社会保険労務士試験合格を目指す皆様、こんにちは。
社労士24担当講師の金沢です。

金沢 博憲金沢 博憲

法改正の最新情報はTwitterでも随時配信します。宜しければフォローしてください。ハッシュタグは「#法改正24」

この記事では、2024年社労士試験向けの法改正につき、その最新一覧をご紹介します。
現時点で分かっている主要改正点を掲載しています。

今後随時加筆していきます。

なお、過去の改正もよくでます。要チェックです。

2023年

2018年

 

いつまでの改正が試験の対象になる?

令和6年の試験対象になる法改正は、(例年ベースなら)令和6年4月12日(金)時点で施行されているものです。
 
同日後に施行される改正は、令和6年の試験対象になりません。

労働基準法

時間外労働の上限規制と適用猶予事業・業務について

働き方改革の一環として、労働基準法が改正され、時間外労働の上限が法律に規定され、2019年4月(中小企業は2020年4月)から適用されている。

一方で、以下の事業・業務(適用猶予事業・業務)については、長時間労働の背景に、業務の特性や取引慣行の課題があることから、時間外労働の上限について適用が5年間猶予されていた。

【適用猶予事業・業務】
・工作物の建設の事業
・自動車運転の業務
・医業に従事する医師
・鹿児島県及び沖縄県における砂糖を製造する事業

猶予期間終了後の取扱いは次の通り。

工作物の建設の事業

災害時における復旧及び復興の事業を除き、上限規制がすべて適用される。
災害時における復旧及び復興の事業には、時間外労働と休日労働の合計について、月100時間未満、2~6ヶ月平均80時間以内とする規制は適用されない。

自動車運転の業務

特別条項付き36協定を締結する場合の年間の時間外労働の上限が年960時間となる。
時間外労働と休日労働の合計について、月100時間未満、2~6ヶ月平均80時間以内とする規制が適用されない。
時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6ヶ月までとする規制は適用されない。

医業に従事する医師

特別条項付き36協定を締結する場合の年間の時間外・休日労働の上限が最大1860時間となる。
時間外労働と休日労働の合計について、月100時間未満、2~6ヶ月平均80時間以内とする規制が適用されない。
時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6ヶ月までとする規制は適用されない。
医療法等に追加的健康確保措置に関する定めがある。

鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業

上限規制がすべて適用される。
※猶予期間中も、時間外労働と休日労働の合計について、月100時間未満、2~6ヶ月平均80時間以内とする規制以外は適用される。

厚労省サイト

労働条件の明示ルールの見直し

労働条件明示のルールが改正されて無期転換ルール及び労働契約関係の明確化が必要となる。

全ての労働契約の締結と有期労働契約の更新のタイミングごとに、「雇い入れ直後」の就業場所・業務の内容に加え、これらの「変更の範囲」についても明示が必要になる。

新しく追加される明示事項は次の通り、

全ての労働契約の締結時と有期労働契約の更新時

就業場所・業務の変更の範囲

有期労働契約の締結時と更新時

更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容(併せて、最初の労働契約の締結より後に更新上限を新設・短縮する場合は、その理由を労働者にあらかじめ説明することが必要になる。)

無期転換ルールに基づく無期転換申込権が発生する契約の更新時

無期転換申込機会・無期転換後の労働条件(併せて、無期転換後の労働条件を決定するに当たって、就業の実態に応じて、正社員等とのバランスを考慮した事項について、有期契約労働者に説明するよう努めなければならないこととなる。)

多様化する労働契約のルールに関する検討会 報告書

 

裁量労働制の見直し

専門業務型裁量労働制の協定事項

専門業務型裁量労働制の協定事項に、次に掲げる事項を追加すること。

⑴ 使用者は、法第 38 条の3第1項の規定により労働者を同項第1号に掲げる業務に就かせたときは同項第2号に掲げる時間労働したものとみなすことについて当該労働者の同意を得なければならないこと及び当該同意をしなかった当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。
⑵ 上記⑴の同意の撤回に関する手続
⑶ 上記⑴の同意及びその撤回に関する労働者ごとの記録を労使協定の有効期間中及び当該有効期間の満了後3年間保存すること。

専門業務型裁量労働制導入事業場における記録の保存義務

則第 24 条の2の2第3項第4号において労使協定で労働者ごとの記録を保存することを定めることとされた事項について、労使協定の有効期間中及びその満了後3年間保存しなければならないことを使用者に求めることとしたものであること。

専門業務型裁量労働制の対象業務の追加

対象業務告示において、銀行又は証券会社における顧客の合併及び買収に関する調査又は分析及びこれに基づく合併及び買収に関する考案及び助言の業務(いわゆる M&A アドバイザーの業務。以下「M&A アドバイザリー業務」という。)を、新たに専門業務型裁量労働制の対象業務に追加したものであること。

企画業務型裁量労働制の決議事項

企画業務型裁量労働制の決議事項に、次に掲げるものを追加すること。
⑴ 法第38条の4第1項第1号に掲げる業務に従事する同項第2号に掲げる労働者の範囲に属する労働者(以下「対象労働者」という。)の法第38条の4第1項第6号の同意の撤回に関する手続
⑵ 使用者は、対象労働者に適用される評価制度及びこれに対応する賃金制度を変更する場合にあっては、労使委員会に対し、当該変更の内容について説明を行うこと。
⑶ 上記⑴の同意の撤回に関する労働者ごとの記録を決議の有効期間中及び当該有効期間の満了後3年間保存すること。 

厚生労働省

企画業務型裁量労働制導入事業場における記録の保存義務

則第 24 条の2の3第3項第4号において決議で労働者ごとの記録を保存することを定めることとされた事項について、決議の有効期間中及びその満了後3年間保存しなければならないことを使用者に求めることとしたものであること。

労使委員会の要件

⑴ 労使委員会における労働者側委員の指名
法第 38 条の4第2項第1号に規定する労使委員会の委員の半数を構成する労働者側委員(以下単に「労働者側委員」という。)の労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数を代表する者による指名は、使用者の意向に基づくものであってはならないことを明確化したものであること。
なお、本改正は、法第 41 条の2に規定する高度プロフェッショナル制度における労使委員会においても準用されるものであること。
⑵ 運営規程の作成
則第 24 条の2の4第4項に定める労使委員会の運営に関する事項に関する規程(以下「運営規程」という。)に定める事項に、次に掲げるものを追加すること。
ア 対象労働者に適用される評価制度及びこれに対応する賃金制度の内容の使用者からの説明に関する事項
イ 制度の趣旨に沿った適正な運用の確保に関する事項
ウ 開催頻度を6箇月以内ごとに1回とすること。

定期報告の起算日の改正について

⑴ 定期報告の起算日

法第 38 条の4第4項に基づく定期報告における報告期間の起算日については、これまで決議が行われた日としていたところ、必ずしも決議が行われた日から企画業務型裁量労働制が適用されるとは限らないことから、決議の有効期間の始期から起算することとしたこと。
なお、本改正は、企画業務型裁量労働制だけでなく、法第 41 条の2に規定する高度プロフェッショナル制度における報告についても同様の改正を行ったものであること。

⑵ 定期報告の頻度

法第38条の4第4項の規定による企画業務型裁量労働制に関する報告については、則第66条の2を削除し、則第 24 条の2の5第1項に規定するとおり、決議の有効期間の始期から起算して6箇月以内に1回、及びその後1年以内ごとに1回、所轄労働基準監督署長にしなければならないものとすること。
なお、定期報告の内容については、労働時間の状況、健康・福祉確保措置の実施状況並びに対象労働者の同意及びその撤回の実施状況について、決議の有効期間内の状況が全て反映されている必要があること。

労働安全衛生法

自律的管理に向けた実施体制の確立

リスクアセスメント対象物を製造・取扱い・譲渡提供する事業者は、【化学物質管理者】の選任が義務化される。
化学物質管理者は、ラベル・SDS等の作成の管理、リスクアセスメント実施等、化学物質の管理に関わるもので、リスクアセスメント対象物に対する対策を適切に進める上で不可欠な職務を管理する者であることから、事業場の労働者数によらず、リスクアセスメント対象物を製造し、又は取り扱う全ての事業場において選任することを義務付けた。

また、リスクアセスメント結果に基づき労働者に保護具を使用させる事業場では、【保護具着用管理責任者】を選任し、有効な保護具の選択、使用状況の管理等に関わる業務に従事させることが義務付けられる。

 

労働者災害補償保険法

精神障害の認定基準の見直し

業務による心理的負荷評価表の見直し

  • 具体的出来事「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」(いわゆるカスタマーハラスメント)を追加
  • 具体的出来事「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事した」を追加
  • 心理的負荷の強度が「強」「中」「弱」となる具体例を拡充(パワーハラスメントの6類型すべての具体例の明記等) 

精神障害の悪化の業務起因性が認められる範囲を見直し

  • 悪化前おおむね6か月以内に「特別な出来事」がない場合でも、「業務による強い心理的負荷」により悪化したときには、悪化した部分について業務起因性を認める

医学意見の収集方法を効率化

  • 専門医3名の合議により決定していた事案を1名の意見で決定できるよう変更

厚労省サイト

障害者雇用促進法

障害者雇用率の段階的引き上げ

障害者雇用率が段階的に引き上げられ、令和6年度は2.5%となる。
これに伴い、対象事業主の範囲は、40人以上に拡大する。

週所定労働時間10時間以上20時間未満で働く重度の身体・知的障害者、精神障害者の算定特例

障害特性により長時間の勤務が困難な障害者の方の雇用機会の拡大を図る観点から、特に短い時間(週所定労働時間が10時間以上20時間未満)で働く重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者の方を雇用した場合、特例的な取扱いとして、実雇用率上、1人をもって0.5人と算定する。
※週10時間以上20時間未満で働く障害者を雇用する事業主に対して支給していた特例給付金は、令和6年4月1日をもって廃止となる。

  • 雇用率の算定の対象となる、特定短時間労働者の労働時間について10時間以上20時間未満とする。
  • 重度身体障害者、重度知的障害者及び精神障害者である特定短時間労働者のカウントについて、1人をもって0.5人とする。

障害者雇用調整金・報奨金の支給方法の見直し

障害者雇用調整金及び報奨金について、事業主が一定数を超えて障害者を雇用する場合、その超過人数分の支給額の調整を行う。
なお、支給額の調整については、令和6年度の実績に基づく、令和7年度の調整金や報奨金の支払いから適用される。

  • 障害者雇用調整金の支給調整について

調整金について、支給対象人数が10人を超える場合には、当該超過人数分への支給額を23,000円(本来の額から6,000円を調整)とする。

  • 報奨金の支給調整について

報奨金について、支給対象人数が35人を超える場合には、当該超過人数分への支給額を16,000円(本来の額から5,000円を調整)とする。

納付金助成金の新設・拡充等

障害者の雇入れ及び雇用継続に対する相談支援等に対応するための助成措置を新設するとともに、今回の制度改正を契機とし、既存の助成金(障害者介助等助成金、職場適応援助者助成金等)の拡充等を行う。

 

 

執筆/資格の大原 社会保険労務士講座

金沢 博憲金沢 博憲

時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
是非Twitterのフォローお願いいたします!

↓ランキングに参加しています。↓

にほんブログ村 資格ブログ 社労士試験へ