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みなさん、こんにちは。

公的年金の支給額を抑える「マクロ経済スライド」が2019年度(平成31年度)に発動することが明らかになりました。
発動は、2005年度の制度スタート以来2回目で、2015年度以来4年ぶりです。

マクロ経済スライドとは、少子高齢化の進展に応じて、年金額の伸びを抑制し、将来世代の給付水準を維持するためのものです。

まる子「マクロ経済スライドって何?」
友蔵「まる子がおばあちゃんになったとき年金をもらえるように、ワシたちの年金をちょっと減らして、貯金しておく仕組みじゃ」
ま「まる子へのお小遣いってことかな?」
友「そうじゃよかわいいまる子へのお小遣いじゃ」
ま「それなら今欲しいねシシシ」
友「・・」

賃金水準や物価水準が上昇時に、マクロ経済スライドは発動します。
近年はデフレ基調できているため、発動条件を満たさない年が多く、今回やっと2回目です。

2015年度は、前年度の消費税引上げによる物価上昇が要因となりましたが、今回も物価上昇の寄与した部分が大きいです。

その詳細をまとめます。

2019年(平成31年度)の年金額は0.1%UP

総務省から、1月18日、「平成30年平均の全国消費者物価指数」(生鮮食品を含む総合指数)が公表されました。
これを踏まえ、平成31年度の年金額は、法律の規定により、平成30年度から0.1%プラスで改定されます。

結果、老齢基礎年金の満額は、780,100円(780,900×0.999)となります。

まる子「なんで、780,900円×改定率なんて計算するの?わたしゃ、かけ算は苦手だよ」
 友蔵「昔は法律に直接年金額を明記しておったのじゃが、改定の都度、法改正で国会通すのが面倒だったのじゃよ。だから、法律には、計算式だけ明記して、自動改定する仕組みにしたんじゃ」

年金額の改定ルール

年金額の改定は、物価変動率、名目手取り賃金変動率がともにプラスで、物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る場合には、年金を受給し始める際の年金額(新規裁定年金)、受給中の年金額(既裁定年金)ともに名目手取り賃金変動率を用いることが法律により定められています。

まる子「なんでお給料をもとにするの?物価の方が高いよね?」
友蔵「ワシの年金は、ヒロシの給料から払われているからじゃ。ヒロシの給料があんまり上がっていないのに、ワシの年金が増えすぎると、ヒロシのこづかいがへって、新しい釣具も買えんじゃろ」
まる子「お父さんの給料はあんま上がらないからね~」
ヒロシ「うん?オレの給料がなんだって?」

下の図表の6パターンのうち、⑥にあたります。

今回、年金額改定に用いる物価変動率(1.0%)が名目手取り賃金変動率(0.6%)よりも高いため、新規裁定年金・既裁定年金ともに名目手取り賃金変動率(0.6%)を用います。

さらに平成31年度は、名目手取り賃金変動率(0.6%)にマクロ経済スライドによる平成31年度のスライド調整率(▲0.2%)と平成30年度に繰り越されたマクロ経済スライドの未調整分(▲0.3%)が乗じられることになり、改定率は0.1%となります。

まる子「なんか毎月勤労統計ってやつで毎日大騒ぎだけど、おじいちゃんがもらっている年金にも関係があるの?」
友蔵「それが関係ないんじゃよ。」
まる子「なんで?」
友蔵「マクロ経済スライドで用いる名目手取り賃金変動率は、毎月勤労統計のデータではなく、標準報酬の平均額で算定しているからじゃよ」

条文上の表現にすると、前年度の改定率×(名目手取り賃金変動率×調整率×前年度の特別調整率)で計算。

数字を当てはめると、

平成30年の改定率(0.998)×(名目手取り賃金変動率(1.006)×調整率(0.998)×前年度の特別調整率(0.997)、となる。

【計算式】
0.998×(1.006×0.998×0.997)=0.998×1.001=0.999

すなわち、マクロ経済スライドの仕組みがなければ、年金額は0.6%増えていたところ、マクロ経済スライドの仕組みにより、▲0.5%とされた結果、0.1%増に”伸びが抑制”された、ということです。

年金額は、毎年度50兆円。単純計算で50兆円×0.5%=2,500億円の支出抑制につながることになります。

平成31年度の参考指標

・物価変動率・・・1.0%

・名目手取り賃金変動率・・・0.6%

物価変動率(1.0%・平成30年の値)×実質賃金変動率(▲0.2%・平成27~29年度の平均)×可処分所得割合変化率(▲0.2%・平成28年度の値)

「名目手取り賃金変動率」とは、前年の物価変動率に2年度前から4年度前までの3年度平均の実質賃金変動率と可処分所得割合変化率(▲0.2%)を乗じたものです。

・マクロ経済スライドによるスライド調整率・・・▲0.2%

マクロ経済スライドによるスライド調整率(▲0.2%)=公的年金被保険者数の変動率(0.1%・平成27~29年度の平均)×平均余命の伸び率(▲0.3%・定率)

「マクロ経済スライド」とは、公的年金被保険者の減少と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率が設定され、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するものです。この仕組みは、平成16年の年金制度改正において導入されたもので、マクロ経済スライドによる調整を計画的に実施することは、将来世代の年金の給付水準を確保することにつながります。

・前年度までのマクロ経済スライドの未調整分・・・▲0.3%

「マクロ経済スライドの未調整分」とは、マクロ経済スライドによって前年度よりも年金の名目額を下げないという措置は維持した上で、調整しきれずに翌年度以降に繰り越された未調整分を指します。
この仕組みは、平成28年の年金制度改正において導入されたもので、マクロ経済スライドによる調整を将来世代に先送りせず、できる限り早期に調整することにより、将来世代の給付水準を確保することにつながります。

マクロ経済スライドをわかりやすく解説した動画

マクロ経済スライドについてのゼロから知りたい方はこちらの動画がオススメです。

 

まとめ

・2019年度の年金額は0.1%増。

・物価>賃金>0のため、賃金変動率をベースに計算。

・マクロ経済スライドが2回目の発動。前年のキャリーオーバー分が精算。

執筆/資格の大原 社会保険労務士講座

金沢 博憲金沢 博憲

時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格(旧上級)コース」を担当致しております。
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