自分が受験した年、択一徴収法で計算問題が出題されました。
「よっし!絶対解いてやる!」という意気込みで計算している途中、 掛け算の繰上げで悩んでいるときにふと思いました。
「自分は別に算数のテストを受けにきたわけではない。計算に熱中している場合ではない。」と。
そして、その問題は飛ばして、先に進み、最後余った時間で着手しました。
計算問題はやっかい
計算問題は非常にやっかいです。
その計算問題に当たるまで、社労士アタマであったのが、 急に、掛け算、割り算のやり方を思い出さなければなりません。調子が狂います。
また、計算問題というやつは、人のプライドを刺激しやすく、数字が合わないとカッとなり、意地でも数字を合わせてやろうと冷静さを失います。
そうしているうちに、貴重な時間とスタミナが徐々に失われ、後半の簡単かもしれない問題で失点するという悪い展開にはまります。
そこで、計算問題が出題されたら「まず飛ばす」ことを推奨します。
所詮は択一70点中1点の問題です。「仮に落としても全体に影響ない」と、一旦飛ばしてしまい、余った時間で解答できればよいと考えましょう。
また、選択式でも5空欄すべてで計算を必要とする問題は過去出題されたことはありません。
平成16年健保も平成22年厚年も、計算不要で解答できる空欄を得点できていれば、基準点を確保できる問題でした。
計算不要で埋まる空欄から確実に埋めて、計算が必要な空欄は後回しにしましょう。
その上での計算問題の攻略のコツは次の通りです。
計算問題攻略のコツ
社労士試験の計算問題では、「計算力」ではなく「計算式」を知っているかが試されている。
(1)まずは、条文上の「計算式」を書き出してみる。
在老停止の計算問題でいうと、
・65歳前在老なら(総+基-28万円)×1/2、
・65歳以後在老なら(総+基-47万円)×1/2
という具合に書き出してみる
いきなり数字を使って計算しようとすると、計算そのものに意識がいきすぎて「計算式」をど忘れし、65歳以後在老なのに-28万円で計算するミスをしたり、最後の2分の1を計算し忘れたりすることが多いです。
(2)その計算式で必要される「計算要素(数字)」を問題文から抽出する。
例えば、在職老齢年金なら、標準報酬月額と賞与額、基本月額を抽出します。
(3)「計算式」に、「計算要素(数字)」を当てはめて計算する。
(1)の計算式に、(2)の数字を当てはめて計算します。
※(1)~(3)をすべてを同時並行でやると間違えやすくなるので、手順を踏んで計算しましょう。
(4)難解な計算や割り切れない計算していると思ったら、(1)に立ち戻って、計算式が正しいが確認する。
手計算で解答させる以上は、シンプルな計算である可能性が高い。
「こんな細かい計算させるかな~」と思ったら、まずは計算式があっているかをチェック。
(5)支給額or停止額、支給額or算定基準額を問うているかを確認する。
平成22年の選択厚年で、「支給額」を問う問題で、「停止額」の方がダミー肢で設けられていました。
令和2年の選択健保では、高額療養費の「支給額」を問う問題で、「算定基準額」の方がダミー肢で設けられていました。
計算せずに攻略するのが好手
ある年の過去問では、一見「計算」が必要そうな問題が出題。
しかし「計算式」が分かっていれば秒速の問題。 こういう問題で、スタミナと時間を浪費するか、温存するかが勝負を分ける。
在老の一見すると「計算」問題(調整額は当時のまま)。
しかし、見れば「老齢基礎年金」が含まれている時点で×判断が可能。 こういう問題にガップリ四つになって時間とスタミナをロスしてしまうか、しないかが、その後に影響する。
まとめ
悪手→計算自体に夢中になって、得点、時間、スタミナを失う
普通→飛ばす
好手→計算せずして正解する(戦わずして勝つ)。
執筆/資格の大原 社会保険労務士講座
「時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
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