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社会保険労務士試験合格を目指す皆様、こんにちは。

今回は、2020年対策向けの法改正につき、その最新一覧をご紹介します。

とりあげず現時点で分かっている主要改正点を掲載しています。今後随時加筆。

2019年法改正はこちら

2018年法改正はこちら

目次

労働基準法

時間外労働の上限規制が中小企業に適用

時間外労働の上限規制が2020年4月1日から中小企業にも適用される。
※大企業は2019年4月1日から適用済。

時間外労働の上限規制

災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等に係る許可基準の一部改正

突発的な事故への対応を含め、事前に予測できない災害その他避けることのできない事由については、労働基準法第33条による労働時間の延長の対象となっており、この措置は継続する。措置の内容については、サーバーへの攻撃によるシステムダウンへの対応や大規模なリコールへの対応なども含まれていることを解釈上、明確化する。

賃金請求権の消滅時効期間の見直し等

民法の消滅時効の改正を受けて、労働者名簿等の保存期間、付加金の請求を行うことができる期間及び賃金(退職手当を除く。)の請求権の消滅時効期間を5年(当分の間3年)とする労働基準法改正案が国会審議中。

詳しくはこちら

労働者災害補償保険法

民法改正に伴う労災保険法の改正

・時効の中断→時効の完成猶予及び更新

民法上の「時効の中断」が「時効の完成猶予・更新」に改められることに伴う所要の措置を講ずる。

従来、時効中断には

・完成の猶予→時効期間が満了しても完成が猶予される
・新たな時効の進行→時効期間のゼロにリセットされる

の2つの概念があり、これを整理。

各中断事由ごとにその効果に応じて、 ・完成猶予事由 ・更新事由 と振り分けることにした。

社労士試験の範囲では、

・審査請求(裁判上の請求みなし)→「完成猶予及び更新」に置き換え ※権利確定するまで「完成猶予」→権利確定したら「更新」の2段構え
・徴収金の納入告知や督促→時効の「更新」に置き換え

なお、個別労働関係紛争法。 「あっせん打ち切り後、30日以内に訴えを提起すると、時効中断に関しては、あっせんの申請時に訴えの提起があったものとみなす(=申請時に遡って時効中断効が発生)」。 あっせん打ち切り後にすでに時効が完成→訴えを提起できない、ということを防ぐため。
この時効中断は、権利確定前のため「完成猶予」に置き換え。 裁判確定後、「更新」される。

・時効→「これらを行使することができる時から」を追加

民法上、時効の起算点について、客観的起算点と主観的起算点とが分けられることに伴い、労働者災害補償保険法・労働保険の保険料の徴収等に関する法律における時効の起算点が客観的起算点である旨明示する。

・法定利率が年五分の固定制から変動制となることに伴い、労働者災害補償保険法に基づく保険給付と民法その他の法律に基づく損害賠償請求権との併給調整の際に用いる法定利率について、損害の発生時点の法定利率を用いる旨明示する。

介護(補償)給付の最高限度額・最低保障額の改定

介護(補償)給付の最高限度額及び最低保障額は、最高限度額については特別養護老人ホームの介護職員の平均基本給を参考に、最低保障額については最低賃金の全国加重平均を参考にして見直すこととしており、今般、所要の改正を行う。

障害(補償)年金及び傷病(補償)年金の定期報告等の見直し

定期報告は、受給資格者の受給条件の変動状況等を的確に把握し、適正な給付を図るために実施してきたところである。今般、マイナンバーを活用した情報連携により、住民基本台帳における機構保存本人確認情報及び日本年金機構の保有する厚生年金等受給関係情報がオンライン照会により確認可能となったことから、マイナンバー情報連携により必要な情報を取得できる者についての定期報告を廃止するため、所要の改正を行う。

傷病補償年金及び傷病年金の受給者については、定期報告の際に、その負傷又は疾病による障害の状態に関する医師又は歯科医師の診断書の添付を要していたが、これらの情報については、レセプト審査によって把握することができることから、添付を不要とする。

処分性のある社会復帰促進等事業の規定

通達のみで事業内容を定めているもののうち、処分性を有する事業について、労働者災害補償保険法施行規則に根拠規定を明記する。

前払一時金等の利率改正

労災年金受給者が、障害補償前払一時金、遺族補償前払一時金、障害年金前払一時金及び遺族年金前払一時金を選択した場合、支払うべき年金支給額から中間利息を控除して算定した額の合計が前払一時金の額に届くまで年金を支給停止することとしており、当該中間利息については、法定利率の100分の5と規定している。また、損害賠償との調整に関する暫定措置における年金給付の支給停止についても、同様に100分の5が用いられている。

今般、平成29年の民法改正(令和2年4月1日施行)により、法定利率が改正されることから所要の改正を行うもの。

具体的には、前払一時金及び損害賠償と年金給付との調整規定に用いられる利率について「100分の5」から「算定事由発生日における法定利率」と改正する。

給付基礎日額の最低保障額

給付基礎日額の最低保障額(自動変更対象額)が3,970円に変更。

雇用保険法

特定一般教育訓練給付金の創設

速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練として厚生労働大臣が指定する講座(特定一般教育訓練)を受ける場合には教育訓練経費の4割(上限20万円)が支給されることになった。

詳細はこちら

賃金日額の最低保障額

賃金日額の最低保障額(自動変更対象額)が2,500円に変更。

特定法人。電子申請が義務化

・2020年4月から特定法人について電子申請が義務化
・特定法人→資本金が1億円を超える法人など
・行政手続きコストの削減目的。対象となるのは次の通り。

【対象手続き】被保険者資格取得届、被保険者資格喪失届、被保険者転勤届、高年齢雇用継続給付支給申請、育児休業給付支給申請

被保険者氏名変更届の廃止

「被保険者氏名変更届」が廃止された。他の届出契機で把握可能なため。

育児休業給付の新しい給付の体系への位置付け

児休業給付金について、失業等給付の雇用継続給付から削除するとともに、失業等給付とは別の章として育児休業給付の章を新設すること等を内容とする雇用保険法改正案が国会で審議中。

詳しくはこちら

労働保険徴収法

免除対象高年齢労働者の特例の廃止

保険年度の初日において64歳以上の者に係る雇用保険料を免除する特例が令和2年3月で廃止。
令和2年度分の労働保険料から保険料の算定対象になる。

労働保険事務組合に係る地域要件の廃止

令和2年4月から労働保険事務組合に係る地域要件が廃止される。
従来「隣接都道府県に主たる事務所がある事業主」が全委託事業主の20%以内であることが必要であった。
事業主の利便性の確保の観点から、上記の制限を廃止する。
この結果、他の都道府県の事業の事業主についても、委託可能になる。

これまで、労働保険事務組合に労働保険事務を委託できる事業主の地域的範囲については、次のとおりとなっていた。

①次の場合を除き、労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に、主たる事務所を持つ事業の事業主とする。

②委託事業主の利便を考慮し、労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に隣接する都道府県に主たる事務所が所在する事業の事業主が、全委託事業主の20%以内である場合には、労働保険事務組合として労働保険事務を行うことができる。

この取扱いが、令和元年度をもって終了する。

したがって、令和2年4月1日からは、労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に、主たる事務所を持つ事業の事業主のほか、他の都道府県の事業の事業主についても、労働保険事務組合に労働保険事務を委託できる。

健康保険法

被扶養者の要件に国内居住要件が追加

・健康保険法第3条第7項等が改正され、被扶養者等の要件に国内居住要件が追加
・①国内居住要件の例外となる者及び②例外的に法律の適用を除外すべき者を厚生労働省令で定めている

 

詳しくはこちら

紹介状なし大病院受診時の定額負担の対象拡大

紹介状なし大病院受診時に初診で5000円以上、再診で2500円以上の追加徴収を義務付ける病院の範囲を拡大する。
【対象病院】
・特定機能病院:従来通り
・地域医療支援病院:400床以上→200床以上に拡大

なお、上記以外の病院では、200床以上で徴収可能(任意)。

 

ワンストップサービスによる届出が可能に

・健康保険(協会けんぽ)・厚生年金保険・雇用保険の資格取得届など、届出契機が同一のものについて、ワンストップによる届出が可能になる
・例えば健康保険の資格取得届を職安経由で提出可能
・施行日→令和2年1月1日。

厚生労働省サイト

国民年金法

第3号被保険者の被扶養認定における国内居住要件

第3号被保険者の要件について、日本国内に住所を有するもの又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるものであることを加えるとともに、この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を被扶養者としないものとすること。

第1号被保険者の資格取得届の省略

20歳に達したことにより国民年金の第1号被保険者の資格を取得する者に係る資格取得の届出について、厚生労働大臣(日本年金機構)は住民基本台帳法の規定により地方公共団体情報システム機構から住民基本台帳情報の提供を受けることにより当該者が20歳に達した事実を確認できることを踏まえ、第1号被保険者の負担軽減及び日本年金機構における事務の効率化を図るため、国民年金法施行規則について所要の改正を行うもの。

20歳に達したことにより第1号被保険者の資格を取得する場合であって、厚生労働大臣(日本年金機構)が住民基本台帳法第30条の9の規定により地方公共団体情報システム機構から住民基本台帳情報の提供を受けることにより当該者が20歳に達した事実を確認できるときは、当該第1号被保険者の資格取得の届出を不要とする。

障害状態確認届(診断書)の作成期間が拡大

障害状態確認届(診断書)の作成期間が提出期限1か月以内から3か月以内に拡大される。

これまで誕生月の前月末頃に送付していた障害状態確認届(診断書)の用紙は、今後誕生月の 3 か月前の月末に日本年金機構より送付。

この取扱いは提出期限が令和元年 8 月以降となる方が対象。

仮に障害の状態が悪化している場合でも、年金額の改定は提出期限(誕生日の属する月の末日)の翌月から。

20歳前障害基礎年金に係る障害状態確認届(診断書)の提出期限の変更

障害状態確認届(診断書)の提出時期が、7月末から誕生月の月末に変更。

年金機構の案内ページ

 

労働に関する一般常識

同一労働同一賃金

非正規雇用労働者(パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者)について、以下の規定を統一的に整備。

パートタイム労働法の対象に、有期雇用労働者も含まれることになった。法律の名称も、「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(パートタイム・有期雇用労働法)に変わる。

・不合理な待遇差をなくすための規定の整備
・労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
・裁判外紛争解決手続(行政ADR)の規定の整備
・施行→2020年4月1日※中小企業におけるパートタイム・有期雇用労働法の適用2021年4月1日

派遣労働者の待遇整備はこちら

厚生労働省サイト

障害者雇用促進法の改正

特定短時間労働者の雇用の促進及び継続を図るための特例給付金制度

短時間であれば就労可能な障害者等の雇用機会を確保するため、短時間労働者のうち週所定労働時間が一定の範囲内にある者(特定短時間
労働者)を雇用する事業主に対して、障害者雇用納付金制度に基づく特例給付金を支給する仕組みを創設する。

基準に適合する事業主の認定

障害者の雇用の促進等に関する取組に関し、その実施状況が優良なものであること等の基準に適合する中小事業主(常用労働者300人以下)を認定することとする。

 

職業安定法施行規則の改正

職業紹介における求人の不受理

就職後のトラブルの未然防止を図るため、ハローワークや職業紹介事業者等において、一定の労働関係法令違反の求人者等による求人を受理しないことが可能。

厚労省サイト

受動喫煙防止措置の明示

望まない受動喫煙については、健康増進法の一部を改正する法律等により、その防止のための措置が講じられているところ、受動喫煙対策を推進するため、職業安定法施行規則についても、これを改正する。

職業安定法施行規則第4条の2第3項に規定する求人者等が求職者等に対して明示しなければならない労働条件として、就業の場所における受動喫煙を防止するための措置に関する事項を加えることとする。

従業員の募集を行う者に対しては、どのような受動喫煙対策を講じているかについて、募集や求人申込みの際に明示する義務を課すこととする。

改正健康増進法の全面施行に合わせ、令和2年4月から適用する。

 

社会保険に関する一般常識

国民健康保険法他

国民健康保険と健康保険の間における保険料の二重払いの解消

被保険者の責めに帰することのできない事由によって健康保険法等との適用関係の調整を要することが後に判明した場合、保険料の二重払いが生じないよう、当該年度の最初の保険料の納期の翌日から2年経過した後であっても、国保保険料を減額する賦課決定をすることができることとする。

国民健康保険・後期高齢者医療の保険料(税)の賦課(課税)限度額引上げ

国民健康保険・後期高齢者医療の保険料(税)の賦課(課税)限度額について、

  • 国民健康保険は年960,000円から年990,000円に、
  • 後期高齢者医療は620,000円から640,000円に、

それぞれ引き上げる(令和2年度分の保険料(税)から実施)。

 

年金生活者支援給付金制度の創設

年金生活者支援給付金は、消費税率引き上げ分を活用し、公的年金等の収入金額や所得が一定基準額以下の方に、生活の支援を図ることを目的として、年金に上乗せして支給する。

・老齢の生活者支援給付金の所得制限額は779,300円以下(老齢基礎年金満額相当)。
ただし、779,300円を超え879,300円以下でも所得総額が逆転しないよう、補足的な給付を支給。

・障害・遺族の生活者支援給付金の所得制限額(4,621,000円)は、20歳前障害の障害基礎年金が全額支給停止限度額と同じ。

厚生労働省サイト

執筆/資格の大原 社会保険労務士講座

金沢 博憲金沢 博憲

時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
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