皆様こんにちは。
資格の大原 社会保険労務士試験対策講座の金沢です。
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選択式問題を解く際のポイントは次の通りです。
①問題文を見て解答となる語句や数字を思い出す※いきなり語群をみない
②思い出した語句や数字を語群から探す
③ダミーの選択肢と相対評価して解答を確定する
④思い出せなかった場合でも、どういう性質のカテゴリー(行政機関名、給付名称、給付率、届出期限など)かを思い出した上で、語群から探す。選ぶ際も自分なりの根拠を持って選ぶ。
このポイントを意識することで、選択式対応力が上がっていきます。
それでは、今回のお題はこちらです。
65歳前の在職老齢年金(正解率58%)
問題
被保険者が老齢厚生年金(報酬比例部分120万円)を受給している場合であって、令和8年5月の総報酬月額相当額が57万円である場合、令和8年5月の老齢厚生年金の支給月額は【?】円である。
A 1万
B 2万
C 8万
D 9万
解答・解説
「D 9万」。
65歳前の在職老齢年金の支給停止調整額は、令和8年度は65万円。
支給停止月額は、
{(基本月額10万円+総報酬月額相当額57万円)-65万円}×1/2=1万円
よって、支給月額は、
10万円-1万円=9万円
計算問題では、問われているのが停止額か支給額かは常にチェック。
関連論点- 厚生年金保険の被保険者である老齢厚生年金の受給権者について、支給される年金額を調整する仕組みは、在職老齢年金と呼ばれる。
- 地方公共団体の議会の議員が老齢厚生年金の受給権者であるときは、当該議員が厚生年金保険の被保険者ではないとしても、議員報酬の月額及び期末手当の額と老齢厚生年金の額に応じて、老齢厚生年金の一部又は全額が支給停止となる。
- 老齢厚生年金を受給している被保険者であって適用事業所に使用される者が70歳に到達したときは、その日に被保険者の資格を喪失し、当該喪失日が属する月以後の保険料を納めることはないが、一定の要件に該当する場合は、老齢厚生年金の一部又は全部が支給停止される。
- 在職老齢年金は、総報酬月額相当額と基本月額との合計額が支給停止調整額を超える場合、年金額の一部又は全部が支給停止される仕組みであるが、適用事業所に使用される70歳以上の者に対しても、この在職老齢年金の仕組みは適用される。
- 厚生年金保険の適用事業所で使用される70歳以上の者であっても、厚生年金保険法第12条各号に規定する適用除外に該当する者は、在職老齢年金の仕組みによる老齢厚生年金の支給停止の対象とはならない。
- 厚生年金保険の被保険者が70歳に到達した場合は、被保険者資格を喪失する。その後、同一の事業所で同一の労働条件で勤務を継続したとしても、被保険者ではないため、厚生年金保険料を納付する必要はない。ただし、在職老齢年金の仕組みによる支給停止の対象となることがある。
- 昭和12年4月1日以前生まれの者が平成28年4月に適用事業所に使用されている場合、その者に支給されている老齢厚生年金は、在職老齢年金の仕組みによる支給停止が行われることがある。
- 在職老齢年金の支給停止額を計算する際の「総報酬月額相当額」とは、その者の標準報酬月額とその月以前の(直前の7月1日以前×)1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算した額である。
- 在職老齢年金の支給停止額を計算する際に用いる総報酬月額相当額は、在職中に標準報酬月額や標準賞与額が変更されることがあると、変更される。
- 60歳台後半の在職老齢年金の仕組みにおいて、経過的加算額及び繰下げ加算額は、支給停止される額の計算に用いる基本月額の計算の対象に含まれない。
- 在職中の老齢厚生年金の支給停止の際に用いる総報酬月額相当額とは、被保険者である日の属する月において、その者の標準報酬月額とその月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額のことをいい、また基本月額とは、老齢厚生年金の額(その者に加給年金額が加算されていればそれを除いた額)を12で除して得た額のことをいう。
- 在職老齢年金の支給停止調整額は、法律上、賃金等の変動に応じて改定する仕組みとなっている。令和8年度の在職老齢年金の支給停止調整額は、65万円である。
- 在職老齢年金について、支給停止額を計算する際に使用される支給停止調整額は、一定額ではなく、年度ごとに改定される場合がある。
- 60歳台後半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者である間、老齢厚生年金については、総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計額から65万円を控除した額の2分の1に相当する額に相当する部分が支給停止される。
- 70歳以上の老齢厚生年金(基本月額260,000円)の受給権者が適用事業所に使用され、その者の標準報酬月額に相当する額が460,000円であり、その月以前1年間に賞与は支給されていない場合、支給停止される月額は35,000円となる。
- 令和8年4月において、総報酬月額相当額が480,000円の66歳の被保険者(第1号厚生年金被保険者期間のみを有し、前月以前の月に属する日から引き続き当該被保険者の資格を有する者とする。)が、基本月額が200,000円の老齢厚生年金を受給することができる場合、在職老齢年金の仕組みにより月額15,000円の老齢厚生年金が支給停止される。
- 60歳台後半の在職老齢年金においては、支給停止の対象となるのは老齢厚生年金の報酬比例の額であり、経過的加算額や老齢基礎年金は支給停止の対象にはならない。
- 在職中の被保険者が65歳になり老齢基礎年金の受給権が発生した場合において、老齢基礎年金又は経過的加算額は在職老齢年金の支給停止額を計算する際に支給停止の対象とはならない(「経過的加算額については在職老齢年金の支給停止の対象となる」は×)
- 60歳台後半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者である間、老齢厚生年金については、総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計額から65万円を控除した額の2分の1に相当する額に相当する部分が、老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部(繰下げ加算額を除く。)が支給停止される。
- 66歳で支給繰下げの申出を行った68歳の老齢厚生年金の受給権者が被保険者となった場合、当該老齢厚生年金の繰下げ加算額は在職老齢年金の仕組みによる支給停止の対象とならない。
- 65歳以後の在職老齢年金の仕組みにおいて、在職中であり、被保険者である老齢厚生年金の受給権者が、66歳以降に繰下げの申出を行った場合、当該老齢厚生年金の繰下げ加算額は、在職老齢年金の仕組みによる支給停止の対象とはならない。
- 加給年金額が加算されている老齢厚生年金の受給権者であって、在職老齢年金の仕組みにより、自身の老齢厚生年金の一部の支給が停止される場合、加給年金額は支給停止とならない。
- すでに退職した68歳の老齢厚生年金の受給権者が、再就職して被保険者となったがその月に退職して資格を喪失した場合は、当該月について総報酬月額相当額と基本月額との合計が支給停止調整額を超えるときであっても年金額は改定されない。
- 在職老齢年金を受給する者の総報酬月額相当額が改定された場合は、改定が行われた月(の翌月×)から、新たな総報酬月額相当額に基づいて支給停止額が再計算され、年金額が改定される。
- 前月から引き続き厚生年金保険の被保険者の資格を有する65歳以後の老齢厚生年金の受給権者の総報酬月額相当額が改定された場合は、新たな総報酬月額相当額に基づいて支給停止額が再計算され、当該総報酬月額相当額の改定が行われた月(の翌月×)から支給される年金額が改定される。
以上、今回の問題でした。
毎日判例
小野運送事件(昭和38年6月4日)
(事件の概要)
運送会社が、その従業員が起こした交通事故につき、被災者に対して損害賠償責任を負った。
被災者と運送会社の間において、示談金の支払によって賠償請求権一切を放棄する旨の示談が成立した。
その後被災者は、労災保険給付の請求をし、保険給付額から示談金の額を差し引いた額の支払いが行われた。
労基署は、運送会社に対し、支払いをした保険給付の額の請求をしたが、運送会社は、すでに示談は成立しているとして、支払いを拒んだ。
(要旨)
被災者と加害者の間で、損害賠償請求権を放棄する示談が成立した後、労災保険給付が行われ、労基署が加害者に保険給付額の支払を求めた。最高裁は「示談によって損害賠償請求権を放棄した場合、その後、政府は、保険給付をしても、損害賠償請求権を取得しない」と判断した。
(判決文)
労働者が第三者の行為により災害をこうむつた場合にその第三者に対して取得する損害賠償請求権は、通常の不法行為上の債権であり、その災害につき労働者災害補償保険法による保険が付せられているからといつて、その性質を異にするものとは解されない。したがつて、他に別段の規定がないかぎり、被災労働者らは、私法自治の原則上、第三者が自己に対し負担する損害賠償債務の全部又は一部を免除する自由を有するものといわなければならない。
ところで、労働者災害補償保険法二〇条は、その一項において、政府は、補償の原因である事故が、第三者の行為によつて生じた場合に保険給付をしたときは、その給付の価額の限度で、補償を受けた者が第三者に対して有する損害賠償請求権を取得する旨を規定するとともに、その二項において、補償を受けるべきものが、当該第三者より同一の事由につき損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で災害補償の義務を免れる旨を規定しており、右二項は、単に、被災労働者らが第三者から現実に損害賠償を受けた場合には、政府もまた、その限度において保険給付をする義務を免れる旨を明らかにしているに止まるが、労災保険制度は、もともと、被災労働者らのこうむつた損害を補償することを目的とするものであることにかんがみれば、被災労働者ら自らが、第三者の自己に対する損害賠償債務の全部又は一部を免除し、その限度において損害賠償請求権を喪失した場合においても、政府は、その限度において保険給付をする義務を免れるべきことは、規定をまつまでもない当然のことであつて、右二項の規定は、右の場合における政府の免責を否定する趣旨のものとは解されないのである。そして、補償を受けるべき者が、第三者から損害賠償を受け又は第三者の負担する損害賠償債務を免除したときは、その限度において損害賠償請求権は消滅するのであるから、政府がその後保険給付をしても、その請求権がなお存することを前提とする前示法条二項による法定代位権の発生する余地のないことは明らかである。補償を受けるべき者が、現実に損害賠償を受けないかぎり、政府は保険給付をする義務を免れず、したがつて、政府が保険給付をした場合に発生すべき右法定代位権を保全するため、補償を受けるべき者が第三者に対する損害賠償請求権をあらかじめ放棄しても、これをもつて政府に対抗しえないと論ずるがごときは、損害賠償請求権ならびに労災保険の性質を誤解したことに基づく本末顛倒の論というほかはない。
もつとも、以上のごとく解するときは、被災労働者らの不用意な、又は必ずしも真意にそわない示談等により、これらの者が保険給付を受ける権利を失い、労働者の災害に対し迅速かつ公正な保護を与えようとする労災保険制度の目的にもとるがごとき結果を招来するおそれもないとはいえないが、そのような結果は、労災保険制度に対する労働者らの認識を深めること、保険給付が労災保険法の所期するように迅速に行われること、ならびに、損害賠償債務の免除が被災労働者らの真意に出たものかどうかに関する認定を厳格に行うこと(錯誤又は詐欺等も問題とされるべきである)によつて、よくこれを防止しうるものと考えられる。
本件につき、原審が確定したところによれば、被災労働者の代理人と加害運転者の使用者たる被上告人(運送会社)の間においては、本件保険給付がなされるより以前の昭和32年10月21日に、被災労働者は自動車損害保険金のほか、慰藉料及び治療費等として2万円の支払を受けることで満足し、その余の賠償請求権一切を放棄する旨の示談が成立し、代理人からその旨の報告を受けた被災労働者本人もこれを了承したというのであつて、右によれば、右賠償額はいささか過少の感を免れないとしても、その余の請求権の放棄はその真意に出たものと認めることができるので、他に右示談を無効とすべき事由が現われない本件においては、右示談により被災労働者の被上告人(運送会社)に対する損害賠償請求権はすでに消滅し、政府は、その限度において、保険給付をする責を免れたものといわなければならない。
されば、上告人が、その後に本件保険給付をしても、被上告人に対し求償権を取得する由がないとして上告人の本訴請求を排斥した原判決は正当であり、所論は、右と異なる独自の見解の下に原判決に法律の解釈、適用を誤つた違法があるとするものであり、採用することをえない。
過去の選択式問題の正解率別・項目別カテゴリー
過去の選択式問題の正解率別・項目別カテゴリーはこちら。
特に、正解率51%~75%、76%~100%の問題は、他の受験生の方も取れる論点となりますので、マスターしたいところです。
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忘却曲線を意識した反復学習にお役立てください。
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ご面倒及び迷惑をおかけしますが、探してみてください。
【今日の一言】
通常の科目は、主:択一、従:選択。
択一中心の勉強で、その隙間を選択で埋める。
一方、労一・社一・安衛は、主:選択、従:択一。 択一での高得点が狙えないため、細部をやるのは非効率。
しかし選択の1点には重みがある。
テキスト読込みなど選択対策の勉強は、常識・安衛を優先。
執筆/資格の大原 社会保険労務士講座
金沢 博憲 「時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格コース」を担当致しております。
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