みなさん、こんにちは。
今回は、今年の選択式試験問題を振り返ってみたいと思います。
選択式試験の総評
今年の選択式試験は「3点以上得点することが飛び抜けて難しい」という問題はなかったようです。
一方で、複数の科目において「3点以上得点することが比較的難しい」問題が出題されています。
結果、「全科目3点以上の得点を揃えること」が非常に難しい試験であった、といえます。
問題の内容そのものだけみれば、基本的な知識をアウトプットできれば3点確保することができる科目が多かったです。
しかし、本試験という緊張する場で、かつ、頭の中にある数多くの知識の中から、正解となる語句を正確にアウトプットすることは決して簡単なことではありません。
本試験後の見直しで「なぜこれを間違えてしまったのか」と思われることもあったと思います。
膨大な知識を覚えておかなければいけない社労士試験の難しさといえるでしょう。
選択式対策の勉強方法
選択式の勉強は、初めて学習される方であれば、択一式の勉強が一定程度固まってから着手するのが一般的です。
一方で、受験経験者の方は、当初から、択一式と選択式を見据えて勉強を進められるとよいでしょう。
選択式の勉強方法としては、
・テキストの読み込み
・選択式問題集(大原でいえば選択式トレーニング問題集)
があります。
テキストの読み込みをすることで「テキストに書かれている内容から出題されたら必ず得点できる状態を作っておくこと」が目標です。
そのために欠かせないのが「反復継続」です。
反復継続の方法としては、
①「社労士24」を回転視聴
②問題を解くつど、テキストに戻る。
③テキストに出題論点をどんどん書き込んで、テキスト中心の勉強を進める
などがあります。
また、選択式対策の勉強時間を確保するため、インプット講義を聴く時間は最少限度にとどめたいところです。
そのためにも、「社労士24」をインプット学習の軸に据えるスタイルが効率的です。
社労士24のカバー状況
今年の出題された空欄のうち、「社労士24」のレクチャーで扱った項目は、次の画像の「赤マス」部分となります。
※労一Aは、直前対策「労働経済・厚生労働白書」から。
これらの情報が膨大なページの中に含まれていても、反復継続して定着させることは難しいです。
一方で、社労士24の教材の厚さは画像のとおりです(横の物体はメガネケース)。
繰り返し読み込むことで、定着率を上げていきましょう。
科目ごとの状況はこちらです。
〔問 1〕労働基準法及び労働安全衛生法
A 1か月
雇用保険の日雇労働者の「30日」と混ざってしまう部分です。
B 30分
C 功労報償
D デザイン
E ろ過材及び面体を有する防じんマスク
〔問 2〕労働者災害補償保険法
A 労働保険事務組合
B サービス業
C 25,000円
D 林業
E 個人タクシー事業者
〔問 3〕雇用保険法
A 15日
B 11日
C 2分の1箇月
D 5年
E 100日
〔問 4〕労働に関する一般常識
A 1.26(直前対策「労働経済・白書まとめ」より)
B 東京都
C 次世代育成支援対策推進法
D 101人
女性活躍推進法の「300人」と混ざってしまう部分です。
E 生産年齢人口
〔問 5〕社会保険に関する一般常識
A 3年
B 35,000円
C 脱退一時金
D 60歳以上65歳以下
E 50歳未満
〔問 6〕健康保険法
A 疾病構造の変化
B 運営の効率化
C 質の向上
D 以前42日
E 後56日
「出産日は産前」という知識まで問われました。
〔問 7〕厚生年金保険法
A 納入の告知又は納付の日の翌日から6か月
「翌日か当日か」まで問われています。
B 被保険者から徴収された保険料
C 専ら厚生年金保険の被保険者
D 至った日の翌日の属する月の前月
E 1年以内
〔問 8〕国民年金法
A 毎月
B 老齢基礎年金の受給権者に対し、当該受給権者に係る個人番号の報告
C 納付猶予
D 1000分の7
E 取得した日の属する月から当該年金の支給の繰下げの申出をした日の属する月の前月までの月数(当該月数が60を超えるときは、60)
「D・Eの入れ間違い」をした方が多く、平均点は低くなっています。
選択式トレーニング問題集の活用方法
テキストを読んでいるだけでは、中々頭にはいってこない、ということもあります。
そのような場合は問題を通じてキーワードを確認するのが効果的です。
資格の大原では、選択式対策の問題集として「選択式トレーニング問題集」をご用意しております。
オリジナル問題400問超に加え、平成12年以降の過去問も収載しています。
問題をABCランク分けされており、優先順位をつけて、解き進めていただくことができます。
また、今年の一般事業主行動計画や、厚生年金の積立金など、過去問リピート出題もありますので、過去問を解いておくことは有用です。
勉強するタイミングは、通勤中のスキマ時間などに、每日ちょっと解き進めていく方がおすすめです。
まとめ
・今年は「全科目3点以上揃えること」が非常に難しかった
・選択式対策の柱は「テキスト読み込み」「選択式問題集の活用」
・テキストを見る頻度を増やし、定着度を上げる。
・選択式トレーニング問題集はスキマ時間で每日勉強する
・選択式トレーニング問題集はAランク優先
・リピート出題もあり得る。過去問も解いておく。
執筆/資格の大原 社会保険労務士講座
「時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格(旧上級)コース」を担当致しております。
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