みなさん、こんにちは。
金沢博憲(社労士24)です。
10月13日(火)に、生まれて初めて最高裁判所の傍聴にいってきました(というか、地方、高等含め、裁判の傍聴自体が初めて)
なぜ見に行こうと思ったかといえば、試験対策上の重要な2つの判決、大阪医科薬科大学事件とメトロコマース事件が同じ日に出されることを知ったからです。
その事件の詳しい内容はこちらに譲るとして、今回は最高裁の傍聴の雑感をご紹介したいと思います。
今後、最高裁判所の傍聴をしてみたい、という方の参考になれば幸いです。
開廷期日情報を確認しよう
まず傍聴してみたい裁判がいつやるのかの日時を確認しましょう。
最高裁判所のホームページに詳しい案内があります。
- 開廷期日情報はこちら
大体、午前10:30、午後1時30分、午後3時00分から開廷するものが多いようですね。
事件番号とかでは、どの事件が目当てが裁判か分かりづらいので「概要」で確認しましょう
世間の注目度が高い裁判では、事案の概要や原判決や争点がPDFファイルで公開されています。
裁判には、口頭弁論と判決言い渡しの2種類があります。
「異議あり!」とかのやり取りがあるのが口頭弁論で、裁判長が判決を伝えるのが判決言い渡しの回です。
傍聴の方法を電話で確認しよう
つぎに、最高裁判所に電話をかけて傍聴方法を確認します。
- 傍聴案内の電話番号はこちら
「裁判の傍聴の方法についてはお電話でご確認ください。」とありますからね。
自分は、結構緊張しましたが(笑)、丁寧に優しく対応してくれました。
確認しておきたいのは整理券の配布の有無です。
注目度が高い裁判はおそらく抽選になると思います。
当日の開廷前に整理券が配られて、抽選があります。
電話で、傍聴希望する裁判を伝えると、整理券の配布があること、南門での配布であること、配布時間をおしえてくれました。
私が希望した裁判では次のとおりでした。
- 大阪医科薬科大学訴訟(13:30開廷)→整理券は12:40から10分間、南門で配布
- メトロコマース訴訟(15:00開廷)→整理券は14:10から10分間、南門で配布
「10分間しか配布しませんので注意してください」と念押しされました。
概ね開廷の50分前から配布しているようです。
最高裁判所へのアクセス
さて最高裁判所への移動です。
最高裁判所は千代田区にあります。
- 所在地・地図はこちら
皇居のお堀沿いに位置します。
皇居ランナーの方であれば、半蔵門から霞が関を一望できるゆったりした下り坂を下る右手にみえる厳つい建物ときけば「あっあれね!」となるのではないでしょうか(笑)
半蔵門は皇居の日の出スポットとしても有名で、私も、この3年間、毎年撮影しています。
国立劇場も隣にあります。
交通機関としては、半蔵門線を利用するケースが多いでしょう。
- アクセスについてはこちら
永田町駅か半蔵門駅かどちらかですね。
私は会社が水道橋にあるため神保町駅から半蔵門駅に向かいました。
電車の中で、大原の労基のテキストを開いている方がいらっしゃって嬉しかったですね!
今日の12:10頃、半蔵門線の神保町駅~半蔵門駅間で労働基準法のテキストを読まれていた方、フォロワーの皆様の中にいらっしゃいませんか?
そのときお隣に立っていたのが中の人です。
心で「受かれ~受かれ~」と念を送っておきましたことを報告いたします。 https://t.co/suWYRmBREe— 時間の達人 社労士試験 (@Sharoushi24) October 13, 2020
半蔵門駅から最高裁判所”南門”へ
皇居のお堀沿いの坂道を下っていくルートを取りました。
途中、国立劇場があります。
さらに下っていくと東門、そして正門があります。
正門はテレビでよく映される門ですね。
さらに、最高裁判所沿いに右に曲がっていくと、南門が付きます。
途中、支援団体の方々の集会を行われていましたね。
整理券の列に並ぶ~抽選
すでに整理券を配る列ができており、最後尾に並びました。
配布時間になると南門から入るように促されて、入り口で整理券が配られました。
ちょっとした広場のようなところで10分ほど待たされて抽選が行われます。
この間、「写真撮影は遠慮するよう」に案内があります。
抽選はコンピュータにより無作為に選ばれます。
人気芸能人の裁判で倍率何百倍とかありますが、そこまでではないにしろ、傍聴できるかどうかは”運”によります。
一般の傍聴席は
・大法定→166席
・小法廷(第1から第3まで3つある)→48席
あります。
大法廷では、憲法判断などを必要とする重要事件について審理するらしいです。いつか入ってみたい。
ただ、現在は感染症対策で、一人おきに座っているので、それぞれ半分しか座れない模様です。
私は、第三小法廷での裁判でしたので24席でした。
より狭き門です。
私のときは、当選24に対し、希望者104名。
24/104!
ということで、4人に一人くらいの確率でした。
自分の番号が読み上げられたとき心で指パッチンしました(笑)
#毎日判例
あたった! https://t.co/OQEK3Vbcsu— 時間の達人 社労士試験 (@Sharoushi24) October 13, 2020
とはいえ、東京の千代田区でかつ24人しか見れない、というのもどうかという感じですので、イギリスみたいに映像で公開してもらえると、もっと興味が湧くかなという気もしました。
番号発表後、当選者は広場に残って、ハズレた方は退出していきます。
裁判所の建物内へ
いよいよ最高裁の建物内に入ります。
感染症対策で、何名かに分かれて、入館?します。
その際、当たり券と引き換えに傍聴券が渡されます。
長めの階段を登っていくと建物の入口に着きます。
建物の中に入ると、まず消毒、そして、貴重品と筆記用具を除いて、手荷物をロッカー(もちろん無料)にしまうように指示されました。
「スマホもロッカーにしまうよう」念押しされます。
撮影、録音は禁止されていますからね。
財布と鍵、ノート、ペンだけを持って入りました。
なんでも昭和の頃は傍聴中のメモは禁止されており、それを米国人弁護士が訴えて、最高裁で憲法が保障する表現の自由の精神から「傍聴人がメモを取ることを理由なく妨げてはならない」という判決がでて、その後可能になったらしいです。
その後、空港でよくみる金属探知機を通されます。
持ち物を全部だして、四角いところをくぐるあれです。
厳重だなと思いつつ、争いごとの場ですから、仕方ないのでしょうね。
持ち物検査が終わると、階段を登って、広めのロビーで待たされます。
結構見晴らしのよいくつろげるロビーで、コーヒーでも飲みたい気分でしたが、もちろんスタバは併設されていません(笑)
しばらくすると、法廷内に入るように促されます。
やはり階段を登ります。
基本的にエスカレーターやエレベーターは使いません(車椅子用のエレベーターはあるようです)。
登った先では、絨毯が惹かれた厳かな雰囲気に変わります。
法廷内
法定に入ると、傍聴券に記された番号の座席に座るように促されます。
現在は一人おきに座る形で、傍聴席の半分しか座れません。
一般傍聴席の両端には記者席があり、有名な報道機関の腕章をつけた記者の方がいらっしゃいました。
事務官の方から「慣習で裁判官の入廷・退廷時には起立・礼するよう」に促されます。
裁判官の入廷後は、最初に報道用のカメラ撮影の時間があります。よくニュースで映る絵ですね。
のちにニュース映像をみると私もギリギリ写っていました(笑)
開廷から閉廷
撮影部隊が退出すると、裁判官が開廷の宣言をします。
中央にいる裁判長が主文と事件の概要を読み上げます。
自分の勝手な想像で、あのめちゃ長い判決文を全部読み上げるとものだと思っていたのですが、そうではありませんでした(笑)
あんなに長いの全部読めませんものね。
時間としても10分くらいです。
今回は、判決言い渡しの裁判でしたので、テレビで見る「異議あり!」的な展開はなく、読み上げのみで閉廷となりました。
- 訴訟の流れ図はこちら
今度は口頭弁論も傍聴してみたいですね。
退所
裁判が終わると、各自出るように促されます。
傍聴券は持ち帰って良いようで、記念にします(笑)
南門から出ようとすると(多分自分が一番最初に出た)、報道陣が人の壁を作っています。
写真は信号を渡って、反対側から撮ったものです。
ニュースでよく見る「勝訴」とか「不当判決」とかの垂れ幕を掲げるスポットなんですね。
「なにか言いたい」という衝動に駆られつつ、何も言わずに(当たり前)小走りに出ていきました
次の裁判
さて、最初の裁判(大阪医科薬科大学訴訟)が終わり、次の裁判(メトロコマース訴訟)の整理券の列に並ぼうとしたところ、すでに長蛇の列!
最初の裁判の3倍くらいな感じで、これに当たる運は、本試験に出題予想に残しておこうという判断で会社に戻りました
まとめ
以上、「はじめて最高裁の傍聴にいってみた」でした。
- 整理券が配られるかどうかは事前に電話確認
- 今回は、整理券の配布時間は10分間
- 南門 ・傍聴席(小法廷)は48あるが、今は感染症対策で24人までの狭き門。
- 所内には貴重品と筆記用具のみ持ち込み可能。他(スマホ含め)はロッカーに預ける (1/2)
- 空港みたいな持ち物検査がある
- 開廷までホテルのロビーみたいな所で待つ
- 裁判官の入廷・退廷時には「キリツ・レイ」
- 最初に報道用のカメラ撮影がある(よくTVで映るやつ)
- めちゃ長い判決文は全部読むとおもっていたが、主文と概略を10程度読み上げる形だった。
- 裁判官もマスク越しなので、ちょっと聞き取りづらい。
- 裁判所の出口に多数の報道陣が待ち構えており驚く。
- 午後はすごい人数で諦めた。
ただの雑記をご覧いただきありがとうございます。
この記事で少しでも、なんとなく苦手意識のある「最高裁判例」に馴染みを持っていただければ幸いです。
執筆/資格の大原 社会保険労務士講座
「時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
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