皆様こんにちは。
資格の大原 社会保険労務士試験対策講座の金沢です。
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選択式問題を解く際のポイントは次の通りです。
①問題文を見て解答となる語句や数字を思い出す※いきなり語群をみない
②思い出した語句や数字を語群から探す
③ダミーの選択肢と相対評価して解答を確定する
④思い出せなかった場合でも、どういう性質のカテゴリー(行政機関名、給付名称、給付率、届出期限など)かを思い出した上で、語群から探す。選ぶ際も自分なりの根拠を持って選ぶ。
このポイントを意識することで、選択式対応力が上がっていきます。
それでは、今回のお題はこちらです。
地方最低賃金審議会(正解率78%)
問題
最低賃金法。
地方最低賃金審議会にあっては、都道府県労働局長の諮問に応じて、最低賃金に関する重要事項を調査審議し、及びこれに関し必要と認める事項を都道府県労働局長に【?】ことができる。
A 建議する
B 指示する
C 伝達する
D 報告する
「択一の合格点をとる」とは、「とれる問題をとる」ということ。
「とれる問題」とは、試験の見直しで「あ~なんでこれ間違えたかな~」となる問題。
「とれる問題」をとれるようになるには、普段の問題演習での思考プロセスが大事。
解答・解説
「A 建議する」。
地域別最低賃金については、中央最低賃金審議会から示される引上げ額の目安を参考にしながら、地方最低賃金審議会での地域の実情を踏まえた審議・答申を得た後、都道府県労働局長により決定される。
地方最低賃金審議会は、都道府県労働局に置かれ、都道府県労働局長に対する答申・建議機能をもつ。
・答申→諮問に対する意見を述べる≒聞かれたことに答える
・建議→意見を申し立てる≒聞かれていないことをいう。
本問は平成20年労一出題論点。
最低賃金法は、平成20年、24年と周期的に出題がある。
リピート出題に注意。
- 最低賃金法第3条において、「最低賃金額(最低賃金において定める賃金の額をいう。)は、時間(又は日×)によつて定めるものとする。」と定められている。
- 最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度である。仮に最低賃金額より低い賃金を労働者、使用者双方の合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとされる。したがって、最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはならない。また、地域別最低賃金額以上の賃金を支払わない場合については、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められており、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金を支払わない場合については、労働基準法の罰則(30万円以下の罰金)が科せられる。
- 最低賃金法に達しない(定める×)最低賃金には、都道府県ごとに定められる地域別最低賃金と、特定の産業について定められる特定最低賃金があり、これらに達しない労働契約の部分は無効となり、最低賃金と同様の定めをしたものとみなされるが、同法違反には罰則は定められていない。
- 一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの場合に、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭めるおそれなどがあるため、精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者、試の使用期間中の者等については、使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として個別に最低賃金の減額の特例が認められている。
- 最低賃金法第9条第2項において、「地域別最低賃金は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力(企業収益×)を考慮して定められなければならない。」とされ、同条第3項において、「労働者の生計費を考慮するに当たっては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする。」と定められている。
- 労働者派遣法第44条第1項に規定する派遣中の労働者については、平成21年4月1日以降に派遣する場合、最低賃金法第13条の規定により、当該派遣先(派遣元×)の事業の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金が適用される。
- 労働者派遣法第44条第1項に規定する「派遣中の労働者」に対しては、賃金を支払うのは派遣元であるが、当該労働者の地域別最低賃金については、派遣先の事業の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金において定める最低賃金額が適用される。
- 最低賃金法第34条において、監督機関に対する申告が規定されており、同条第1項において「労働者は、事業場にこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実があるときは、その事実を都道府県労働局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官(公共職業安定所長×)に申告して是正のため適当な措置をとるように求めることができる。」と定められ、同条第2項において「使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。」と定められ、最低賃金法第39条において、最低賃金法第34条第2項の規定に違反した者に対する罰則が定められている。
- 最低賃金法第8条は、「最低賃金の適用を受ける使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該最低賃金の概要を、常時作業場の見やすい場所に掲示し、又はその他の方法で、労働者に周知させるための措置をとらなければならない。」と定めている。
- 最低賃金法第8条において、「最低賃金の適用を受ける使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該最低賃金の概要を、常時作業場の見やすい場所に掲示し、又はその他の方法で、労働者に周知させるための措置をとらなければならない。」と周知が義務化されており、法第41条第1号において、最低賃金法第8条に違反した者(地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃金に係るものに限る。)に対する罰則が定められている。
以上、今回の問題でした。
毎日判例
三菱重工長崎造船所事件(昭和56年9月18日)
ストライキ期間中の家族手当の削減が違法とはいえないとされた事例。
(概要)
造船所に勤務する従業員が組合員として所属するA労働組合が7月及び8月の両月にわたって行ったストライキに際して、会社は、従業員らに対して、各ストライキ期間に応じた家族手当を所定の賃金支払日に支払わず、削減した。
この家族手当は、会社の就業規則により、扶養家族数に応じて毎月支給されていたものである。
造船所においては、昭和23年頃から昭和44年まで、就業規則に、ストライキ期間中、その期間に応じて家族手当を含む時間割賃金を削減する旨の規定を置き、規定に基づいてストライキ期間に応じた家族手当の削減をしてきた。
そして会社は昭和44年に家族手当削減の規定を削除し、その頃作成した社員賃金規則細部取扱(細部取扱)のなかに同様の規定を設けたが、この作成に当たって、会社従業員の過半数で組織されたB労働組合の了承を取りつけた模様である。(なお、A労組は、この当時は存在しなかった。)
会社は、この改正後も、家族手当が廃止され、有扶手当が新設されるまで、従来どおり、ストライキの場合の家族手当の削減を継続してきた。
A労組は、会社に対し、家族手当削減分の返済を申入れた。
(要旨)
ストライキ時の家族手当削減が、長年就業規則や運用細則に基づき異議なく継続されてきた場合、それは労使間の労働慣行として成立しているとみなされるので、この慣行に従って行われたストライキ期間中の手当削減は、違法ではない。
(判決文)
「原審は、以上のような事実を認定しながら、家族手当の削減が労働慣行として成立し、それがすでに被上告人らとの労働契約の内容となつているものとは認めえないとし、本件の場合に家族手当を削減することは、労働基準法三七条二項及び本件賃金規則二五条の規定の趣旨に照らしても著しく不合理であるから、このような不合理な労働条件は、たとえ会社側が一方的に家族手当の削減を継続してきた事実があつても、これによつて適法かつ有効な事実上の慣行として是認することはできない、と判断している。」
「しかしながら、原審の認定した事実関係によれば、上告会社の造船所においては、ストライキの場合における家族手当の削減が昭和23年頃から昭和44年10月までは就業規則(賃金規則)の規定に基づいて実施されており、その取扱いは、同年11月賃金規則から右規定が削除されてからも、細部取扱のうちに定められ、上告会社従業員の過半数で組織されたB労働組合の意見を徴しており、その後も同様の取扱いが引続き異議なく行われてきたというのであるから、ストライキの場合における家族手当の削減は、上告会社と被上告人らの所属するE労組との間の労働慣行となつていたものと推認することができるというべきである。また、右労働慣行は、家族手当を割増賃金の基礎となる賃金に算入しないと定めた労働基準法37条2項及び本件賃金規則25条の趣旨に照らして著しく不合理であると認めることもできない。これと異なる見解に立つて本件家族手当の削減を違法とした原判決は、法令の解釈適用を誤つたものというべきであつて、右違法は判決の結論に影響を及ぼすことが明らかであるから、論旨は理由があり、原判決は、その余の点につき判断するまでもなく破棄を免れず、更にこれと同旨の第一審判決は取消を免れない。」
過去の選択式問題の正解率別・項目別カテゴリー
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特に、正解率51%~75%、76%~100%の問題は、他の受験生の方も取れる論点となりますので、マスターしたいところです。
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【今日の一言】
記憶を長持ちさせる方法といえば
①関連付け
②思い出し
③間隔を空けて反復
自分自身も、なにか新しいことを覚えるときは、関連付けで覚えて、翌日に思い出してみる。
それで思い出せればとりあえずOK。
思い出せなかったときは別の関連付けを考えてみて、さらに翌日試す。
執筆/資格の大原 社会保険労務士講座
金沢 博憲 「時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
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