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労働者災害補償保険法施行規則の改正案です。

1 介護(補償)給付等の最高限度額・最低保障額の見直し

業務上の事由又は通勤災害により一定の障害を負って介護を要する状態になった場合、介護に要した費用について介護(補償)給付等を支給している。

介護(補償)給付等については、例年、最高限度額については、特別養護老人ホームの介護職員の平均基本給を、最低保障額については最低賃金の全国加重平均額を参考に見直しており、今年度も同様の方法で見直しを行うこととする。

  最高限度額 最低保障額
常時介護を要する者 166,950 円(165,150円) 72,990 円(70,790円)
随時介護を要する者  83,480 円(82,580円) 36,500 円(35,400円)

※( )内は現行額

2 障害(補償)年金及び傷病(補償)年金の定期報告等の見直し

国民負担の軽減の観点から、以下の見直しを実施する。

(1)障害補償年金、傷病補償年金等の定期報告の見直し

障害補償年金等の受給者については、生存(転居)確認や厚生年金等受給関係を明らかにするために年一回定期報告を求めている。
これらの情報について、日本年金機構等とのマイナンバー情報連携により把握が可能な者については、定期報告を求めないこととする。

(2)添付書類の見直し

傷病補償年金及び傷病年金については、現在、障害の状態の変化や治ゆの状況を把握するため、定期報告に医師の診断書を添付させている。

これらの情報については、レセプト審査(医療機関から毎月提出される、診療費請求内訳書(レセプト)に記載された診療内容等について、労働局が行う審査)によって把握することが可能であるため、(1)の見直しの後、なお定期報告を求める場合であっても、医師の診断書の添付を不要とすることとする。

3 時間外労働等改善助成金の見直し

(1) 事業名の変更

中小企業事業主が働き方改革を円滑に行うことを支援する助成金であることを明確化するため、その名称を「働き方改革推進支援助成金」と変更することとする。

(2) 助成対象の拡充等

新たに「労働時間短縮・年休促進支援コース」を設けることとするため、労災保険法施行規則第 28 条第1号イ(2)(ⅱ)中「所定外労働の削減のための措置」を「労働時間の短縮のための措置」に改めるとともに、支給要件に合わせて所要の措置を講ずる。

4 前払一時金等の見直し

労災年金の受給者が前払一時金を選択した場合、前払一時金を選択しなければ定期的に支給されていた年金額(ただし、年5%の利率で割り引いたもの。)が当該前払一時金の額に届くまで、年金の支給を停止している。

今般、平成29年の民法改正により、法定利率が年5%から年3%となること、今後も法定利率が変更されることがあり得ることから、当該割り引く利率を「5%」から「算定事由発生日の法定利率」とすることとする。

5 統計数値の変更に伴う追加給付に係る規定の整備

昨年、大阪府及び奈良県の統計調査員の不正が発覚し、毎月勤労統計調査の統計数値が変更され、労災年金について追加給付を行う必要が生じた。

これに伴い、当該追加給付について、メリット収支率に影響させない等の所要の規定の整備を行うこととする。

6 社会復帰促進等事業の根拠規定の明記

社会復帰促進等事業のうち、通達のみで事業内容を定めているもののうち、処分性を有する事業(以下の①~⑫)について、労災保険法施行規則に根拠規定を明記することとする。

① 義肢等補装具費の支給

身体に障害を残す者に義肢等補装具の購入等に要した費用を支給し、身体上の機能を補完させるもの。

② 外科後処置の実施

義肢装着のための断端部の再手術、醜状の軽減のための再手術等を必要とする者等に対し、所要の処置を行うもの。

③ 労災はり・きゅう施術特別援護措置の実施

頭頸部外傷症候群等にり患し、治ゆ後においても疼痛、しびれ、麻痺等の障害を残す者に対し、はり・きゅう施術を行い、これらの症状を対症療法的に軽減させるもの。

④ アフターケアの実施

特定の傷病にり患し、治ゆ後においても後遺症状の動揺や併発疾病の発症のおそれがある者に対し、診察等保健上の措置を行うもの。

⑤ アフターケア通院費の支給

アフターケア対象者の経済的負担を軽減するために、アフターケアの通院に要する費用を支給するもの。

⑥ 振動障害者社会復帰援護金の支給

振動障害にり患し、治ゆした者に対する社会復帰のための援護金を支給するもの。

⑦ 頭頸部外傷性症候群等に対する職能回復援護の支給

頭頸部外傷症候群等にり患し、治ゆ後においても精神又は神経に障害を残す者に対し、職業適応能力の回復を援護するための措置を行うもの。

⑧ 労災就学援護費の支給

被災労働者の遺族や、重度障害や長期療養の必要がある被災労働者のうち、その子供等に係る学資等の支弁が困難であると認められるものに対して援護金を支給するもの。

⑨ 労災就労保育援護費の支給

被災労働者の遺族や、重度障害や長期療養の必要がある被災労働者又はその家族のうち、就労のために子供の保育の必要が認められるものに対して援護金を支給するもの。

⑩ 休業補償特別援護金の支給

事業場が廃止されている等の理由で使用者による第3日目までの休業補償が受けられない者に対して、当該休業補償に相当する額の援護金を支給するもの。

⑪ 長期家族介護者援護金の支給

要介護状態の重度被災労働者が業務外の事由により死亡した場合に遺族の生活の激変緩和を図るため、援護金を支給するもの。

⑫ 労災療養援護金の支給

労災保険制度に打切補償制度が存在した時期に打切補償費の支給を受けたために保険給付を受けられない被災労働者の療養に係る費用を支給するもの。

7 施行期日

1、3、4、6:令和2年4月1日

2、5 :公布日

労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料

 

執筆/資格の大原 社会保険労務士講座

金沢 博憲金沢 博憲

時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
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