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社会保険労務士試験合格を目指す皆様、こんにちは。

社労士24担当講師の金沢です。

今回は、2021年対策向けの法改正につき、その最新一覧をご紹介します。

とりあげず現時点で分かっている主要改正点を掲載しています。

とり急ぎ労一関連を掲載。

今後随時加筆。

2020年法改正はこちら

2019年法改正はこちら

2018年法改正はこちら

 

目次

労働保険料徴収法

労災保険率は据え置き

2021年度の労災保険率、特別加入保険料率及び労務費率は令和2年度から変更はありません。

・最高→88/1000
・最低→2.5/1000
・非業務災害率→0.6/1000
 
労災保険率は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律第12 条第2項に基づき、将来にわたって、労災保険の事業に係る財政の均衡を保つことができるよう、過去3年間の災害率等を考慮して、事業の種類ごとに厚生労働大臣が定めることとされています。
 
2021年度は、3年に1回の改定年ですが、厳しい経済情勢を受けて、業種によって率の上げ下げが生じないように据え置いた模様です。
 
労災保険率は54業種が設定されており、全業種の平均料率は4.5/1,000となります。
 

【労災保険率】
・最低→その他業種などの2.5/1000
・最高→金属鉱業などの88/1000

【第2種特別加入保険料率】
・最低→3/1000(指定農業機械従事者など)
・最高→52/1000(林業)

【第3種特別加入保険料率】
・一律→3/1000

 

メリット制の収支率の算定

複数事業労働者への業務災害に関する保険給付の額は複数事業場の賃金額を合算し算定しますが、メリット収支率の算定に当たっては、災害発生事業場における賃金額をもとに算定した額に相当する額のみを算入することになります。

また、複数就業先の業務上の負荷を総合して評価して労災認定する場合、いずれの事業場のメリット収支率の算定の基礎としないこととになります。

労働に関する一般常識

労働に関する一般常識の法改正は、法令名称と改正内容の対応関係が大事です。

例えば、「パワハラ防止措置の根拠は何法?」「えっ?…パワハラ防止法?」とならないように。

最低賃金法

地域別最低賃金(令和2年度)の改定

改定額の全国加重平均額は902円(昨年度901円) 。
東京都(1,013円)が最も高く、沖縄県他(792円)が最も低い。

全国加重平均で毎年20円を超える引き上げが続いてきたが、景気低迷を受け引上げ幅は大きく鈍化。

労働施策総合推進法

中途採用比率の公表義務化

労働者301人以上の企業に中途採用比率の公表義務化される。

中途採用に関する情報の公表により、職場情報を一層見える化し、中途採用を希望する労働者と企業のマッチングをさらに促進することが狙い。

情報公表を求める対象は、中小企業の中途採用が既に活発であることや中小企業への負担を踏まえ、労働者数301人以上の大企業についてのみ義務とする。

情報公表の方法については、企業のホームページ等の利用などにより、求職者が容易に閲覧できる方法による。

パワーハラスメント防止対策の法制化

パワーハラスメントとは、「①優越的な関係を背景とした」、「②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により」「③就業環境を害すること」(身体的若しくは精神的な苦痛を与えること)をいうことを明記する。

事業主に、パワーハラスメント防止のため、相談体制の整備等の雇用管理上の措置を講じることを義務付ける。

パワーハラスメントの具体的な定義や事業主が講じる雇用管理上の措置の具体的な内容を定めるため、厚生労働大臣が「指針」を策定することとする。

パワーハラスメントに関する労使紛争について、都道府県労働局長による紛争解決援助、紛争調整委員会による調停(行政ADR)の対象とするとともに、措置義務等について履行確保(助言、指導、勧告等)のための規定を整備する。

パワーハラスメント防止対策の措置義務は、中小事業主の施行日に配慮(令和4年3月31日までの間は、努力義務とする。)する。

高年齢雇用安定法

70歳までの就業機会確保

少子高齢化が急速に進展し人口が減少する中で、経済社会の活力を維持するため、働く意欲がある高年齢者がその能力を十分に発揮できるよう、高年齢者が活躍できる環境整備を図ることが必要である。

個々の労働者の多様な特性やニーズを踏まえ、70歳までの就業機会の確保について、多様な選択肢を法制度上整え、事業主としていずれかの措置を制度化する努力義務を設ける。

事業主に対して、65歳から70歳までの就業機会を確保するため、高年齢者就業確保措置として、以下の①~⑤のいずれかの措置を講ずる努力義務を設ける。

【雇用による措置】

①70歳までの定年引上げ
②70歳までの継続雇用制度の導入(特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものを含む)
③定年廃止

【雇用以外の措置(労働者の過半数を代表する者等の同意を得た上で導入)】

④希望する高年齢者について、70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入

⑤希望する高年齢者について、
a.事業主が自ら実施する事業
b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う事業
であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものに係る業務に70歳まで継続的に従事できる制度の導入

努力義務について雇用以外の措置(④及び⑤)による場合には、労働者の過半数を代表する者等の同意を得た上で導入されるものとする。

障害者雇用促進法

障害者雇用率の引上げ

民間企業の障害者雇用率が2.3%に引き上げられる。

法定雇用率の変更に伴い、障害者を雇用しなければならない民間企業の事業主の範囲が、従業員45.5人以上から43.5人以上に変わる。

障害者雇用認定の認定マークが決定

雇用する労働者が300人以下の中小事業主について、一定の基準を満たす場合は、申請により、障害者雇用促進法第77条に基づき、厚生労働大臣から「認定」を受けることができる。

この認定マークの愛称が「もにす認定」に決まった。

※もにすは、共に進む(ともにすすむ)をもじったもの。

男女雇用機会均等法

①セクシュアルハラスメント等に関する国、事業主及び労働者の責務の明確化

セクシュアルハラスメント等は行ってはならないこと等に対する関心と理解を深めることや、他の労働者に対する言動に注意を払うこと等を関係者の責務として明記する。

※パワーハラスメント、いわゆるマタニティハラスメントについても同様(②④も同じ)

②事業主に相談等をした労働者に対する不利益取扱いの禁止

労働者が相談等を行うことに躊躇することがないよう、労働者がセクシュアルハラスメント等に関して事業主に相談したこと等を理由とした不利益取扱いを禁止する。

③自社の労働者等が他社の労働者にセクシュアルハラスメントを行った場合の協力対応

事業主に対し、他社から雇用管理上の措置の実施(事実確認等)に関して必要な協力を求められた場合に、これに応じる努力義務を設ける。

※ あわせて、自社の労働者が他社の労働者等からセクシュアルハラスメントを受けた場合も、相談に応じる等の措置義務の対象となるこ
とを指針で明確化する。

④調停の出頭・意見聴取の対象者の拡大

セクシュアルハラスメント等の調停制度について、紛争調整委員会が必要を認めた場合には、関係当事者の同意の有無に関わらず、職場の同僚等も参考人として出頭の求めや意見聴取が行えるよう、対象者を拡大する。

女性活躍推進法

女性の職業生活における活躍に関する情報公表の強化

常用労働者301人以上の事業主については、現在1項目以上の公表を求めている情報公表項目を「①職業生活に関する機会の提供に関する実績」、「②職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績」に関する項目に区分し、各区分から1項目以上公表することとする。

あわせて、情報公表に関する勧告に従わなかった場合に企業名公表ができることとする。

プラチナえるぼしの創設

女性活躍に関する取組が特に優良な事業主に対する特例認定制度(プラチナえるぼし(仮称))を創設する。
取得企業は、行動計画の策定義務が免除される。

育児・介護休業法

子の看護休暇・介護休暇が時間単位で取得可能に

育児や介護を⾏う労働者が⼦の看護休暇や介護休暇を柔軟に取得することができるよう、時間単位(従来、半⽇単位)で取得できるようになる。

健康保険法

オンライン資格確認の導入に際し、資格確認の方法を法定化するとともに、個人単位化する被保険者番号について、個人情報保護の観点から、健康保険事業の遂行等の目的以外で告知を求めることを禁止(告知要求制限)する。

オンライン資格確認の導入(令和3年3月より順次)

現行の被保険者証による資格確認では、資格喪失後の未回収の保険証による受診や、それに伴う過誤請求が請求時に判明。保険者・医療機関等の双方に負担が発生している。
 
そこで、マイナンバーカードのICチップ又は健康保険証の記号番号等により、オンラインで資格情報の確認を可能となり、医療機関・薬局の窓口で、直ちに資格確認ができるようになる。
 
 

 

被保険者等記号・番号等の告知要求制限

被保険者記号・番号が個人単位化されたことに伴い、プライバシー保護の観点から、健康保険事業とこれに関連する事務以外に、被保険者記号・番号の告知を要求することを制限する「告知要求制限」が設けられている。

金融機関での口座開設の手続きなど、本人確認のために被保険者証の提示を求める場合には、告知要求制限に抵触しないよう、関係機関に以下のような留意点を周知することとする。
・本人確認書類として被保険者証の提示を受けた場合、当該被保険者証の被保険者記号・番号を書き写さないこと
・当該被保険者証の写しが必要な場合には、当該写しの被保険者記号・番号部分を復元できない程度にマスキングを施した上で確認記録に添付すること

国民年金法

2021年度の年金額は0.1%減の見通し

2021年度(令和3年度)年金額は0.1%減額の見通し。
引き下げは4年ぶり。
年金額の伸びを抑制するマクロ経済スライドは発動しない。

詳しくはこちら

2021年度の国民年金保険料

2021年度の国民年金保険料は16,610円。

計算式は、法定額17,000円×保険料改定率0.977=16,610円

未婚のひとり親の申請全額免除基準への追加について

地方税法において、令和3年1月1日より、未婚のひとり親が個人住民税の非課税措置の対象として定義されることに伴い、地方税法上の未婚のひとり親についても、新たに国民年金保険料の申請全額免除の対象者として国民年金法施行令に規定する。

また、地方税法上の寡夫についても併せて対象に加えることとする。

なお、令和2年地方税改正法により、寡婦、寡夫及び単身児童扶養者が寡婦及びひとり親に再編されること(令和3年1月1日施行予定)に伴い、整備政令により、申請全額免除の対象に、ひとり親を追加することとする。

脱退一時金の支給上限月数の見直しについて

日本に短期滞在する外国人に対する特例的な給付である脱退一時金について、令和2年改正法第1条及び第4条の規定により支給上限月数を政令で定めることとされることに伴い、国民年金法施行令及び厚生年金保険法施行令に当該支給上限月数に係る規定を置くとともに、当該支給上限月数については、現行の36月(3年)から60月(5年)に引き上げることとする。

寡婦年金の不支給要件の改正

寡婦年金を支給しないこととする要件を、その夫が障害基礎年金の受給権者であったことがあるとき又は老齢基礎年金の支給を受けていたときから、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある夫が死亡したときとすることとした。

学生納付特例に係る規定の整備について

学生納付特例の対象となる学生及び学生納付特例事務法人の範囲に係る規定の整備を行うこととする。

年金制度の改革と今後

確定拠出年金法

確定拠出年金制度における脱退一時金の支給要件の見直しについて(DCにおける中途引き出しの改善)

確定拠出年金制度における脱退一時金の支給要件である通算拠出期間が1月以上3年以下であることについて、令和2年改正法第21条の規定によりその期間を政令で定めることとされることに伴い、確定拠出年金法施行令に当該期間に係る規定を置くとともに、当該期間については、1月以上5年以下と定めることとする。

脱退一時金の支給要件のうち通算拠出期間が政令事項とされ、国民年金における脱退一時金の支給上限年数の引上げ(3年→5年)と平仄を合わせて改正される。

 

執筆/資格の大原 社会保険労務士講座

金沢 博憲金沢 博憲

時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
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