わない(正当な理由あり)→相対的給付制限の対象にならない。
・療養に関する指示に従わない(正当な理由なし)→相対的給付制限の対象になる。

E 業務起因性の認められる疾病に罹患した労働者が、療養に関する指示に従わないことにより疾病の回復を妨げた場合であっても、指示に従わないことに正当な理由があれば、政府は保険給付の全部又は一部を行わないとすることはできない

正しい。

・療養に関する指示に従わない(正当な理由あり)→相対的給付制限の対象にならない。
・療養に関する指示に従わない(正当な理由なし)→相対的給付制限の対象になる。

Dは増進、Eは回復を妨げた、の違い。でも訊かれていることは同じ。

 

〔問 2〕正解率90%

合格者(男性)

Bは定番の引掛け問題で「これは大丈夫と」ホッとする。

労災保険に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 船舶が沈没した際現にその船舶に乗っていた労働者の死亡3か月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合には、遺族補償給付、葬祭料、遺族給付及び葬祭給付の支給に関する規定の適用については、その船舶が沈没した日に、当該労働者は、死亡したものと推定する。

正しい。

【死亡の推定】
・船舶○、飛行機○→他の乗り物は×
・生死不明期間→3か月(6か月×)
・死亡推定時期→沈没した「その日」(翌日×、3か月経過日×)

B 航空機に乗っていてその航空機の航行中行方不明となった労働者の生死が3か月間わからない場合には、遺族補償給付、葬祭料、遺族給付及び葬祭給付の支給に関する規定の適用については、労働者が行方不明となって3か月経過した日に、当該労働者は、死亡したものと推定する。

誤り。

【死亡の推定】
・船舶○、飛行機○→他の乗り物は×
・生死不明期間→3か月(6か月×)
・死亡推定時期→沈没した「その日」(翌日×、3か月経過日×)

C 偽りその他不正の手段により労災保険に係る保険給付を受けた者があるときは、政府は、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる

正しい。

まあそのまま。

D 偽りその他不正の手段により労災保険に係る保険給付を受けた者があり、事業主が虚偽の報告又は証明をしたためその保険給付が行われたものであるときは、政府は、その事業主に対し、保険給付を受けた者と連帯してその保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部である徴収金を納付すべきことを命ずることができる

正しい。

まあそのまま

E 労災保険法に基づく保険給付を受ける権利を有する者死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)、父母祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたもの(遺族補償年金については当該遺族補償年金を受けることができる他の遺族遺族年金については当該遺族年金を受けることができる他の遺族)は、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる

正しい。

【未支給給付の請求権者】
・遺族補償年金「以外」の受給権者が死亡→配~兄+生計同一(相続人×)
・遺族補償年金の受給権者が死亡→その他の遺族

 

〔問 3〕正解率10%

合格者(男性)

特定作業従事者の細かいところ。10%だからできなくていいんだよ。

労災保険法第33条第5号の「厚生労働省令で定める種類の作業に従事する者」は労災保険に特別加入することができるが、「厚生労働省令で定める種類の作業」に当たる次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 国又は地方公共団体が実施する訓練として行われる作業のうち求職者を作業環境に適応させるための訓練として行われる作業

正しい。

職場適応訓練。

B 家内労働法第2条第2項の家内労働者又は同条第4項の補助者が行う作業のうち木工機械を使用して行う作業であって、仏壇又は木製若しくは竹製の食器の製造又は加工に係るもの

正しい。

家内労働者及び補助者。

C 農業(畜産及び養蚕の事業を含む。)における作業のうち、厚生労働大臣が定める規模の事業場における土地の耕作若しくは開墾、植物の栽培若しくは採取又は家畜(家きん及びみつばちを含む。)若しくは蚕の飼育の作業であって、高さが1メートル以上の箇所における作業に該当するもの

誤り。

特定作業従事者。

家きん(飼育する鳥)って何…?

「高さが1メートル以上」じゃなくて「2メートル以上」なんだって!へーそうなんですか!

D 日常生活を円滑に営むことができるようにするための必要な援助として行われる作業であって、炊事、洗濯、掃除、買物、児童の日常生活上の世話及び必要な保護その他家庭において日常生活を営むのに必要な行為

正しい。

家事支援従事者。

E 労働組合法第2条及び第5条第2項の規定に適合する労働組合その他これに準ずるものであって厚生労働大臣が定めるもの(常時労働者を使用するものを除く。以下「労働組合等」という。)の常勤の役員が行う集会の運営、団体交渉その他の当該労働組合等の活動に係る作業であって、当該労働組合等の事務所、事業場、集会場又は道路、公園その他の公共の用に供する施設におけるもの(当該作業に必要な移動を含む。)

正しい。

労働組合常勤役員。

 

〔問 4〕正解率30%

合格者(男性)

罰則&個数の凶悪問題。個数は、なしか全部のパターンが多いんだよな…

労災保険法の罰則規定に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア 事業主が、行政庁から厚生労働省令で定めるところにより労災保険法の施行に関し必要な報告を命じられたにもかかわらず報告をしなかった場合、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される。

正しい。

ア~オは、いずれも、事由は「行政庁から命令されて」→「答えなかったり、嘘ついた」、罰則の重さは「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金」という構造になっている。
罰則の重さが同じと仮定すれば、「全部正しいか、全部誤っている」かのどちらかで、「なし」という選択肢はないので、「5つ」を正解と推測することが可能。ただし、試験後に後付で考えた場合に限っては。

試験中にそんなことを考えている余裕はない。

イ 事業主が、行政庁から厚生労働省令で定めるところにより労災保険法の施行に関し必要な文書の提出を命じられたにもかかわらず提出をしなかった場合、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される。

正しい。

ウ 事業主が、行政庁から厚生労働省令で定めるところにより労災保険法の施行に関し必要な文書の提出を命じられた際に虚偽の記載をした文書を提出した場合、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される。

正しい。

エ 行政庁が労災保険法の施行に必要な限度において、当該職員に身分を示す証明書を提示しつつ事業場に立ち入り質問をさせたにもかかわらず、事業主が当該職員の質問に対し虚偽の陳述をした場合、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される。

正しい。

オ 行政庁が労災保険法の施行に必要な限度において、当該職員に身分を示す証明書を提示しつつ事業場に立ち入り帳簿書類の検査をさせようとしたにもかかわらず事業主が検査を拒んだ場合、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される。

正しい。

 

A 一つ B 二つ C 三つ D 四つ E 五つ

 

〔問 5〕正解率60%

合格者(男性)

これは勉強が進んでいると逆に悩む問題。

障害等級認定基準についての行政通知によれば、既に右示指の用を廃していた(障害等級第12級の9、障害補償給付の額は給付基礎日額の156日分)者が、新たに同一示指を亡失した場合には、現存する身体障害に係る障害等級は第11級の6(障害補償給付の額は給付基礎日額の223日分)となるが、この場合の障害補償給付の額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 給付基礎日額の67日分

正しい。

「新たに同一示指を亡失」とあるので「加重障害(差額支給)」と判断。

223日分-156日分=67日分。

(解答時の思考)
67日だな…いや、従前障害も業務災害だったら、156日分もでるぞ…だとすると、156日分と67日分がそれぞれ支給だな…選択肢にないぞ…問題文をみよう…「この場合」? どの場合なんだよおおおぉ!

B 給付基礎日額の156日分

誤り。

C 給付基礎日額の189日分

誤り。  

D 給付基礎日額の223日分

誤り。

E 給付基礎日額の379日分

誤り。

 

〔問 6〕正解率-(50%)

合格者(男性)

試験後にボツ問発表。試験中に正解が見つからなくて悩んでしまった方もいらっしゃるのでは…

業務災害の保険給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 労働者が業務上の負傷又は疾病による療養のため所定労働時間のうちその一部分のみについて労働し、当該労働に対して支払われる賃金の額が給付基礎日額の20%に相当する場合、休業補償給付と休業特別支給金とを合わせる給付基礎日額100%となる。

誤り。

・賃金→給付基礎日額の20%相当
・休業補償給付→(給付基礎日額100%-給付基礎日額20%)×60%=48%相当
・休業特別支給金→(給付基礎日額100%-給付基礎日額20%)×20%=16%相当
合計で84%相当。

問題文では、「賃金+休業補償給付+休業特別支給金」の合計か、「休業補償給付+休業特別支給金」の合計か、どちらをいっているのか微妙だか、いずれにしろ100%にはならないので×。

B 業務上負傷し、又は疾病にかかった労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後3年を経過した日において傷病補償年金を受けている場合に限り、その日において、使用者は労働基準法第81条の規定による打切補償を支払ったものとみなされ、当該労働者について労働基準法第19条第1項の規定によって課せられた解雇制限は解除される。

誤り。

「その日限り」という部分が誤り。

・3年経過した日において傷病補償年金を受けている場合→打切補償の支払いみなし
・3年経過した日において傷病補償年金を受けていなくても、その後、受けることになったとき→打切補償の支払いみなし

C 業務上の災害により死亡した労働者Yには2人の子がいる。1人はYの死亡の当時19歳であり、Yと同居し、Yの収入によって生計を維持していた大学生で、もう1人は、Yの死亡の当時17歳であり、Yと離婚した元妻と同居し、Yが死亡するまで、Yから定期的に養育費を送金されていた高校生であった。2人の子は、遺族補償年金の受給資格者であり、同順位の受給権者となる。

誤り。

前半で登場する「19歳の大学生」は、子の年齢要件(18歳年度末まで)に該当しない。また障害状態にあるという記述もない。
結果、遺族補償年金の受給権者にならない。

後半で登場する「17歳の高校生」の方に注意をひきつけて、実は論点は前半、という問題。

D 障害補償給付を支給すべき身体障害の障害等級については、同一の業務災害により身体障害が2以上ある場合で、一方の障害が第14級に該当するときは、重い方の身体障害の該当する障害等級による。

正しい。にする予定が、誤り。

併合繰り上げの要件を問う問題。
・要件→13級以上の障害が2以上ある場合
したがって、身体障害が”2つ”ある場合で、例えば、「13級と14級」の組み合わせの場合は、重い方の障害等級になる、で正しい。
これが、この問題の出題意図。 しかし、問題文にある「2以上」という表現がネック。

「2以上」は身体障害が3つや4つある表現ともとれる。
例えば、身体障害が3つあり、「①12級、②13級、③
14級」の組み合わせの場合は、①12②13の組み合わせで、①12級→11級に繰り上がるため、もともとの”重い方(12級)”という表現は誤りとなる。

結果、正しい、とはいえなくなった。

E 介護補償給付は、親族又はこれに準ずる者による介護についても支給されるが、介護の費用として支出した額が支給されるものであり、「介護に要した費用の額の証明書」を添付しなければならないことから、介護費用を支払わないで親族又はこれに準ずる者による介護を受けた場合支給されない

誤り。

介護費用を支払わないで親族から介護を受けた場合は、最低保障額が、介護補償給付として支給される。

 

〔問 7〕正解率80%

合格者(男性)

労災の後半の方の詰め合わせ問題でなんとなく苦手意識。Dを一本釣りしたいところ

労災保険の特別支給金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 労災保険特別支給金支給規則第6条第1項に定める特別支給金の額の算定に用いる算定基礎年額は、負傷又は発病の日以前1年間(雇入後1年に満たない者については、雇入後の期間)に当該労働者に対して支払われた特別給与(労働基準法第12条第4項の3か月を超える期間ごとに支払われる賃金をいう。)の総額とするのが原則であるが、いわゆるスライド率(労災保険法第8条の3第1項第2号の厚生労働大臣が定める率)が適用される場合でも、算定基礎年額が150万円を超えることはない

正しい。

「スライド率が適用される場合でも」が悩ませる。

B 特別支給金の支給の申請は、原則として、関連する保険給付の支給の請求と同時に行うこととなるが、傷病特別支給金、傷病特別年金の申請については、当分の間、休業特別支給金の支給の申請の際に特別給与の総額についての届出を行っていない者を除き、傷病補償年金又は傷病年金の支給の決定を受けた者は、傷病特別支給金、傷病特別年金の申請を行ったものとして取り扱う

正しい。

傷病補償年金は支給請求の手続きがないので、傷病特別支給金をリアルに申請するってことがない。ゆえに、申請みなし。

C 第三者の不法行為によって業務上負傷し、その第三者から同一の事由について損害賠償を受けていても特別支給金は支給申請に基づき支給され、調整されることはない

正しい。

第三者行為災害で損害賠償を受けていると、保険給付は支給調整されるが、特別支給金には支給調整はない。
特別支給金はお見舞金だからね。

D 休業特別支給金の支給は、社会復帰促進等事業として行われているものであることから、その申請は支給の対象となる日の翌日から起算して5年以内に行うこととされている。

誤り。

【特別支給金の支給申請期間】
休業特別支給金2年
・上記以外の特別支給金→5年

E 労災保険法による障害補償年金、傷病補償年金、遺族補償年金を受ける者が、同一の事由により厚生年金保険法の規定による障害厚生年金、遺族厚生年金等を受けることとなり、労災保険からの支給額が減額される場合でも、障害特別年金、傷病特別年金、遺族特別年金は減額されない

正しい。

同一の事由に基づく労災給付と厚生年金保険や国民年金からの給付は調整対象。原則、労災側が減額される。
しかし、特別支給金は減額されない。

 

〔問 8〕正解率80%

合格者(男性)

請負事業も項目として苦手意識がもつ方が多い。DE微妙だがCで釣れる。

請負事業の一括に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 請負事業の一括は、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち、建設の事業又は立木の伐採の事業が数次の請負によって行われるものについて適用される

誤り。

徴収法上、建設と立木は有期事業として一括。
ただし、
・労災保険関係成立票→建設のみ
・請負事業の一括→建設のみ
となっており、立木の伐採には適用がない。

B 請負事業の一括は、元請負人が、請負事業の一括を受けることにつき所轄労働基準監督署長に届け出ることによって行われる

誤り。

請負事業の一括は、届け出によってではなく、法律上当然に行われる。

C 請負事業の一括が行われ、その事業を一の事業とみなして元請負人のみが当該事業の事業主とされる場合、請負事業の一括が行われるのは、「労災保険に係る保険関係が成立している事業」についてであり、「雇用保険に係る保険関係が成立している事業」については行われない

正しい。

請負事業の一括の効果は、「現場労災」のみに及ぶ。

D 請負事業の一括が行われ、その事業を一の事業とみなして元請負人のみが当該事業の事業主とされる場合、元請負人は、その請負に係る事業については、下請負をさせた部分を含め、そのすべてについて事業主として保険料の納付の義務を負い更に労働関係の当事者として下請負人やその使用する労働者に対して使用者となる

誤り。

請負事業の一括の効果が及ぶのは労働保険料徴収法の規定の適用のみ。

労働基準法上の使用者になったりすることはない。

E 請負事業の一括が行われると、元請負人は、その請負に係る事業については、下請負をさせた部分を含め、そのすべてについて事業主として保険料の納付等の義務を負わなければならないが、元請負人がこれを納付しないとき、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、下請負人に対して、その請負金額に応じた保険料を納付するよう請求することができる

誤り。

請負事業の一括が行われていると、元請負のみが事業主となり納付義務を負うので、元請負人が納付しない場合でも、下請負人に納付義務は生じない。

 

〔問 9〕正解率50%

合格者(男性)

もうメリット制ってだけ「げえっメリット制」となってしまうのに加え、正解肢は事例ぽいのできついか。

労働保険徴収法第12条第3項に定める継続事業のいわゆるメリット制に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A メリット制においては、個々の事業の災害率の高低等に応じ、事業の種類ごとに定められた労災保険率を一定の範囲内で引き上げ又は引き下げた率を労災保険率とするが、雇用保険率についてはそのような引上げや引下げは行われない

正しい。

メリット制は、事業主の防災努力を保険料に反映させるもの。雇用保険は関係なし。

B 労災保険率をメリット制によって引き上げ又は引き下げた率は、当該事業についての基準日の属する保険年度の次の次の保険年度の労災保険率となる。

正しい。

3保険年度の収支率を集計する。
次の保険年度は、集計期間。
次の次の保険年度から、適用。

C メリット収支率算定基礎に、労災保険特別支給金支給規則の規定による特別支給金業務災害に係るもの含める

正しい。

業務災害に基づく特別支給金も”支出”に含める。

D 令和元年7月1日に労災保険に係る保険関係が成立した事業のメリット収支率は、令和元年度から令和3年度までの3保険年度の収支率で算定される。

誤り。

・メリット制の要件の一つ→労災保険関係成立後3年以上経過

令和元年7月1日成立→令和3年度の末日(令和4年3月31日)時点で3年経過していないため、メリット制の適用がない。

令和2年度から令和4年度の収支率で計算したものが最初の適用になる。

E 継続事業の一括を行った場合には、労働保険徴収法第12条第3項に規定する労災保険に係る保険関係の成立期間は、一括の認可の時期に関係なく、一の事業として指定された事業労災保険に係る保険関係成立の日から起算し、指定された事業以外の事業については保険関係が消滅するので、これに係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は、指定事業のメリット収支率の算定基礎に算入しない

正しい。

例えば、本社の保険関係成立日が2001年10月1日、その後、本社を指定事業として継続事業の一括の認可が行われた場合、保険関係成立日は、2001年10月1日という意味。

 

〔問 10〕正解率70%

合格者(男性)

特別加入保険料…なんか全体的にマイナー項目をついてくるな…という印象

労災保険の特別加入に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 第1種特別加入保険料率は、中小事業主等が行う事業に係る労災保険率と同一の率から、労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去3年間の二次健康診断等給付に要した費用の額を考慮して厚生労働大臣の定める率を減じた率である。

正しい。

中小事業主には二次健康診断等給付は行われないため、その分は、保険料率から差っ引く。

B 継続事業の場合で、保険年度の中途第1種特別加入者でなくなった者の特別加入保険料算定基礎額は、特別加入保険料算定基礎額を12で除して得た額に、その者が当該保険年度中に第1種特別加入者とされた期間の月数乗じて得た額とする。当該月数に1月未満の端数があるときはその月数を切り捨てる

誤り。

【特別加入保険料算定基礎額】
原則→「給付基礎日額×365日」
中途加入→「給付基礎日額×365日」÷12×月数(切上)→日数×

切り捨てると、加入期間より少ない保険料になってしまい、それはおかしいだろうと。

C 第2種特別加入保険料額は、特別加入保険料算定基礎額の総額第2種特別加入保険料率を乗じて得た額であり、第2種特別加入者の特別加入保険料算定基礎額第1種特別加入者のそれよりも原則として低い

誤り。

特別加入保険料算定基礎額の算定式は、第1種、第2種、第3種のいずれもが、同じ計算式で計算する。どっちの方が低い、高いという話はない。

D 第2種特別加入保険料率は、事業又は作業の種類にかかわらず、労働保険徴収法施行規則によって同一の率に定められている。

誤り。

【特別加入保険料率】
・第1種(中小事業主等)→その事業の労災保険率から二次健診(社会復帰促進等事業×、通勤×)の率を控除
・第2種(一人親方等)→事業又は作業の種類に応じた率
・第3種(海外派遣者)→1000分の3(同種又は類似の事業の率×)

E 第2種特別加入保険料率は、第2種特別加入者に係る保険給付及び社会復帰促進等事業に要する費用の予想額に照らして、将来にわたり労災保険の事業に係る財政の均衡を保つことができるものとされているが、第3種特別加入保険料率はその限りではない

誤り。

第3種も同じ考え方。

 

他の科目の解答解説

他の科目、他の年の解答解説はこちら

2020年~2018年社会保険労務士試験 解答解説

 

執筆/資格の大原 社会保険労務士講座

金沢 博憲金沢 博憲

時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
是非Twitterのフォローお願いいたします!

↓ランキングに参加しています。↓

にほんブログ村 資格ブログ 社労士試験へ