皆様こんにちは。
資格の大原 社会保険労務士試験対策講座の金沢です。

Twitterで選択対策」のバックナンバー版ブログで選択対策」の配信です。

選択式問題を解く際のポイントは次の通りです。

解く際のポイントテキストが入ります。

①問題文を見て解答となる語句や数字を思い出す※いきなり語群をみない
②思い出した語句や数字を語群から探す
③ダミーの選択肢と相対評価して解答を確定する
④思い出せなかった場合でも、どういう性質のカテゴリー(行政機関名、給付名称、給付率、届出期限など)かを思い出した上で、語群から探す。選ぶ際も自分なりの根拠を持って選ぶ。

このポイントを意識することで、選択式対応力が上がっていきます。

それでは、今回のお題はこちらです。

面接指導に係る産業医の職務(正解率71%)

問題

産業医は、長時間労働に係る面接指導の要件に該当する労働者に対して、面接指導を受ける旨の申出を行うよう【?】することができる。

A 勧奨
B 勧告
C 指示
D 指導 

ついでに見たい

本試験選択式の判例問題は、6年連続、こちらのまとめサイトに掲載されている判例から出題されています。

解答・解説

”正解はここをクリック”

A 勧奨」。

助言・指導→勧告→指示→命令」は「たしなめ」系列。
違法性に連動。
助言・指導<勧告<指示<命令の順に強制力(たしなめる力)も強くなる。

台風接近時に、避難勧告(現在は廃止)、避難指示などが出される。 まず勧告、さらに危険性が高まると指示が発令。
より強制力が強まる。

一方、「勧奨」は「おすすめ」系列。
面接指導を受けるかどうかは労働者の自由→受けることをたしなめることはできない。
よって「勧奨」。

産業医は、権力者に強い。
・行政機関に何も言わせない。
・事業者や総括安全衛生管理者に勧告できる。

一方、労働者(勧奨)や衛生管理者(助言指導)には優しい。

関連論点
  • 労働安全衛生法第66条の8に定める「医師による面接指導」等に関し、産業医の選任義務のない常時50人未満の労働者を使用する事業場の事業者であっても労働安全衛生法第66条の8の適用がある
  • 事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり80時間60時間×)を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者であって、法定の除外事由に該当しないものに対し、労働安全衛生規則で定めるところにより、医師による面接指導を行わなければならない。
  • 派遣就業のために派遣され就業している労働者に対して労働安全衛生法第66条の8第1項に基づき行う医師による面接指導については、派遣元派遣先×)事業場の事業者にその実施義務が課せられている。
  • 面接指導の対象となる労働者が、事業者の指定した医師が行う面接指導を受けることを希望しない場合において、他の医師の行う法定の面接指導に相当する面接指導を受けその結果を証明する書面を事業者に提出した場合においては、事業者が行う面接指導を受ける必要はない
  • 労働安全衛生法第66条の8に定める「医師による面接指導」等に関し、事業者は、面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを5年間3年間×)保存しなければならない。また、当該記録は、労働安全衛生規則第52条の5に定める事項のほか、当該労働者の健康を保持するために必要な措置についての医師の意見を記載したものでなければならない。
  • 労働安全衛生法第66条の8に定める「医師による面接指導」等に関し、事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師の意見を聴かなければならない
  • 事業者は、面接指導の結果に基づく医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法第7条第1項に規定する労働時間等設定改善委員会をいう。)への報告その他の適切な措置を講じなければならない。
  • 労働安全衛生法第66条の8第1項に規定するいわゆる長時間労働者に対する面接指導に関し、産業医は、所定の要件に該当する労働者に対して、面接指導の申出を行うよう勧奨することができる。
  • 労働安全衛生法第66条の8に定める「医師による面接指導」等に関し、事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者に対しては、本人の申出に基づき「本人の申し出の有無にかかわらず」ではない)、面接指導を実施しなければならない。
  • 事業者は、研究開発に係る業務に従事する労働者については、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり100時間80時間×)を超えた場合は、労働者からの申出の有無にかかわらず面接指導を行わなければならない。
  • 労働安全衛生法第66条の8の2において、新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務に従事する者(労働基準法第41条各号に掲げる者及び労働安全衛生法第66条の8の4第1項に規定する者を除く。)に対して事業者が医師による面接指導を行わなければならないとされている労働時間に関する要件は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が一月当たり100時間を超える者とされている。
  • 事業者は、労働基準法第41条の2第1項の規定により労働する労働者(いわゆる高度プロフェッショナル制度により労働する労働者)については、その健康管理時間(同項第3号に規定する健康管理時間をいう。)が1週間当たり40時間を超えた場合におけるその超えた時間が1月当たり100時間を超えるものに対し、労働者からの申出の有無にかかわらず医師による面接指導を行わなければならない。
  • 面接指導の費用については、法で事業者に面接指導の実施の義務を課している以上、当然、事業者が負担すべきものである。面接指導を受けるのに要した時間に係る賃金の支払いについては、当然には事業者の負担すべきものではなく、労使協議して定めるべきものであるが、労働者の健康の確保は、事業の円滑な運営の不可欠な条件であることを考えると、面接指導を受けるのに要した時間の賃金を事業者が支払うことが望ましい
  • 時間外・休日労働時間が1月当たり100時間を超えた研究開発業務従事者に対する面接指導について、面接指導の費用は、法において、事業者に当該面接指導の実施の義務を課している以上、当然、事業者が負担する必要がある。また、当該面接指導については、事業者がその事業の遂行に当たり、当然実施されなければならない性格のものであり、所定労働時間内に行われる必要がある。さらに、当該面接指導を受けるのに要した時間に係る賃金の支払いについては、面接指導の実施に要する時間は労働時間と解されるので、当該面接指導が時間外に行われた場合には、当然、割増賃金を支払う必要がある

以上、今回の問題でした。

毎日判例

水道機工事件(昭和60年3月7日)

従業員(上告人)の外勤・出張拒否闘争に対し会社(被上告人)が賃金の全額をカットしたため、従業員が内勤業務に従事したことを理由に賃金の支払を求めたことに対し、会社が賃金の支払義務を負わないとされた事例

原審は、右事実関係に基づき、本件業務命令は、組合の争議行為を否定するような性質のものではないし、従来の慣行を無視したものとして信義則に反するというものでもなく、上告人らが、本件業務命令によって指定された時間その指定された出張・外勤業務に従事せず内勤業務に従事したことは、債務の本旨に従った労務の提供をしたものとはいえず、また、被上告人は、本件業務命令を事前に発したことにより、その指定した時間については出張・外勤以外の労務の受領をあらかじめ拒絶したものと解すべきであるから、上告人らが提供した内勤業務についての労務を受領したものとはいえず、したがって、被上告人は、上告人らに対し右の時間に対応する賃金の支払義務を負うものではないと判断している。原審の右判断は、前記事実関係に照らし正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。右違法のあることを前提とする所論違憲の主張は、その前提を欠く。論旨は、採用することができない。

 

メールマガジン募集中

メルマガでもお役に立つ「選択式対策」「法改正情報」「統計情報」「学習方法」などのコンテンツを無料配信しています。
ぜひご登録ください。メールアドレス以外の個人情報は不要です。

メルマガに登録いただくと、#Twitterで選択対策で出題して選択式問題についても、おおむね2週間後に、同じ問題がメール配信されます。
ちょうど忘れかけのタイミングで届きます(笑)
忘却曲線を意識した反復学習にお役立てください。

⚠返信完了メールが届かない場合、「迷惑メールフォルダ」に振り分けられている可能性があります。
ご面倒及び迷惑をおかけしますが、探してみてください。

【今日の一言】

科目が増えていくと、「知識が混ざって大変だ…」となるが、一方で、既存知識の類推でコストゼロで押さえられることも増えてきて、大変なことばかりでもない。
「ここは同じ」 「ここは違う」 という意識を持つことが重要だ。

執筆/資格の大原 社会保険労務士講座

金沢 博憲金沢 博憲

時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
Twitterもやっています。

↓ランキングに参加しています。↓

にほんブログ村 資格ブログ 社労士試験へ