2023年社労士試験合格体験記(39)「自分に足りないものは何か自己分析」

皆さんこんにちは。
金沢博憲(社労士24 担当講師)です。

2023年社労士試験に合格された皆様からの合格体験記をご紹介します。

合格体験記は11月30日までに募集中です。応募フォームは→こちら

今回は”容子”様からお寄せ頂いた体験記です。

誠にありがとうございます。

プロフィール

【プロフィール】

50代・女性・個人事業主(行政書士)

【得点状況】

R2 選択 30 択一 36
R3 選択 25 択一 44
R4 選択 35 択一 43
R5 選択 34 択一 48

【利用のコンテンツ】

経験者合格コース+社労士24、過去問ランド、合格のツボ(択一)
基本、利用いていたのは社労士24でしたが、テキストが欲しかったので経験者合格コースを選択しました。

学習方法

【学習計画の立て方】

合格発表後からのスタートで、経験者合格コースをとっていましたがもともと社労士24をメイン教材にするつもりでしたので、配信スケジュールから遅れてはいましたが、5月末の最初の模試までに全科目終わらせるようにスケジュールしました。

【勉強時間の作り方】

令和4年2月に行政書士登録後、同年8月にそれまで勤めていた会社を退職したため、積極的な営業活動はせず、ほぼ受験勉強に費やしていたので、勉強時間には恵まれた1年でした。

【1日平均の勉強時間とトータルの勉強時間】

他資格の勉強を並行していたので、短い日は2時間、長い日は7~8時間
トータルは1000時間くらい?

【回転数】

社労士24のレクチャーを通して視聴は2回+ながら聴き
択一トレ問は4回(社保3科目は3回)+間違い問題は繰り返し有
選択トレ問は2回+間違い問題は繰り返し有
過去問ランド(10年分)は社保3科目は7回、その他は2~3回+間違い問題は繰り返し有

【一番苦労したことと解決した方法】

一番苦労したことというか2年目から3年目の択一の点数が伸びなかったので、合格発表後、新たに試験勉強を始めるにあたり、まずしたことは、自分分析と試験問題分析です。
実際には、自己採点した後から試験問題分析はしていましたが、どうしてその問題を間違えたのかの振り返りです。
結局、自分に足りないものは何か、どうしたら足りないものが補えるのか、その為にはどんな教材をどのように使って勉強するのがいいのかを探すための作業です。
そして、そこに自分分析が加わります。
自分はどうやったら一番物事を覚えられるのか。
それまでの勉強方法は間違っていなかったのか。

どうして合格基準点を超えられなかったを、自分なりに考えられないと、次にどうしたらいいのかは決められないので、ここは一番真剣に考えました。

試験問題から導き出された、自分にいちばん不足しているもの。
メンタルの弱さと基本知識の定着の弱さ(特に社保科目)。
自分分析から、自分は書いて覚えるタイプで、問題を解いてそこから理解をしていくのが一番頭に残る。
それまでの勉強法自体は間違っていないけど、まだやりっ放しにしていた部分があったのと、最後択一の問題に1週間以上触れないまま本試験を迎えたのは、いけなかった。

これらを基に、自分の可処分時間も考え、5月末に最初の模試を全科目1巡した状態で受験できるスケジュールが組める方法を考えました。
基本知識の定着の為には繰り返しが必要で、その点に関しては前年の方法で問題ないと思ったので、基本教材は大原の社労士24としました。
ひとつの科目を勉強している間にその科目はある程度仕上げて終わらせるつもりにしていたので、長い講義を視聴すると繰り返しが行えないためです。

【選択式の勉強方法】

選択トレ問、直対問題、目的条文音読、判例・白書読み

【勉強内容】

・5月まで(直前期の前)

基本知識の定着、科目学習の間に仕上げる為に科目学習は、
①択一トレーニング問題1周(○×肢問わず論点記載)
②社労士24レクチャー視聴(論点チェックしながら)
③レクチャーテキスト読み&昨年のテキストからの転記
④演習サブノート
(全体を2から3ブロックに分けて、ブロックごと②~④)
⑤択一トレーニング問題1周(×の肢のみ論点記載)
⑥選択トレーニング問題1周
⑦択一トレーニング問題1周(×の肢のみ論点記載)
⑧①⑤⑦の正誤を一覧表にし、正誤間違い、論点間違いの理由も記載
・3回連続で○となるまで、解き直し
・間違えた理由に対して、対策を考えます
を、科目学習としました。
ひとつの科目が終わるまでに、7回全体を見ることができます。
これでかなり長期記憶ができていたと思います。

択一トレ問を3回やる理由
①はその時点でどれだけ知識が残っているか把握のため
⑤は法改正も含め、講義視聴等してどれだけ理解できたか確認のため
⑦は最終的にどこが理解できていないか把握のため

これを全科目5月末までに終わらせるスケジュールだったので1科目1か月弱で廻す感じで、社保3科目は毎日シリーズの絡みと時間の関係で①は省略していました。

日々の勉強内容が決まったので、日々繰り返していくだけですが問題を解くときには常に、間違えた問題はどうして間違えたかの分析をし、解説もきちんと読むようにしていました。
解説をきちんと読むのは当たり前のなのですが、ついつい自分が指摘したポイントの部分だけ目を通して他は勝手に大丈夫とスルーしがちだったので、実は自分が勘違いしていたとか、他にも論点があったとか、よくありました。

科目学習が終わったあと、確認テストを実施します。
基本的に、確認テストは満点目標でした。
よく、確認テストの満点を取るために勉強したという声を聞きましたが、私は「満点を取るための勉強」をしていたのではなく「満点を取れる勉強」をしていました。
私の中で「満点を取る勉強」=短期記憶、「満点を取れる勉強」=長期記憶と思っていたからです。
結果として満点取れたのは最後の社一だけでしたので、常に反省でしたが。

確認テストは、選択と5肢択一をマークシートに回答して提出するため提出用に最初は普通に解きますが、点数に関わりなく、その後に1問1答で解き直します。もちろん×肢は論点記載します。
間違えた肢は、正解するまで毎日解き直ししました。
ここでも、分析・対策は必ずやっていました。
やりっ放しにしないことで、さらなる基本知識の定着が目的です。

労働科目、社保科目終了後の中間テストも同様でした。

科目学習とは別に、毎日シリーズを作ってました。
①10分間チャレンジ
②Twitterで選択対策
③秒トレ
④過去問ランド
⑤目的条文
⑥判例
これは、習慣化と苦手克服が目的でした。

①10分間チャレンジ
TACのツボの択一を使用して、科目日替わりで10分間で20問解く(単純○×回答)
本試験での問題を解くペースの訓練、短期間での全科目触れるのが目的
ツボを使った理由
・1冊で全科目掲載されていて、20問ずつやってちょうど終われる問題数だった
ここでは、知識向上を理由としてはいなかったので、回答の正誤はあまり気にしていませんでした。
ただ、気になった問題は確認することはありました。

②Twitterで選択対策
毎日、金沢先生が問題を配信してくださっていたTwitter上で回答を入れ、毎日問題と翌日ブログで配信される解説を書き写し(量が多いときはコピペ)
科目学習と同じ科目が配信されるので、論点確認が目的
定期的1週間後→1か月後→3か月後→3か月後
Twitterに入れて回答が間違えていたときは、通常の書き写しとはまた別に、間違えた問題を集めて繰り返しの頻度を上げて解き直し、その時も、なぜ間違えたかの分析も行います。
本試験前、最後の2週間でそれまでの問題を全て最低1回解き、解説を読むを行いました。

③秒トレ
スマホアプリの秒トレを使用して、早いうちから労一・社一の統計問題に触れていました。
統計対策とすき間時間の時間の活用が目的
労一・社一とあと1科目(その時必要と思った科目)を各20問正解するまで解いてました。

④過去問ランド
別名「毎日年金」「毎日健保」として、労働科目が終わるまでは過去10年分(500問)を1日1科目25問ずつ解く(単純○×回答、年金は国年・厚年日替わり)
毎日触れることで、苦手克服、本試験問題の言い回し、出題傾向の確認が目的
回答は○×ですが、考える時は当然論点記載と同じように論点も考えました。
間違えた問題は印刷し、10年分1周終わった時点で再度解き直し正答率管理をし、最低90%以上、最終的には95%以上の正答率を目標。
科目が社保に入ってからは、科目学習している科目以外で廻していました。
昨年は、この部分は社労士24レクチャーを1コマ聴き、該当の範囲のトレ問アプリを解くことをしていましたが、トレ問アプリも冊子と同じ内容なので、科目学習と同じことをしているだけなので少し視点を変え、より本試験に対応できるように過去問ランドを使用しました。

⑤目的条文
⑥判例
この2つも早いうちから触れるように当初からシリーズに組み入れましたが、1日の中で配置がうまくいかなかったこともあり一旦脱落しました。
最終的には100日前から、復活させることができました。

・5月~7月(直前期)

前の年と変えたのは、模試の回数です。
毎年、大原とLECは会場受験していたので、それに加えTACの2回のうち、1回は会場受験にしました。
TACを加えたのは、難しいと言われている模試にどれだけ対応できるか
知りたかったのが1番の理由です。
模試の復習は、がっつり行うことはしていません。
あくまでも模試は自分の現状を知るためのものだと思っていたので。
その日のうちに、試験中の思考を思い出しながら、全体の振り返りと特に正答率50%以上で間違えた問題の確認だけやっていました。
6月終わりから8月頭まで、毎週模試を受けていたのですが、そこまで本当に必要だったか?と考えると、必ずしも必要ではなく、ほとんど自己満足の世界だったような気がします。

直前期の教材は、講座の直前対策の演習と模試。
他校のオプション講座や市販模試も使用しませんでした。
直前対策演習もそれまでの確認テストや中間テストと同様に最初は5択で解きますが、その後1問1答で解き直します。
最後まで基礎固めを徹底しました。

選択対策として、区切りのいいところで100日前から目的条文音読、白書読み(1日テキスト3ページ)、判例読み(1日テキスト3ページ)、統計に触れるを毎日シリーズに加えました。
模試の日を除いて、覚えるというよりは記憶の片隅にでもいいから置いておくという感覚でした。

・8月(最直前期)

最後の1周期。(択一トレ問・選択トレ問・確認テスト・直対演習)
最後の自分の基礎力確認の為に、確認テストと直対演習は1問1答で解き、間違えた問題は正解するまで解き直すというのは、それまでと同じでした。
最後のシャロ勉合宿中に、「高地トレーニング」として1日1科目、選択トレーニング問題1周、社労士24レクチャーテキスト読み(1ページ1~2分ペース)社労士24レクチャー2倍速ながら聴き、直前対策演習選択をやりました。これは、先輩合格者の方がやられてたものを真似たものです。短期間での選択トレ問とテキスト読みを終わらせる策です。

択一は最後3日前と2日前で令和2年の本試験問題を5択で解き、本試験のイメージを作るようにしました。
過去問ランドが7月末で最後の1周が終わっていたので、本試験問題の言い回しを忘れないように、あと5択を解く感覚を忘れないようにするには
ちょうどよかったと思います。

メッセージ

【受験生の方へのメッセージ】

この試験は、合格と不合格が紙一重で運の要素が強く努力が報われないと言われていますが、必ずしもそうとは言い切れないと思います。特にここ2年は、選択問題の労一で驚くような出題はされておらず、全体的に基本知識を問われる問題となっています。
ですので、努力をすれば合格できる試験なのです。ただ、努力さえしていればいいのではなく「正しい努力」は必要です。方向性が間違ったまま努力しても合格は遠のいてしまいます。
勉強方法・勉強内容が本当に自分の可処分時間に合わせたものになっていれば、辛くはなく楽しく勉強できるはずです。
楽しく勉強して、是非とも合格を勝ち取っていただきたいと思っています。
応援してます。頑張ってください。

【その他ご感想など】

この合格体験記を書くかどうか、かなり迷いました。
勉強方法の話をすること自体には何の問題はないのですが、勉強方法を話す側にはものすごく責任があると思ってます。
勉強方法はその人の背景が必ずあって、その背景があったからその勉強方法をやってきたということなので、背景をお伝えせずに勉強方法だけ話しても見ている人は「そんなことしないと合格できないの?」と不安にさせることになりかねません。合格者の人がやっていた勉強方法やってみたけど、続かないとか成績上がらないとかあるのは、そもそも背景が違うからなのです。
それに、単に「トレ問○回回しました」と言われても、どう回したのか具体的にわからなければ見てくださった方の参考にはなりません。
ですので、私はできる限り自分の背景や具体的にやってきたことを伝えることができなければ合格体験記を書く意味がないと思っていて、このフォームでちゃんと伝えられるか不安でした。
でも、私の話を聞いてみたいと言ってくださる方がいたので、何とか書いてみました。
こういった理由でかなり長いものになり、読みづらくなってしまったかもしれません。
皆さまに勉強方法というより、自分に必要な勉強方法の考え方みたいなものが参考になれば幸いです。

 

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執筆/資格の大原 社会保険労務士講座

金沢 博憲金沢 博憲

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