2016年9月。
新しい映像コンテンツの構想が浮上した。
仮の名称を決める際、開発担当者の頭に浮かんだのはたった一つだけであった。
「社労士24」
会議参加者の間に戸惑いが広がった。
「コンセプトが伝わる商品名だ」 「ご多忙の方のお役に立てるだろう」 「そんな商品名は聞いたことがない」 「そもそも24時間で終わらせることができるのか」
様々な意見が出尽くし、静寂が場を支配したとき決裁権者の口が開いた。 一言だけ発した。
「開発を進めてください。」
開発推進が決まったその夜、コンテンツの構想を練る中で、開発担当は「あの方」のことを思い出していた。
「あの方」とは数年前の受験生の方。
合格目前にありながら時間の制約によって学習を断念せざるを得なかった方。
「そのような方に合格していただきたい」という想いが、構想の礎になっていた。
(続く)