皆様こんにちは。
資格の大原 社会保険労務士試験対策講座の金沢です。

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選択式問題を解く際のポイントは次の通りです。

解く際のポイントテキストが入ります。

①問題文を見て解答となる語句や数字を思い出す※いきなり語群をみない
②思い出した語句や数字を語群から探す
③ダミーの選択肢と相対評価して解答を確定する
④思い出せなかった場合でも、どういう性質のカテゴリー(行政機関名、給付名称、給付率、届出期限など)かを思い出した上で、語群から探す。選ぶ際も自分なりの根拠を持って選ぶ。

このポイントを意識することで、選択式対応力が上がっていきます。

それでは、今回のお題はこちらです。

逸脱・中断(正解率23%)

問題

通勤災害の逸脱・中断にあたる行為であっても、日常生活上必要な行為である場合は、合理的な経路に復した後は通勤とされる。
次のうち「逸脱・中断には当たるが、日常生活上必要な行為である」ものに含まれないのは?

A 人工透析を受けるため病院に寄る
B 選挙の投票に行く
C 共稼家庭で子を保育園に送迎する 
D 独身職員が通勤途中で食事をする

ついでに見たい

ただの最高裁判例まとめ【ブログ】

令和2年:旭紙業事件
令和3年:国際自動車事件
令和4年:東亜ペイント事件
令和5年:此花電報電話局事件

このまとめサイトの判例から出題。

解答・解説

”正解はここをクリック”

C 共稼家庭で子を保育園に送迎する 」。

・日用品・訓練・病院・選挙・介護→逸脱中断だが、日常生活上必要な行為。
合理的な経路に復した後は通勤。

・保育園→共働き夫婦の労働者が保育園に送迎する場合はそもそも逸脱・中断ですらない。
送迎ルート含めた全行程が合理的な経路=通勤。

なお、独身職員が通勤途中で食事をする(孤独のグルメ)は、逸脱・中断に当たるが日常生活上必要な行為。
食事中は通勤ではないが、その後の経路は通勤。

通勤の範囲について、詳しくはこちら→通勤災害の範囲

関連論点
  • 通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動(①住居と就業の場所との間の往復、②厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動、③上記①の往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る))を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする(「住居と就業の場所との間の往復」のみではない)。
  • 外回りの営業担当の労働者が、夕方、得意先に物品を届けて直接帰宅する場合、その得意先は就業の場所に当たる
  • 労働者が転任する際に配偶者が引き続き就業するため別居することになった場合の、配偶者が住む居宅は、「住居」と認められることがある
  • 転任等のやむを得ない事情のために同居していた配偶者と別居して単身で生活する者や家庭生活の維持という観点から自宅を本人の生活の本拠地とみなし得る合理的な理由のある独身者にとっての家族の住む家屋については、当該家屋と就業の場所との間を往復する行為に反復・継続性が認められるとき住居と認めて差し支えないが、「反復・継続性」とは、おおむね1か月に1回以上2か月に1回以上×)の往復行為又は移動がある場合に認められる。
  • 同一市内に住む長女が出産するため、15日間幼児2人を含む家族の世話をするために長女宅に泊まり込んだ労働者にとって、長女宅は、就業のための拠点としての性格を有する住居と認められる
  • 労働者が、長期入院中の夫の看護のために病院に1か月間継続して宿泊した場合、当該病院は就業のための拠点としての性格を有する住居と認められる
  • 頸椎を手術した配偶者の看護のため手術後1か月ほど姑と交替で1日おきに病院に寝泊まりしていた労働者が、当該病院から徒歩で出勤する途中、横断歩道で軽自動車にはねられ負傷した場合、(当該病院は「住居」と認められるので)当該病院から勤務先に向かうとすれば合理的である経路・方法をとり逸脱・中断することなく出勤していた場合は、通勤災害とは認めらる
  • 配偶者と小学生の子と別居して単身赴任し、月に1~2回、家族の住む自宅に帰っている労働者が、1週間の夏季休暇の1日目は交通機関の状況等は特段の問題はなかったが単身赴任先で洗濯や買い物等の家事をし、夏季休暇の2日目家族の住む自宅へ帰る途中に交通事故に遭い負傷した。この場合は、通勤災害と認められない(赴任先住居から帰省先住居への移動の場合については、「実態等を踏まえて、業務に従事した当日又はその翌日に行われた場合は、就業との関連性を認めて差し支えない。ただし、翌々日以後に行われた場合は、交通機関の状況等の合理的理由があるときに限り就業との関連性が認められる」こととされているため、夏季休暇の2日目(業務に従事した翌々日)の移動は、交通機関の状況等の合理的理由がない場合は、就業との関連性が認められない)。
  • アパートの2階の一部屋に居住する労働者が、いつも会社に向かって自宅を出発する時刻に、出勤するべく靴を履いて自室のドアから出て1階に降りようとした時に、足が滑り転倒して負傷した場合、通勤災害に当たる(労働者が居住するのがアパートである場合、その外戸が住居と通勤経路との境界であり、当該アパートの階段は、通勤の経路と認められるため)。
  • 一戸建ての家に居住している労働者が、いつも退社する時刻に仕事を終えて自宅に向かってふだんの通勤経路を歩き、自宅の門をくぐって玄関先の石段で転倒し負傷した場合、通勤災害に当たらない一戸建ての家においては、自宅の門」等が住居と通勤経路との境界とされるため、門をくぐった先の「玄関先の石段」は通勤の経路とは認められない)。
  • 通勤災害における合理的な経路とは、当該移動の場合に、一般に労働者が用いるものと認められる経路及び手段等をいうものである(「最短距離の唯一の経路を指す」わけではない)。
  • 退勤時に長男宅に立ち寄るつもりで就業の場所を出たものであっても、就業の場所から普段利用している通勤の合理的経路上の災害であれば、通勤災害とは認められる(通勤とは、被災労働者の行為を外形的、かつ、客観的にとらえて判断するものであり、たとえ長男宅に立ち寄るつもりで就業の場所を出たものであっても、いまだ通常の合理的な通勤経路上にある限りにおいては、当該被災労働者の行為は通勤と認めるのが妥当であるため)。
  • 3歳の子を養育している一人親世帯の労働者その子をタクシーで託児所に預けに行く途中で追突事故に遭い負傷した。その労働者は、通常、交通法規を遵守しつつ自転車で託児所に子を預けてから職場に行っていたが、この日は、大雨であったためタクシーに乗っていた。タクシーの経路は、自転車のときとは違っていたが車であれば、よく利用される経路であった。この場合は、通勤災害と認められる(経路については、乗車定期券に表示され、あるいは、会社に届け出ているような、鉄道、バス等の通常利用する経路及び通常これに代替することが考えられる経路等が合理的な経路となることはいうまでもない。また、タクシー等を利用する場合に、通常利用することが考えられる経路が二、三あるような場合には、その経路は、いずれも合理的な経路となる。)。
  • マイカー通勤の労働者が、経路上の道路工事のためにやむを得ず通常の経路を迂回して取った経路は、ふだんの通勤経路を外れた部分についても、通勤災害における合理的な経路と認められる(経路の道路工事、デモ行進等当日の交通事情により迂回してとる経路、マイカー通勤者が貸切の車庫を経由して通る経路等通勤のためにやむを得ずとることとなる経路は合理的な経路となるため)。
  • 他に子供を監護する者がいない共稼ぎ労働者が、いつもどおり親戚に子供を預けるために、自宅から徒歩10分ほどの勤務先会社の前を通り過ぎて100メートルのところにある親戚の家まで、子供とともに歩き、子供を預けた後に勤務先会社まで歩いて戻る経路のうち、勤務先会社と親戚の家との間の往復は、通勤災害における合理的な経路とは認められる(他に子供を監護する者がいない共稼労働者が託児所、親せき等にあずけるためにとる経路などは、そのような立場にある労働者であれば、当然、就業のためにとらざるを得ない経路であるので、合理的な経路となるものと認められるため)。
  • マイカー通勤をしている労働者が、同一方向にある配偶者の勤務先を経由するため通常通り自分の勤務先を通り越して通常の通勤経路を450メートル走行し配偶者の勤務先で配偶者を下車させて自分の勤務先に向かって走行中、踏切で鉄道車両と衝突して負傷した場合、通勤災害とは認められる(マイカー通勤の共稼ぎの労働者で、勤務先が同一方向にあって、しかも夫の通勤経路から、さほど離れていなければ、2人の通勤をマイカーの相乗りで行い、妻の勤務先を経由することは、通常行われることであり、このような場合は、合理的な経路として取扱うため。なお、同一方向であっても通常の通勤経路を片道1.5キロメートル(往復3キロメートル)迂回する事例については、通勤災害とは認められていない)。
  • 自家用車で通勤していた労働者Xが通勤途中、他の自動車との接触事故で負傷したが、労働者Xは所持している自動車運転免許の更新を失念していたため、当該免許が当該事故の1週間前に失効しており、当該事故の際、労働者Xは、無免許運転の状態であった。この場合は、諸般の事情を勘案して給付の支給制限が行われることはあるものの、通勤災害と認められる可能性はある(方法については、「鉄道、バス等の公共交通機関を利用し、自動車、自転車等を本来の用法に従って使用する場合、徒歩の場合等、通常用いられる交通方法は、当該労働者が平常用いているか否かにかかわらず一般に合理的な方法と認められる。しかし、例えば、免許を一度も取得したことのないような者が自動車を運転する場合自動車、自転車等を泥酔して運転するような場合には、合理的な方法と認められない。なお、飲酒運転の場合、単なる免許証不携帯、免許証更新忘れによる無免許運転の場合等は、必ずしも、合理性を欠くものとして取り扱う必要はないが、この場合において、諸般の事情を勘案し、給付の支給制限が行われることがあることは当然である」とされているため)。
  • 移動の途中の災害であっても、業務の性質を有する場合は通勤災害と認められない
  • 寝過ごしにより就業場所に遅刻した場合は、通勤に該当する(所定の就業日に所定の就業開始時刻を目途に住居を出て就業の場所へ向う場合は、寝すごしによる遅刻、あるいはラッシュを避けるための早出等、時刻的に若干の前後があっても就業との関連性がある)。
  • 運動部の練習に参加する目的で、午後の遅番の出勤者であるにもかかわらず、朝から住居を出る等、所定の就業開始時刻とかけ離れた時刻に会社に行く場合は、通勤に該当しない(運動部の練習に参加する等の目的で、例えば、午後の遅番の出勤者であるにもかかわらず、朝から住居を出る等、所定の就業開始時刻とかけ離れた時刻に会社に行く場合や第2の就業場所にその所定の就業開始時刻と著しくかけ離れた時刻に出勤する場合には、当該行為は、むしろ当該業務以外の目的のために行われるものと考えられるので、就業との関連性はないと認められる。)。
  • 日々雇用される労働者が公共職業安定所等でその日の職業紹介を受けるために住居から公共職業安定所等まで行く行為は、通勤に該当しない(未だ就職できるかどうか確実でない段階であり、職業紹介を受けるための行為であって、就業のための出勤行為であるとはいえないため)
  • 日々雇用される労働者については、継続して同一の事業に就業しているような場合は、就業することが確実であり、その際の出勤は、就業との関連性が認められるし、また公共職業安定所等でその日の紹介を受けた後に、紹介先へ向う場合で、その事業で就業することが見込まれるときも、就業との関連性を認めることができる。

  • 昼休みに自宅まで時間的に十分余裕をもって往復できる労働者が、午前中の業務を終了して帰り、午後の業務に就くために出勤する往復行為は、通勤に該当する通勤は1日について1回のみしか認められないものではないので、昼休み等就業の時間の間に相当の間隔があって帰宅するような場合には、昼休みについていえば、午前中の業務を終了して帰り、午後の業務に就くために出勤するものと考えられるので、その往復行為は就業との関連性を認められるため)。
  • 業務の終了後、事業場施設内で、サークル活動をした後に帰宅する場合は、社会通念上就業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間となるような場合を除き通勤に該当する(業務の終了後、事業場施設内で、囲碁、麻雀、サークル活動、労働組合の会合に出席をした後に帰宅するような場合には、社会通念上就業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間となるような場合を除き、就業との関連性を認めても差し支えないため)。
  • 業務終了後に、労働組合の執行委員である労働者が、事業場内で開催された賃金引上げのための労使協議会に6時間ほど出席した後、帰宅途上で交通事故にあった場合、通勤災害とは認められない
  • 通勤の途中、経路上で遭遇した事故において、転倒したタンクローリーから流れ出す有害物質により急性中毒にかかった場合は、通勤によるものと認められる
  • 通勤の途中において、歩行中にビルの建設現場から落下してきた物体により負傷した場合、通勤による災害と認められる
  • 自殺の場合、通勤の途中において行われたものであっても、通勤災害と認められない(通勤をしていることが原因となって災害が発生したものではないため)。
  • 通勤の途中で怨恨をもってけんかをしかけて負傷した場合通勤災害と認められない(通勤をしていることが原因となって災害が発生したものではないため)。
  • 商店が閉店した後は人通りがなくなる地下街入口付近の暗いところで、勤務先からの帰宅途中に、暴漢に後頭部を殴打され財布をとられたキャバレー勤務の労働者が負った後頭部の裂傷は、通勤災害と認められる(「いわゆる粗暴犯の発生が多いため、警察の該当活動強化地区として指定されている場所で災害が発生しており、かかる地域を深夜退勤する途上において「強盗」や「恐喝」等に出会い、その結果負傷することも通常考え得ることである。しかも、当該災害が被災労働者の挑発行為等、恣意的行為により生じたものではなく、また、当事者間に怨恨関係があるとする特別の事情なども見いだせないことから、通勤に通常伴う危険が具体化したものと認められる」ため)。
  • 午前の勤務を終了し、平常通り、会社から約300メートルのところにある自宅で昼食を済ませた労働者が、午後の勤務に就くため12時45分頃に自宅を出て県道を徒歩で勤務先会社に向かう途中、県道脇に駐車中のトラックの脇から飛び出した野犬に下腿部をかみつかれて負傷した場合、通勤災害と認められる(経験則上通勤経路に内在すると認められる危険が具体化したものであり通勤との間に相当因果関係が認められるため)。
  • 勤務を終えてバスで退勤すべくバス停に向かった際、親しい同僚と一緒になったので、お互いによく利用している会社の隣の喫茶店に立ち寄り、コーヒーを飲みながら雑談し、40分程度過ごした後、同僚の乗用車で合理的な経路を通って自宅まで送られた労働者が、車を降りようとした際に乗用車に追突され負傷した場合、通勤災害と認められない(喫茶店に立ち寄って過ごした行為は、通常通勤の途中で行うようなささいな行為」には該当せず、また、「日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行うための最小限度のもの」とも認められないので、中断後の災害に該当するため)。
  • マイカー通勤をしている労働者が、勤務先会社から市道を挟んだところにある同社の駐車場に車を停車し、徒歩で職場に到着しタイムカードを押した後、フォグライトの消し忘れに気づき、徒歩で駐車場へ引き返すべく市道を横断する途中、市道を走ってきた軽自動車にはねられ負傷した場合、通勤災害と認められる(マイカー通勤者が車のライトの消し忘れなどに気づき駐車場に引き返すことは一般にあり得ることであって、通勤とかけ離れた行為でなく、この場合、いったん事業場構内に入った後であっても、まだ、時間の経過もほとんどないことなどから通勤による災害として取り扱うため)。
  • 派遣労働者に係る通勤災害の認定に当たっては、派遣元事業主又は派遣先事業主の指揮命令により業務を開始し、又は終了する場所が「就業の場所」となるため、派遣労働者の住居と派遣元事業場又は派遣先事業場との間の往復の行為は、一般に「通勤」となる
  • 通勤としての移動の経路を逸脱し、又は移動を中断した場合における逸脱又は中断の間及びその後の移動は、原則として通勤に該当しない
  • 通勤としての移動の経路を逸脱し、又は移動を中断した場合でも、その逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむをえない事由により行うための最小限度のものであるときは、その逸脱又は中断の間を除き(「当該逸脱又は中断の間も含め」ではない、その後の移動は、通勤に該当する
  • 腰痛の治療のため、帰宅途中に病院に寄った労働者が転倒して負傷した。病院はいつも利用している駅から自宅とは反対方向にあり、負傷した場所はその病院から駅に向かう途中の路上であった。この場合は、通勤災害と認められない逸脱の間(病院→駅)に生じた負傷であるため)。
  • 日常生活上必要な行為として、同法施行規則第8条が定めるものに、「経路の近くにある公衆トイレを使用する行為」は含まれない(当該行為は「ささいな行為」に該当するため)。
  • 日常生活上必要な行為として、同法施行規則第8条が定めるものに、「帰途で惣菜等を購入する行為」は含まれる日用品の購入に該当する)。
  • 日常生活上必要な行為として、同法施行規則第8条が定めるものに、「職業能力開発校で職業訓練を受ける行為」は含まれる
  • 日常生活上必要な行為として、同法施行規則第8条が定めるものに、「はり師による施術を受ける行為」は含まれる(病院又は診療所において診察又は治療を受けることその他これに準ずる行為に該当する)。
  • 日常生活上必要な行為として、同法施行規則第8条が定めるものに、「要介護状態にある兄弟姉妹の介護を継続的に又は反復して行う行為」は含まれる(要介護状態にある配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹並びに配偶者の父母の介護継続的に又は反復して行われるものに限る。)に該当する)。
  • 会社からの退勤の途中で美容院に立ち寄った場合、髪のセットを終えて直ちに合理的な経路に復した後は通勤に該当する(会社からの退勤の途中で美容院に立ち寄る行為は、「日常生活上必要な行為(日用品の購入その他これに準ずる行為)」に該当するため)。
  • 従業員が業務終了後に通勤経路の駅に近い自動車教習所で教習を受けて駅から自宅に帰る途中で交通事故に遭い負傷した。この従業員の勤める会社では、従業員が免許取得のため自動車教習所に通う場合、奨励金として費用の一部を負担している。この場合は、通勤災害と認められない(「日常生活上必要な行為」にかかる則8条2号の「「これらに準ずる教育訓練であつて職業能力の開発向上に資するものを受ける行為」に「茶道、華道等の課程又は自動車教習所若しくはいわゆる予備校の課程」は該当しないため)。
  • 会社からの退勤の途中に、定期的に病院で比較的長時間の人工透析を受ける場合も、終了して直ちに合理的経路に復した後については、通勤に該当する(「病院又は診療所において診察又は治療を受けることその他これに準ずる行為」には「病院又は診療所において通常の医療を受ける行為に限らず、人工透析など比較的長時間を要する医療を受けることも含むため)。
  • 女性労働者が一週間に数回、やむを得ない事情により、就業の場所からの帰宅途中に最小限の時間、要介護状態にある夫の父を介護するために夫の父の家に立ち寄っている場合に、介護終了後、合理的な経路に復した後は、再び通勤に該当する(要介護状態にある配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹並びに配偶者の父母の介護継続的に又は反復して行われるものに限る。)に該当するため)。
  • 通常深夜まで働いている男性労働者が、半年ぶりの定時退社の日に、就業の場所からの帰宅途中に、ふだんの通勤経路を外れ、要介護状態にある義父を見舞うために義父の家に立ち寄り、一日の介護を終えた妻とともに帰宅の途につき、ふだんの通勤経路に復した後は、通勤に該当しない継続的に又は反復して行われる介護に当たらないため)。

  • 通勤による疾病とは、厚生労働省令で定める疾病(通勤による負傷に起因する疾病その他通勤に起因することの明らかな疾病)をいう(「通勤途上で生じた疾病」ではない)。
  • 通勤による疾病は、通勤による負傷に起因する疾病その他通勤に起因することの明らかな疾病とされている(「具体的範囲を厚生労働大臣が告示で定めている」わけではない)。
  • 業務上の事由による疾病として療養補償給付の対象となる疾病の範囲は、厚生労働省令(労働基準法施行規則別表第1の2)で定められているが、通勤による疾病として療養給付の対象となる疾病の範囲は、この厚生労働省令の規定は準用されていない
  • 長年営業に従事している労働者が、通常通りの時刻に通常通りの経路を徒歩で勤務先に向かっている途中に突然倒れ、急性心不全で死亡した場合、通勤災害と認められない通勤による疾病とは、通勤による負傷又は通勤に関連ある諸種の状態(突発的又は異常なできごと等)が原因となって発病したことが医学的に明らかに認められるものをいうが、労働者の通勤途中に発生した急性心不全による死亡については、特に発病の原因となるような通勤による負傷又は通勤に関連する突発的なできごと等が認められないことから通勤に通常伴う危険が具体化したもの」とは認められないため)。

以上、今回の問題でした。

毎日判例

シンガー・ソーイング・メシーン事件(昭和48年1月19日)

退職に際し、「会社に対していかなる性質の請求権をも有しないことを確認する」旨の書面に署名して会社に差し入れた者が、退職金を請求したことに関連して、賃金にあたる退職金債権の放棄の効力が争われた事例。
賃金にあたる退職金債権放棄の意思表示は、それが労働者の自由な意思に基づくものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、有効であるとされた。

「右事実関係によれば、本件退職金は、就業規則においてその支給条件が予め明確に規定され、被上告会社が当然にその支払義務を負うものというべきであるから、労働基準法一一条の「労働の対償」としての賃金に該当し、したがつて、その支払については、同法二四条一項本文の定めるいわゆる全額払の原則が適用されるものと解するのが相当である。しかし、右全額払の原則の趣旨とするところは、使用者が一方的に賃金を控除することを禁止し、もつて労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済生活をおびやかすことのないようにしてその保護をはかろうとするものというべきであるから、本件のように、労働者たる上告人が退職に際しみずから賃金に該当する本件退職金債権を放棄する旨の意思表示をした場合に、右全額払の原則が右意思表示の効力を否定する趣旨のものであるとまで解することはできない。」

「もつとも、右全額払の原則の趣旨とするところなどに鑑みれば、右意思表示の効力を肯定するには、それが上告人の自由な意思に基づくものであることが明確でなければならないものと解すべきであるが、原審の確定するところによれば、上告人は、退職前被上告会社の西日本における総責任者の地位にあつたものであり、しかも、被上告会社には、上告人が退職後直ちに被上告会社の一部門と競争関係にある他の会社に就職することが判明しており、さらに、被上告会社は、上告人の在職中における上告人およびその部下の旅費等経費の使用につき書面上つじつまの合わない点から幾多の疑惑をいだいていたので、右疑惑にかかる損害の一部を填補する趣旨で、被上告会社が上告人に対し原判示の書面に署名を求めたところ、これに応じて、上告人が右書面に署名した、というのであり、右認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし首肯しうるところ、右事実関係に表われた諸事情に照らすと、右意思表示が上告人の自由な意思に基づくものであると認めるに足る合理的な理由が客観的に存在していたものということができるから、右意思表示の効力は、これを肯定して差支えないというべきである。 」

過去の選択式問題の正解率別・項目別カテゴリー

過去の選択式問題の正解率別・項目別カテゴリーはこちら。
特に、正解率51%~75%、76%~100%の問題は、他の受験生の方も取れる論点となりますので、マスターしたいところです。

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【今日の一言】

~勉強していないと勉強できなくなる~

勉強も体力と同じで、使っていないと鈍ってくる。
「学生のとき以来、久々の勉強だ~」と思っても、当初は、理解力、記憶力、集中力もついてこない。
しかし、これも体力と同じで、使っていれば、勉強する力も回復する。
徐々に勉強体力を回復させよう。

そして、一度、勉強体力を身に付けると、一度手にしたものを失いたくないという人間の本能で、(資格の勉強に限らず)何かしら学び続けるという勉強無限ループから抜け出せなくなるのである…

執筆/資格の大原 社会保険労務士講座

金沢 博憲金沢 博憲

時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
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