みなさん、こんにちは。
今回は協会けんぽのインセンティブ制度についてご紹介します。
改正の趣旨
改正政令関係
全国健康保険協会(以下「協会」という。)が管掌する健康保険の保険料率の算定方法について、健康づくりを促すためのインセンティブ制度を設けるべく、協会の保険料率の算定方法に関して見直しを行うもの。
改正省令関係
協会の保険料率の算定方法等に関して健康保険法施行令(大正15年勅令第243号。以下「健保令」という。)が見直されることを踏まえ、健康保険法施行規則(大正15年内務省令第36号。以下「健保則」という。)について所要の改正を行うもの。
改正政令の主な内容
健保令の一部改正関係
協会の保険料率の算定方法において、インセンティブ制度の財源として支部被保険者の総報酬額に0.01%を乗じて得た額を設定するとともに、特定健康診査や特定保健指導の実施状況といった被保険者等の健康の保持増進及び医療費適正化に係る支部毎の取組の状況に応じて当該財源から分配される額を保険料率に反映させるため、規定の整備を行うこととする。
施行期日等
改正政令は、平成31年4月1日から施行すること。
ただし、平成32年2月以前に用いられる都道府県単位保険料率(健康保険法第160条第2項に規定する都道府県単位保険料率をいう。以下同じ。)の算定については、なお従前の例によることとすること。
なお、制度導入に伴う激変緩和措置として、3年をかけて段階的に導入することとし、具体的には、次の通りとすること。
・平成30年度の評価:支部被保険者の総報酬額に0.004%を乗じた額
・平成31年度の評価:支部被保険者の総報酬額に0.007%を乗じた額
・平成32年度の評価:支部被保険者の総報酬額に0.01%を乗じた額
改正省令の主な内容
健保則の一部改正関係
改正後の健康保険法施行令により、新たに、厚生労働省令で定めるところにより算定される報奨金の額が都道府県単位保険料率の計算要素となることが予定されているところ、当該報奨金の額について、次に掲げる指標を用いて得た数値を基に算定する額とすること。
①特定健康診査等の実施率
②特定保健指導の実施率
③特定保健指導対象者の減少率
④医療機関への受診勧奨を受けた要治療者の医療機関受診率
⑤後発医薬品の使用割合
※上記①から⑤までを得点として計算し、総得点に応じて報奨金を算定することとすること。
施行期日等
改正省令は、平成31年4月1日から施行すること。
ただし、平成32年2月以前に用いられる都道府県単位保険料率の算定については、なお従前の例によることとすること。
なお、制度導入に伴う激変緩和措置として、3年をかけて段階的に導入することとし、具体的には、次の通りとすること。
・平成30年度の評価:支部被保険者の総報酬額に0.004%を乗じた額
・平成31年度の評価:支部被保険者の総報酬額に0.007%を乗じた額
・平成32年度の評価:支部被保険者の総報酬額に0.01%を乗じた額第
その他
高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号)に基づく後期高齢者支援金について、現在、協会は、特定健診・保健指導の実施率を踏まえた加算・減算制度の適用対象の保険者となっている。
今般の改正により、協会への新たなインセンティブ制度が平成32年度の保険料率から適用されるため、後期高齢者支援金の加算・減算制度について、協会は、平成32年度の確定後期高齢者支援金より適用対象の保険者から外すこととしている。
なお、このための政省令の改正は、平成32年4月1日に施行されるものであり、平成30年度中を目途に公布することを予定している。
執筆/資格の大原 社会保険労務士講座
「時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格(旧上級)コース」を担当致しております。
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