【2022年最新版】法改正対策 労働・保険・年金 総まとめ【社労士】

社会保険労務士試験合格を目指す皆様、こんにちは。
社労士24担当講師の金沢です。

金沢 博憲金沢 博憲

法改正の最新情報はTwitterでも随時配信します。宜しければフォローしてください。

今回は、2022年対策向けの法改正につき、その最新一覧をご紹介します。
とりあげず現時点で分かっている主要改正点を掲載しています。

今後随時加筆。

なお、過去の改正もよくでます。要チェックです。

 

労働基準法

民法改正に伴う未成年者の定義の変更

民法改正により、令和4年4月1日から、成年年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられる。
労基法にも、未成年者の労働契約解除権の規定がある。
しかし、18歳で労働契約解除権が喪失することに反対意見があり、今後措置が講じられる可能性もある。

施行期日→令和4年4月1日

労働者災害補償保険法

脳・心臓疾患の労災認定基準の見直し

脳・心臓疾患の労災認定基準については、改正から約20年が経過する中で、働き方の多様化や職場環境の変化が生じていることから、最新の医学的知見を踏まえて、厚生労働省の「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」において検証などを行い、令和3年7月16日に報告書が取りまとめられた。
 
厚生労働省は、この報告書を踏まえて、脳・心臓疾患の労災認定基準を改正したものである。

【認定基準改正のポイント】

  • 長期間の過重業務の評価に当たり、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化
  • 長期間の過重業務、短期間の過重業務の労働時間以外の負荷要因を見直し
  • 短期間の過重業務、異常な出来事の業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化
  • 対象疾病に「重篤な心不全」を追加

施行期日:令和3年9月15日

厚労省サイト

リーフレット

特別加入制度の対象範囲の拡大

特別加入制度の対象範囲に、フードデリバリー配達員及びフリーランスで働くITエンジニアを新たに加える。
申込みは任意。
保険料は本人が負担する。

特別加入団体を通して申し込み手続きを行う。

保険料率は、フードデリバリー配達員が1.2%、ITエンジニアが0.3%。

施行期日:令和3年9月1日

局長通達

雇用保険法

賃金日額・基本手当日額の変更

基本手当日額の算定基礎となる賃金日額の最高額、最低額等について、毎年度の平均給与額の変動に応じて変更するが、これにより変更した最低額が、最低賃金日額(地域別最低賃金の全国加重平均額に20を乗じて7で除して得た額)を下回る場合は、最低賃金日額を最低額とすることとされている。

この規定に基づき、令和3年8月1日以降の賃金日額の最低額については、最低賃金日額となる。
(計算式)
902 円(令和3年4月1日時点での地域別最低賃金の全国加重平均額)×20÷7=2,577円

施行期日→令和3年8月1日

高年齢被保険者の特例

複数の事業主に雇用される65歳以上の労働者について、
・各々の事業場の労働時間が20時間未満
・合算すると20時間以上
という場合、本人の申出に基づき、雇用保険の高年齢被保険者となることができる。
複数の会社で短時間働くシニア層を想定。

施行期日→令和4年4月1日

詳しくはこちら→高年齢被保険者の特例【令和4年1月から】

 

育児休業給付に係る被保険者期間要件の合理化

育児休業開始日を起算点とすると被保険者期間要件を満たさない場合、産前休業開始日等を起算点として算定する。
出産日のタイミングによって受給要件を満たさなくなるケースを解消するための措置。
勤務開始後1年程度で産休に入った者などが対象となる可能性がある。

動画解説(You Tube)はこちら

施行期日→令和3年9月1日

育児・介護休業法

雇用環境整備及び個別の周知・意向確認が義務化

育児休業を取得しやすい環境整備のため

①育児休業を取得しやすい雇用環境整備
②妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置

が企業に義務付けられる。

①は研修や相談窓口の設置等。
②は個別面談や書面による情報提供。「育児休業とるの?ほんと?」といったような伝え方はNG

施行期日→令和4年4月1日

詳しくはこちら→雇用環境整備及び個別の周知・意向確認が義務化

有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和

有期雇用労働者の育児休業及び介護休業の取得要件のうち「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」であることという要件を廃止する。(なお、「1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない」の要件は存置する。)
ただし、労使協定を締結した場合には、無期雇用労働者と同様に、事業主に引き続き雇用された期間が1年未満である労働者を対象から除外することを可能とする。

施行期日→令和4年4月1日

労働施策総合推進法

パワーハラスメントの雇⽤管理上の措置義務が、中小事業主について、令和4年4⽉1⽇から義務化される。(大企業については、令和2年6月1日から義務化されている。)

施行期日:令和4年4月1日

 

女性活躍推進法

一般事業主行動計画の策定義務の対象が拡大

一般事業主行動計画の策定・届出義務及び自社の女性活躍に関する情報公表の義務の対象が、常時雇用する労働者が301人以上から101人以上の事業主に拡大される。

自社の女性活躍に関する情報公表の義務については、301人以上の事業主は、以下の①と②の区分から、それぞれ1項目以上選択して2項目以上情報公表する必要がある。

「①女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」
「②職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備」

一方、新たに情報公表の義務の対象になった101人以上300人以下の事業主は、①又は②の項目からいずれか1項目以上選択し、情報を公表する。

施行期日→令和4年4月1日施行

健康保険法

夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について

年収がほぼ同じ夫婦の子について、保険者間でいずれの被扶養者とするかを調整する間、その子が無保険状態となって償還払いを強いられることのないよう、被扶養認定の具体的かつ明確な基準を策定することにした。

  • 被扶養者とすべき者の員数にかかわらず、被保険者の年間収入(過去の収入、現時点の収入、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだものとする。以下同じ。)が多い方の被扶養者とする。
  • 夫婦双方の年間収入の差額が年間収入の多い方の1割以内である場合は、被扶養者の地位の安定を図るため、届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とする。

解説動画はこちら→夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について

施行期日→令和3年8月1日

傷病手当金の支給期間の通算化

健康保険においては、病気やけがの治療のため働くことができない場合に、報酬の3分の2程度を傷病手当金として支給することとされている。その支給期間については、同一の病気やけがに関して、支給を始めた日から起算して1年6ヶ月を超えない期間とされており、その間に一時的に労務可能となり、傷病手当金が支給されなかった期間についても、1年6ヶ月の期間に含まれる仕組みとされていた。

仕事と治療の両立の観点から、がん治療のために入退院を繰り返す場合などに柔軟に傷病手当金を利用できるようにするため、出勤に伴い不支給となった期間がある場合には、その分の期間を延長して傷病手当金の支給を受けられるよう、支給期間の通算化を行う。

施行期日:令和4月1月1日

任意継続被保険者制度の見直し

任意継続被保険者の保険料の算定基礎の見直し

任意継続被保険者の保険料については、「退職した時の標準報酬月額」又は「任意継続被保険者が加入している保険者のすべての被保険者の標準報酬月額の平均に基づく標準報酬月額」のいずれか低い額を基礎とすることとされていたが、それぞれの健康保険組合の実状に応じた柔軟な制度とするため、健康保険組合がその規約で定めた場合には、「退職した時の標準報酬月額」を保険料の基礎とすることも可能とする。

被保険者からの申請による資格喪失が可能に

任意継続被保険者の生活実態に応じた加入期間の短縮化を支援する観点から、任意継続被保険者からの申請による任意の資格喪失を可能とする。

施行期日:令和4月1月1日

出産育児一時金の支給額の見直し

出産育児一時金及び家族出産育児一時金の支給額については、40.4万円(産科医療補償制度加算の対象となる出産については40.4万円に3万円を超えない範囲の金額を加算した額(具体的な加算額は産科医療補償制度の掛金に基づき設定する。))とされている。

今般、産科医療補償制度が見直され、当該制度の掛金が 1.6 万円から 1.2 万円に引き下げられること、及び社会保障審議会医療保険部会の「議論の整理」において、少子化対策としての重要性に鑑み、出産育児一時金等の支給総額について 42 万円を維持すべきとされたことを踏まえ、現行の40.4万円から40.8万円に引き上げる。

これにより、産科医療補償制度の加算対象となる出産に係る出産育児一時金の支給額は、以下のとおりとなる。

現行 :40.4万円+加算額1.6万円 総額42万円
改正後:40.8万円+加算額1.2万円 総額42万円

施行期日:令和4年1月1日

産科医療補償制度の改定(特定出産事故の基準の見直し)

従来、産科医療補償制度の補償対象範囲は、「補償対象基準」「除外基準」「重症度基準」の全てを満たす場合、補償対象となっていた。
2022年1月以降に出生した児より、「補償対象基準」については、低酸素状況を要件としている個別審査を廃止し、一般審査に統合して、「在胎週数が28週以上であること」が基準となる。
また、1分娩あたりの掛金は1.2万円となる。

施行期日:令和4月1月1日

健康保険証の本人への直接交付が可能に。

現在、被保険者証については、保険者から事業主を通じて被保険者に交付することが義務付けられている。
テレワークの普及等に対応した事務の簡素化を図るため、保険者から被保険者に対して被保険者証を直接交付することが可能となる。

なお、資格喪失時等の被保険者証の返納については、事業主経由を省略できない。

施行期日:令和3年10月1日

国民年金法

年金の受給開始時期の選択肢の拡大

老齢基礎年金及び老齢厚生年金の受給開始時期の選択肢の拡大について、現在 60歳から70歳の間となっているものを、60歳から75歳の間に拡大する。
繰下げ増額率は、最大、84%(0.7%×繰下月数120)となる。

施行期日:令和4年4月1日

動画解説はこちら→最大84%アップ。老齢基礎年金の支給繰下げ

繰上げ減額率の引下げ

選択された受給開始時期にかかわらず、数理的に年金財政上中立となるよう、繰上げ受給を選択した場合の繰上げ減額率を現行の0.5%/月から0.4%/月に引き下げる。

施行期日:令和4年4月1日

国民年金手帳から基礎年金番号通知書への切替え

【見直しの趣旨】
国民年金手帳については、従来、①保険料納付の領収の証明、②基礎年金番号の本人通知という機能を果たしているが、被保険者情報が既にシステムで管理がなされていること及び個人番号の導入によって、手帳という形式で果たす必要性がなくなっている。

また、かつては多くの手続において国民年金手帳の添付を求めていたが、現在は、行政手続の簡素化及び利便性向上を推進する観点から、「基礎年金番号を明らかにする書類」で手続を可能としているほか、給与事務で個人番号を確認等している事業者等で、個人番号の記載をして届出をした場合は、基礎年金番号を明らかにする書類の提出は不要としている。

こうした環境の変化を踏まえ、事業者の業務の簡素化及び効率化等に資するため、国民年金手帳について、手帳という形式及び役割を見直す。

【見直し内容】
新たに国民年金第1~3号被保険者となった者(20歳到達者、20歳前に厚生年金被保険者となった者等)に対する資格取得のお知らせとして、国民年金手帳の交付から基礎年金番号通知書の送付に切り替える。
なお、年金手帳から新制度に移行する際の経過措置として、年金手帳の再交付申請は廃止するが、法律施行までに送付された年金手帳については引き続き基礎年金番号を明らかにすることができる書類として利用できることを規定する。

施行期日:令和4年4月1日施行

20歳前の傷病による障害基礎年金の支給対象期間の変更

20歳前の傷病による障害基礎年金は、毎年、受給者本人の前年所得の確認が必要となり、前年所得に基づく支給対象期間は『8月分から翌年7月分まで』とされている。。

今般、年金生活支援給付金の所得情報の切替時期の変更に伴い、同一の所得情報を要件判定に活用している20歳前の傷病による障害基礎年金についても『10月分から翌年9月分まで』に変更することになった。

施行期日:令和3年8月1日

20歳前障害基礎年金の支給停止に係る所得基準額が引き上げ

平成30年度税制改正により、令和2年分所得から給与所得者に適用される「給与所得控除」及び公的年金等受給者に適用される「公的年金等控除」の控除額が10万円引き下げられ、一方で、全ての所得者に適用される「基礎控除」が10万円引き上げられる。

上記税制改正に伴い、給与所得控除後・公的年金等控除後で基礎控除前の所得を用いて判定を行っている制度について、給与所得者・公的年金等受給者に不利益が生じないよう、基礎控除前の所得を用いている制度について、基準額を10万円引き上げる見直しを行う。

○20歳前障害基礎年金の支給停止に係る所得基準が10万円引き上げ。

・全額停止/462.1万円→472.1万円
・一部停止/360.4万円→370.4万円
 
施行期日:令和3年10月1日

視覚障害に係る障害等級の基準の見直し(案)

専門家会合のとりまとめにおいて、障害基礎年金及び障害厚生年金の支給について、「両眼の視力の和」ではなく、「視力の良い方の眼の視力」を用いて判定することとされたことを受けて、国年令別表に規定する視力障害に係る障害の状態について、「両眼の視力の和」を廃し、「それぞれの眼の視力」による基準(※)に変更する。

当該改正後の1級及び2級に係る障害の状態については、専門家会合におけるとりまとめに基づき、以下のとおりとする。

・視力障害に係る1級の障害の状態(国年令別表1級の項第1号)
イ 両眼の視力がそれぞれ 0.03 以下のもの
ロ 一眼の視力が 0.04、他眼の視力が手動弁以下のもの

・視力障害に係る2級の障害の状態(国年令別表2級の項第1号)
イ 両眼の視力がそれぞれ 0.07 以下のもの
ロ 一眼の視力が 0.08、他眼の視力が手動弁以下のもの

※ 「両眼の視力がそれぞれ○○以下のもの」という改正後の規定は、「視力の良い方の眼の視力が○○以下のもの」と同義である。 

また、これまでのゴールドマン型視野計に基づく視野障害に係る基準に加えて、現在広く普及している自動視野計に基づく視野障害に係る基準を創設することとされた。

公布日:令和3年8月下旬(予定)
施行期日:令和4年1月1日

 

厚生年金保険法

在職定時改定の導入

在職中の年金受給の在り方の見直しの一環として、現在は、老齢厚生年金の受給権を取得した後に就労した場合は、資格喪失時(退職時・70歳到達時)に、受給権取得後の被保険者であった期間を加えて、老齢厚生年金の額を改定しているが、就労を継続したことの効果を早期に年金額に反映して実感していただけるよう、65歳以上の在職中の老齢厚生年金受給者について、年金額を毎年10月に改定する在職定時改定制度を導入する。

施行期日:令和4年4月1日施行

在職老齢年金の見直し

60~64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金制度(低在老)の支給停止の基準額を、現行の28万円から65歳以上の在職老齢年金制度(高在老)と同じ47万円に引き上げる。
 
施行期日:令和4年4月1日

 

加給年金の支給停止ルールの改善

加給年金額の加算の基礎となっている配偶者が、老齢厚生年金(その年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240か月以上であるものに限る。)等の老齢又は退職を支給事由とする給付の受給権を有している場合には、加給年金額に相当する部分の支給が停止されるが、当該配偶者に対する老齢厚生年金等の全額が支給停止となっている場合には、現行規定では、この支給停止が解除されることとなっている。

配偶者の老齢厚生年金等が一部でも支給されている場合には加給年金が支給されない一方で、配偶者の賃金が高く、在職老齢年金制度によりその全額が支給停止となっている場合には加給年金が支給されるといった不合理が生じていることを踏まえ、配偶者が老齢厚生年金等の老齢又は退職を支給事由とする給付の受給権を有する場合には、その全額が支給停止されている場合であっても、加給年金額に相当する部分の支給を停止することとする。

施行期日:令和4年4月1日

国民健康保険法

財政安定化基金の見直し

国民健康保険の財政安定化基金(都道府県に設置)を、都道府県が国民健康保険事業費納付金の著しい上昇抑制等のために充てることを可能とする。

急激な医療費の上昇時などに納付⾦の上昇幅を抑え、複数年での保険料の平準化に資する財政調整が可能となる。

施行期日:令和4年4月1日

確定拠出年金法

受給開始時期の選択肢の拡大

公的年金の受給開始時期の選択肢の拡大に併せて、確定拠出年金における老齢給付金の受給開始の上限年齢を70歳から75歳に引き上げる。
 
これによって、確定拠出年金における老齢給付金は、60歳(加入者資格喪失後)から75歳に達するまでの間で受給開始時期を選択することができるようになる。

施行期日:令和4年4月1日

執筆/資格の大原 社会保険労務士講座

金沢 博憲金沢 博憲

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