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令和元年6月5日に公布された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律(法律第二四号)」についてのまとめです。

目次

法令のあらまし

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の一部改正関係

1 一般事業主行動計画の策定等の義務の対象拡大

一般事業主(国及び地方公共団体以外の事業主をいう。以下同じ。)のうち、一般事業主行動計画(一般事業主が実施する女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に関する計画をいう。以下同じ。)の策定及び届出(以下「策定等」という。)が義務付けられる事業主の範囲について、常時雇用する労働者の数が300人を超えるものから100人を超えるものへと拡大することとした。(第八条第一項及び第七項関係)

2 基準に適合する認定一般事業主の認定等

㈠ 厚生労働大臣は、認定一般事業主からの申請に基づき、当該事業主について、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に関し、当該事業主の策定した一般事業主行動計画に基づく取組を実施し、当該一般事業主行動計画に定められた目標を達成したこと、男女雇用機会均等推進者(三の5の㈠の男女雇用機会均等推進者をいう。)及び職業家庭両立推進者を選任していること、当該女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施の状況が特に優良なものであることその他の厚生労働省令で定める基準に適合するものである旨の認定を行うことができることとした。(第一二条関係)

㈡ ㈠の認定を受けた一般事業主(以下「特例認定一般事業主」という。)については、一般事業主行動計画の策定等に係る規定を適用しないこととした。(第一三条第一項関係)

㈢ 特例認定一般事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、毎年少なくとも一回、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施の状況を公表しなければならないこととした。(第一三条第二項関係)

㈣ 特例認定一般事業主は、商品等に厚生労働大臣の定める表示を付することができることとし、何人もこの場合を除くほか、商品等に当該表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならないこととした。(第一四条関係)

㈤ 厚生労働大臣は、特例認定一般事業主が㈠の基準に適合しなくなったと認めるとき、㈢の公表をせず、又は虚偽の公表をしたとき等に該当するときは、㈠の認定を取り消すことができることとした。(第一五条関係)

3 女性の職業選択に資する情報の公表

㈠ 一般事業主(常時雇用する労働者の数が300人を超えるものに限る。)は、厚生労働省令で定めるところにより、職業生活を営み、又は営もうとする女性の職業選択に資するよう、その事業における女性の職業生活における活躍に関する次に掲げる情報を定期的に公表しなければならないこととした。(第二〇条第一項関係)

⑴ その雇用し、又は雇用しようとする女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供に関する実績

⑵ その雇用する労働者の職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績

㈡ 常時雇用する労働者の数が100人を超える一般事業主(㈠の一般事業主を除く。)は、厚生労働省令で定めるところにより、職業生活を営み、又は営もうとする女性の職業選択に資するよう、その事業における女性の職業生活における活躍に関する情報を定期的に公表しなければならないこととした。(第二〇条第二項関係)

㈢ 特定事業主(国及び地方公共団体の機関、それらの長又はそれらの職員で政令で定めるものをいう。)は、内閣府令で定めるところにより、職業生活を営み、又は営もうとする女性の職業選択に資するよう、その事務及び事業における女性の職業生活における活躍に関する次に掲げる情報を定期的に公表しなければならないこととした。(第二一条関係)

⑴ その任用し、又は任用しようとする女性に対する職業生活に関する機会の提供に関する実績

⑵ その任用する職員の職業生活と家庭生活との両立に資する勤務環境の整備に関する実績

4 報告の徴収並びに助言、指導及び勧告の対象の拡大

厚生労働大臣が、この法律の施行に関し必要があると認めるときに、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる者として、認定一般事業主又は特例認定一般事業主である一般事業主行動計画の策定等が努力義務となっている一般事業主を加えることとした。(第三〇条関係)

5 公表

厚生労働大臣は、女性の職業生活における活躍に関する情報の公表をせず、若しくは虚偽の公表をした当該公表が義務となっている一般事業主又は虚偽の公表をした認定一般事業主若しくは特例認定一般事業主である当該公表が努力義務となっている一般事業主に対し、4の勧告をした場合において、当該勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができることとした。(第三一条関係)

6 罰則

2の㈣に違反した者に対する罰則を整備することとした。(第三七条関係)

二 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律の一部改正関係

1 国の施策

国の施策として「職場における労働者の就業環境を害する言動に起因する問題の解決を促進するために必要な施策を充実すること」を規定することとした。(第四条第一項関係)

2 職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して事業主が講ずべき措置等

㈠ 事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならないこととした。(第三〇条の二第一項関係)

㈡ 事業主は、労働者が㈠の相談を行ったこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこととした。(第三〇条の二第二項関係

㈢ 厚生労働大臣は、㈠及び㈡の事業主が講ずべき措置等に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定めることとした。(第三〇条の二第三項関係)

3 職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関する国、事業主及び労働者の責務

㈠ 国は、労働者の就業環境を害する2の㈠の言動を行ってはならないことその他当該言動に起因する問題に対する事業主その他国民一般の関心と理解を深めるため、広報活動、啓発活動その他の措置を講ずるように努めなければならないこととした。(第三〇条の三第一項関係)

㈡ 事業主は、当該問題に対するその雇用する労働者の関心と理解を深めるとともに、当該労働者が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか、国の講ずる㈠の措置に協力するように努めなければならないこととした。(第三〇条の三第二項関係)

㈢ 事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)は、自らも、当該問題に対する関心と理解を深め、労働者に対する言動に必要な注意を払うように努めなければならないこととした。(第三〇条の三第三項関係)

㈣ 労働者は、当該問題に対する関心と理解を深め、他の労働者に対する言動に必要な注意を払うとともに、事業主の講ずる2の㈠の措置に協力するように努めなければならないこととした。(第三〇条の三第四項関係)

4 紛争の解決

㈠ 紛争の解決の促進に関する特例

2の㈠及び㈡に定める事項についての労働者と事業主との間の紛争については、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第四条、第五条及び第一二条から第一九条までの規定は適用せず、㈡及び㈢によるものとした。(第三〇条の四関係)

㈡ 紛争の解決の援助

⑴ 都道府県労働局長は、㈠の紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導又は勧告をすることができることとした。(第三〇条の五第一項関係)

⑵ 2の㈡は、労働者が⑴の援助を求めた場合について準用することとした。(第三〇条の五第二項関係)

㈢ 調停

⑴ 都道府県労働局長は、㈠の紛争について、当該紛争の当事者の双方又は一方から調停の申請があった場合において当該紛争の解決のために必要があると認めるときは、紛争調整委員会に調停を行わせるものとすることとした。(第三〇条の六第一項関係)

⑵ 2の㈡は、労働者が⑴の申請をした場合について準用することとした。(第三〇条の六第二項関係)

⑶ ⑴の調停の手続については、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の規定を準用することとするとともに、その他調停の手続に関し必要な事項は厚生労働省令で定めることとした。(第三〇条の七関係)

5 公表

厚生労働大臣は、2の㈠及び㈡(4の㈡の⑵及び㈢の⑵において準用する場合を含む。以下同じ。)に違反している事業主に対し、勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができることとした。(第三三条第二項関係)

6 報告の請求

厚生労働大臣は、事業主から2の㈠及び㈡の施行に関し必要な事項について報告を求めることができることとした。(第三六条第一項関係)

7 罰則

6の報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、二〇万円以下の過料に処することとした。(第四一条関係)

三 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の一部改正関係

1 職場における性的な言動に起因する問題に関する相談を行ったこと等を理由とする不利益な取扱いの禁止等

㈠ 事業主は、労働者が職場における性的な言動に起因する問題に関する相談を行ったこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこととした。(第一一条第二項関係)

㈡ 事業主は、他の事業主から当該事業主の講ずる職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置の実施に関し必要な協力を求められた場合には、これに応ずるように努めなければならないこととした。(第一一条第三項関係)

2 職場における性的な言動に起因する問題に関する国、事業主及び労働者の責務

㈠ 国は、職場において行われる性的な言動に対する対応により労働者に不利益を与える行為又は労働者の就業環境を害する当該言動を行ってはならないことその他当該言動に起因する問題に対する事業主その他国民一般の関心と理解を深めるため、広報活動、啓発活動その他の措置を講ずるように努めなければならないこととした。(第一一条の二第一項関係)

㈡ 事業主は、当該問題に対するその雇用する労働者の関心と理解を深めるとともに、当該労働者が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか、国の講ずる㈠の措置に協力するように努めなければならないこととした。(第一一条の二第二項関係)

㈢ 事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)は、自らも、当該問題に対する関心と理解を深め、労働者に対する言動に必要な注意を払うように努めなければならないこととした。(第一一条の二第三項関係)

㈣ 労働者は、当該問題に対する関心と理解を深め、他の労働者に対する言動に必要な注意を払うとともに、事業主の講ずる職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置に協力するように努めなければならないこととした。(第一一条の二第四項関係)

3 職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関する相談を行ったこと等を理由とする不利益な取扱いの禁止

1の㈠は、労働者が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関する相談を行い、又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べた場合について準用することとした。(第一一条の三第二項関係)

4 職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関する国、事業主及び労働者の責務

職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関し、2と同様の規定を設けることとした。(第一一条の四関係)

5 男女雇用機会均等推進者

㈠ 事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、職場における男女の均等な機会及び待遇の確保が図られるようにするために講ずべき措置の適切かつ有効な実施を図るための業務を担当する者(以下「男女雇用機会均等推進者」という。)を選任するように努めなければならないこととした。(第一三条の二関係)

㈡ 平成三八年三月三一日までの間は、男女雇用機会均等推進者の担当する業務に女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の一般事業主行動計画に基づく取組等の推進を含めることとした。(附則第二条関係)

6 調停

紛争調整委員会が、関係当事者の同意の有無にかかわらず、調停のため必要があると認めるときに、出頭を求め、意見を聴くことができる者として関係当事者と同一の事業場に雇用される労働者その他の参考人を加えることとした。(第二〇条関係)

四 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律の一部改正関係

労働者派遣の役務の提供を受ける者がその指揮命令の下に労働させる派遣労働者の当該労働者派遣に係る就業に関しては、当該労働者派遣の役務の提供を受ける者もまた、当該派遣労働者を雇用する事業主とみなして、二の2の㈠及び3の㈡を適用することとした。(第四七条の四関係)

五 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部改正関係

1 職場における育児休業等に関する言動に起因する問題に関する相談を行ったこと等を理由とする不利益な取扱いの禁止

事業主は、労働者が職場における育児休業等に関する言動に起因する問題に関する相談を行ったこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこととした。(第二五条第二項関係)

2 職場における育児休業等に関する言動に起因する問題に関する国、事業主及び労働者の責務

職場における育児休業等に関する言動に起因する問題に関し、三の2と同様の規定を設けることとした。(第二五条の二関係)

六 施行期日等

1 中小事業主(国、地方公共団体及び行政執行法人以外の事業主であって、その資本金の額又は出資の総額が三億円(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については五、〇〇〇万円、卸売業を主たる事業とする事業主については一億円)以下であるもの及びその常時使用する労働者の数が三〇〇人(小売業を主たる事業とする事業主については五〇人、卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については一〇〇人)以下であるものをいう。)については、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日までの間、二の2の㈠は努力義務とするものとし、二の4、5及び6の対象から二の2の㈠を除くこととした。(附則第三条関係)

2 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすることとした。(附則第七条関係)

3 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとした。ただし、次に掲げる事項は、それぞれ次に定める日から施行することとした。

㈠ 二の1 公布の日

㈡ 一の1及び3の㈡ 公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日

 

執筆/資格の大原 社会保険労務士講座

金沢 博憲金沢 博憲

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