社会保険労務士試験合格を目指す皆様、こんにちは。
今回は、2019年対策向けの法改正につき、その最新一覧をご紹介します。
医療保険や年金の改正は例年のごとくですが、2019年の最大の目玉はやはり「働き方改革関連法」といえるでしょう。
第1章 労働基準法
労働条件の明示の方法(SNSでも可能に)
労働条件明示の方法について、労働者が希望した場合には、ファクシミリの送信、電子メール等の送信(当該労働者が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)により明示することを可能としたものである。
過半数代表者の要件の見直し
時間外・休日労働協定の締結等に際し、労働基準法の規定に基づき労働者の過半数を代表する者を選出するに当たっては、使用者側が指名するなど不適切な取扱いがみられる。
このため、過半数代表者の要件として、「使用者の意向に基づき選出されたものでないこと」を新労基則において明記したものであること。
フレックスタイム制の見直し(清算期間上限を3か月に延長)
子育てや介護、自己啓発など様々な生活上のニーズと仕事との調和を図りつつ、効率的な働き方を一層可能にするため、フレックスタイム制がより利用しやすい制度となるよう、清算期間の上限の延長等の見直しを行ったものである。
時間外労働の上限規制が導入(限度時間や特別条項が法律に格上げ)
時間外労働の上限について、現行の労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準(限度基準告示)に基づく指導ではなく、これまで上限無く時間外労働が可能となっていた臨時的な特別の事情がある場合として労使が合意した場合であっても、上回ることのできない上限を法律に規定し、これを罰則により担保するものである。
高度プロフェッショナル制度の創設
高度な専門知識を有し一定水準以上の年収を得る労働者について、労働時間規制の対象から除外する制度を導入するものである。
年5日以上の年次有給休暇の確実な取得
年次有給休暇の取得率が低迷しており、いわゆる正社員の約16%が年次有給休暇を1日も取得しておらず、また、年次有給休暇をほとんど取得していない労働者については長時間労働者の比率が高い実態にあることを踏まえ、年5日以上の年次有給休暇の取得が確実に進む仕組みを導入することとしたものである。
オルト-トルイジンによる膀胱(ぼうこう)がんを業務上疾病として明確化
労基則別表第1の2の疾病に「オルト―トルイジンにさらされる業務による膀胱ぼうこうがん」を追加する。
第2章 労働安全衛生法
産業医・産業保健機能の強化
長時間労働やメンタルヘルス不調などにより、健康リスクが高い状況にある労働者を見逃さないため、産業医による面接指導や健康相談等が確実に実施されるようにし、産業保健機能を強化するとともに、産業医の独立性や中立性を高めるなどにより、産業医等が産業医学の専門的立場から労働者一人ひとりの健康確保のためにより一層効果的な活動を行いやすい環境を整備するため、産業医の在り方の見直しを行ったものである。
「モノいえる産業医」として活躍していただくために、
・産業医学の知識向上に努めてください
・労働者の労働時間や就業上の措置に関する情報→事業者から提供させます
・産業医から事業者への勧告→衛生委員会に報告させます
面接指導(時間外労働月80時間で義務化)
長時間労働やメンタルヘルス不調などにより、健康リスクが高い状況にある労働者を見逃さないため、医師による面接指導が確実に実施されるようにし、労働者の健康管理を強化するものである。
労働者死傷病報告の様式の改正
外国人労働者の国籍・地域及び在留資格を記入する欄を設ける。外国人労働者の労働災害発生状況を正確に把握するため。
改正の趣旨
今般の改正は、外国人労働者に係る労働災害防止対策の推進に資するため、外国人労働者を雇用する事業者から提出のあった労働者死傷病報告により、外国人労働者に係る労働災害の発生状況を確認できるようにするため、労働安全衛生規則第97条の規定に基づく様式第23号(休業4日以上の労働者に係る労働災害等に係る労働者死傷病報告)について所要の改正を行ったものである。
改正の概要
外国人労働者を雇用する事業者から提出のあった労働者死傷病報告により、外国人労働者に係る労働災害の発生状況を確認できるようにするため、被災者が外国人(「外交」又は「公用」の在留資格の者及び特別永住者を除く。)である場合に「国籍・地域」及び「在留資格」を記入する欄を新たに設けた。
健康管理手帳の交付対象 業務へのオルト ―トルイジンの追加
健康管理手帳制度は、労働安全衛生法第67条に基づき、がんその他の重度の健康障害を生ずるおそれのある業務に従事していた者のうち、一定の要件を満たす者について、離職の際又は離職の後に、国が健康管理手帳を交付し、無償で健康診断を実施する制度である。
・健康管理手帳の交付対象業務に、オルト-トルイジンの製造・取扱業務を追加等する。
・健康管理手帳の交付対象要件を、オルト-トルイジンの製造・取扱業務に5年以上従事した経験を有することとするものとする
第3章 労働者災害補償保険法
自動変更対象額等の変更
給付基礎日額については、労働基準法に規定する平均賃金に相当する額とされているが、被災時の事情により給付基礎日額が極端に低い場合を是正し、補償の実効性を確保するため、その最低保障額である自動変更対象額を定めることになっている。この自動変更対象額は、毎月勤労統計の平均給与額の変動に応じて、変更することとなっている。
平成30年8月1日から平成31年7月31日までの期間に適用される自動変更対象額は、3,940円(再集計後3,950円)である。
介護補償給付の額の見直し
毎年度おなじみの自動改定、と思いきや、今回は、支給額算定の考え方を見直す実質改正。
・最高限度額→特別養護老人ホームの介護職員の平均基本給を参考に
・最低保障額→最低賃金の全国加重平均を参考に
結果、従来より大幅増加。
毎月勤労統計の不適切調査に係る追加給付のための法整備
保険給付等の給付基礎日額の算定に用いる毎月勤労統計の平均定期給与額と同様に、「再集計値」及び毎月勤労統計を基礎として作成した「給付のための推計値」も用いることができるようにする。
アフターケア通院費の支給対象範囲の拡大
アフターケア通院費の支給対象範囲について、平成31年2月以降の通院から、「住居地または勤務地から片道2km以上かつ同⼀市町村内の医療機関まで」に拡大する。
※アフターケアを受けている方の経済的負担を軽減するために、アフターケアの通院に要する費用を支給するもの。社会復帰促進等事業として行われている。
第4章 雇用保険法
特定受給資格者の範囲の見直し
3か月連続で時間外・休日労働時間が1か月当たり45時間を超える場合に特定受給資格者に該当することになった。
専門実践教育訓練給付の見直し(長期専門実践教育訓練給付)
法令上最短4年の専門実践教育訓練(専門職大学等、管理栄養士の養成課程)を受講する者について、10年間の支給上限額168万円(56万円×3)に4年目受講相当分として上限56万円を上乗せ(計224万円)する。
ただし、在職者であって、かつ、比較的高い賃金を受ける者(例えば、基本手当日額の算出の際、50%の給付割合が適用される程度の賃金を受ける者などを想定)は、この限りではないものとする。
また、専門実践教育訓練の複数回受講の場合については、通常の3年以下の専門実践教育訓練を複数回受講する者とのバランスを考慮し、上記上乗せは行わないこととする。
教育訓練支援給付金の対象者の見直し
・教育訓練支援給付金の対象から「夜間において教育訓練を行う教育訓練講座その他の就業を継続して教育訓練を受けることができる者」を除外する。
従来から通達で、通信制・夜間制の専門実践教育訓練を受講する者等は、除外されていたものを法定化。
賃金日額の下限額等の改正
平成30年8月1日から平成31年7月31日までの期間に適用される賃金日額の下限額は、2,480円である。
「再集計値」及び「給付のための推計値」に基づき算出する賃金日額の上限額・下限額等の変更
平成16年8月からの各年の雇用保険の賃金日額の上限額等については、毎年8月、毎月勤労統計の「きまって支給する給与」の変化率を基に、具体的なスライド後の額(自動変更対象額)を厚生労働大臣が告示。
毎月勤労統計の不適切な取扱いにより算出され、公表されている「きまって支給する給与」を算定の基礎として上限額・下限額等を告示していた平成16年8月からの各年の上限額・下限額等を定める告示について、「再集計値」及び「給付のための推計値」に基づき算出された上限額・下限額等が適用されるよう法令上の手当を行う。
追加給付額を現在価値に見合う金額とする加算額の算定規定
過去に行われた給付額と本来であれば給付されていた金額との「差額」が現在価値に見合う金額となるよう、追加給付の額に一定の率を乗じた額を加算する旨を規定する。
第5章 労働保険料徴収法
有期事業の一括の地域要件が廃止
有期事業の一括に係る地域要件を廃止し、遠隔地において行われる小規模有期事業についても一括できることとし、労働保険の保険関係に係る行政手続コストの削減を図る。
有期事業の一括の一括有期事業開始届が廃止
一括有期事業開始届により把握される事項は、他の届出等により確認することも可能である。
よって、一括有期事業開始届を廃止し、労働保険の保険関係に係る行政手続コストの削減を図る。
雇用保険率
平成31(2019)年度雇用保険率が3月4日に公示。
・原則→9/1000
・農林水産等→11/100
・建設→12/1000
すなわち、据え置き。
西暦で19年度だけに→1-9→1000分の9。
特例基準割合
平成31年の特例基準割合は、1.6%。昨年と同じ。
結果、徴収や健保の延滞金の率は、2.6%・8.9%。
第6章 労働に関する一般常識
雇用対策法が「労働施策総合推進法」に改称
題名を「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」に改める。
外国人雇用状況届の届出事項の改正
・労働施策総合推進法施行規則の改正
・外国人雇用状況届→「法務大臣が当該外国人について指定する特定産業分野」を届出事項に追加。
・施行日→2019年4月1日
労働時間等設定改善企業委員会
各企業における労働時間、休日及び休暇等の改善に向けた労使の自主的取組を一層促進するため、企業単位で設置される労働時間等設定改善委員会を明確に位置づけ、同委員会における決議に法律上の特例を設けることとしたものである。
労働時間等設定改善法の改正(勤務間インターバルの努力義務化)
勤務間インターバル(前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息を確保することをいう。以下同じ。)については、労働者が十分な生活時間や睡眠時間を確保し、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら働き続けることを可能にする制度であり、その普及促進を図る必要がある。
このため、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法を改正し、勤務間インターバルを事業主の努力義務としたものである。
最低賃金法の改正
・高度プロフェッショナル制度の適用を受ける労働者の賃金換算方法
働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律により創設されるいわゆる高度プロフェッショナル制度の適用を受ける労働者について、
労働基準法第41条の2においては、高度プロフェッショナル制度の対象業務については従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとされており、その適用を受ける労働者については同法第4章で定める労働時間等に関する規定が適用されないこととされている。
当該労働者に対し最低賃金法第4条の規定を適用するに当たって、賃金を時間当たりの金額へ換算する方法を規定する必要がある。
最低賃金法施行規則第2条では、労働者の賃金を最低賃金と比較するに当たり、当該賃金が時間以外の期間又は出来高払い制その他の請負制によって定められている場合の時間当たりの金額への換算方法について定めているところ。
賃金については、これを労働基準法第 41 条の2第1項第3号に規定する健康管理時間で除して時間当たりの賃金に換算することとすること。
・最低賃金の減額の特例に関する許可の申請に係る手続きの簡素化
行政手続の簡素化のため、社会保険労務士等が規則第4条第1項の許可申請書を使用者に代わり電子で提出する場合には、社会保険労務士等が使用者の職務を代行する契約を締結していることを証明する電磁的記録の送信により、使用者の電子署名及び電子証明書の添付に代えることができることとすること。
第7章 健康保険法
年間平均を用いた随時改定の取り扱い
「もし昇給時期が繁忙期に重なっていなければ、このような標準報酬月額の爆上げは発生しなかったはず。昇給時のズレで差が生じるのは不公平だ。見直してもらいたい。」 そんな行政相談が発端になった改正。
70歳以上の高額療養費の見直し
①現役並所得層→70歳未満と揃えて、細分化&引き上げ
②現役並所得層→外来特例の適用から外れる
③外来→一部引き上げ
平成31年度の健康保険の任意継続被保険者の標準報酬月額の上限
28万円→30万円に変更
協会けんぽの任意継続被保険者の標準報酬月額は、健康保険法により
① 資格を喪失した時の標準報酬月額
② 前年(1月から3月までの標準報酬月額については、前々年)の9月30日時点における全ての協会けんぽの被保険者の標準報酬月額の平均額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額
のどちらか少ない額と規定されている
このため、毎年度②の額が、任意継続被保険者の標準報酬月額の上限となる。
※ 平成30年9月30日時点における全ての協会けんぽの被保険者の標準報酬月額の平均額は291,181円。
この額は、標準報酬月額の第22級:30万円に該当。
協会けんぽのインセンティブ制度
全国健康保険協会(以下「協会」という。)が管掌する健康保険の保険料率の算定方法について、健康づくりを促すためのインセンティブ制度を設けるべく、協会の保険料率の算定方法に関して見直しを行うもの
第8章 国民年金法
平成31年度は5年に1度の年金財政検証の年
・2019年度は、5年に1回の「年金の財政検証」の年。
有限均衡方式のもと「100年安心」を掲げる公的年金の定期健康診断。
友蔵「さくら家をずうっと存続させていくためには、今の生活を切り詰めて沢山貯金する必要があるのじゃ。将来、ひろしの収入が減るかも知れんし、急な出費があるかも知れんしな。これが無限均衡方式じゃ」
ま「将来何があるか分からないしね」
友「じゃが100日続くでいいなら、そんなに切り詰めなくてもいいじゃろ。とりあえず100日持てばよい、というのが有限均衡方式じゃ。」
ま「わたしゃ100日でスッカラカンになりたくないよ」
友「そこで、5日ごとに向こう100日の見通しを見直すんじゃ。繰り返せば、結果的にずっと続くことになるじゃろ」
友「年金制度も無限から有限に変更され、5年毎に財政検証をし、100年後を見据えて収支のバランスを検討するのじゃ」
ま「100年後より先の財源は確実ではないということ?」
友「鋭いの。抜本改革の先送りとの懸念もあるんじゃ。議論のためにも財政方式についてもっと周知されることが必要じゃな」
平成31年度の保険料額
平成31年度以降の年度の国民年金保険料の額は、産前産後免除期間を保険料納付済期間とみなし、当該期間を年金給付に反映させるために要する財源として、100円が上乗せされ、月額で17,000 円(平成16年度価格)となる。
具体的には、平成31年度の保険料額は16,410円(17,000円×0.965)。
平成31年度の脱退一時金
脱退一時金の額は平成31年度保険料の半額想定。
産前産後期間中の免除制度の創設
次世代育成支援の観点から、
・ 国民年金の被保険者が出産を行った際には、その出産前後の一定期間の保険料については納付することを要しない
・ 当該期間を保険料納付済期間に算入される
こととされた。
2019年度年金額は0.1%増加
【見通し段階】
・2019年年金額は2019年1月下旬に確定←2018年の物価を使って計算するため
・2018年の物価上昇は1.0%の見通し
・実質賃金はマイナス幅が大きく縮小する見通し←消費税引上げの影響による2014年度の大幅低下分が外れるため。仮に△0.3%。
・名目賃金上昇率(仮)は0.7%
・マクロ経済スライドによる調整が昨年と同じ△0.3%と仮定。
・昨年のキャリーオーバー分の△0.3%とあわせると△0.6%
・名目賃金の上昇率0.7%に、△0.6%の調整が行われて、年金額は0.1%増の見通し。
【新着】
厚生労働省は、1/18に「年金額が0.1%プラス改定」になることを発表。
年金額改定に用いる物価変動率(1.0%)が名目手取り賃金変動率(0.6%)よりも高いため、新規裁定年金・既裁定年金ともに名目手取り賃金変動率(0.6%)を用いる。
さらに平成31年度は、名目手取り賃金変動率(0.6%)にマクロ経済スライドによる平成31年度のスライド調整率(▲0.2%)と平成30年度に繰り越されたマクロ経済スライドの未調整分(▲0.3%)が乗じられることになり、改定率は 0.1%となる。
結果、年金額は、780,900円×0.999=780,100円(100円未満四捨五)となる。
菜っ葉を食う×お腹がグググ=菜っ葉のおひ(たし)
【年金額の端数処理】老齢基礎年金の満額は”100円未満四捨五入”
・780,900円×0.999=780,119.1円→780,100円。
【支払額の端数処理】支払額は”1円未満切捨て”
・780,100円÷12=65,008.3333円→65,008円(月額)
特定付加保険料、平成31年3月31日が納付期限
受験生の方を苦しめた国民年金の納付特例四天王。
・後納保険料←30.9に消えた!
・特定保険料←30.3に消えた!
・特例保険料←無期限 ・特定付加保険料←31.3に消える!
・特定付加保険料←31.3に消える!
友蔵「過去、付加保険料を滞納すると納付辞退したとみなす”みなし辞退”制度により、納付できなかった保険料を過去10年間まで遡って納めることができる制度、という建前じゃ」
ま「建前って?」
友蔵「実は、”みなし辞退”の方から、本来徴収してはいけないはずの付加保険料を間違って徴収してしまったミスがあって、それを返すに返せずに・・」
トスッ
友蔵「うぐ・・」バタッ
まる子「おじいちゃん?!」
???「特例納付制度のことは口外するなとあれほど・・」
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/0201.html …
31年4月中旬時点で残っているのは「特例保険料」のみ。
全国国民年金基金が創設
全国国民年金基金は、国民年金法に基づき設立された69の国民年金基金が平成31年4月に合併して新たに発足する全国に支部を有する組織。
・2019年4月1日に全国国民年金基金が誕生
・都道府県47の地域型基金と22の職能型基金の69基金が合併
・職能型3基金(弁護士と歯科医師と司法書士)は単独運営
第9章 厚生年金保険法
公務員に係る保険料率が上限に到達
厚生年金第2号被保険者及び厚生年金第3号被保険者の保険料率が、保険料水準固定方式に基づく上限(18.3%)に引き上げ完了。
支給停止調整変更額が47万円に改定
在職老齢年金に関して、60歳台前半の支給停止調整変更額と、60歳台後半と70 歳以降の支給停止調整額について、47万円に改定。
なお、60歳台前半の支給停止調整開始額(28万円)については変更はない。
70歳以上被用者該当届及び70歳到達時の被保険者資格喪失届の省略
厚生年金保険の被保険者が、同一の適用事業所に引き続き使用されることにより厚生年金保険法施行規則第10条の4の要件(70歳以上の使用される者の要件)に該当するに至ったとき(当該者の標準報酬月額に相当する額が70歳以上の使用される者の要件に該当するに至った日の前日における標準報酬月額と同額である場合に限る。)は、70歳以上被用者該当届及び70歳到達時の被保険者資格喪失届の提出を省略できる。
厚生年金保険の被保険者が、同じ事業所で70歳跨ぎで使用された場合、標準報酬月額が同額であれば「70歳以上被用者該当届及び70歳到達時の被保険者資格喪失届」の提出を省略できるようになるということ。
第10章 確定拠出年金
中小事業主掛金納付制度(iDeCo+)
企業年金を実施していない中小企業が、従業員の老後の所得確保に向けた支援を行うことができるよう、その従業員の掛金との合計が iDeCo の拠出限度額の範囲内(月額2.3万円相当)で iDeCo に加入する従業員の掛金に追加して、事業主が掛金を拠出することができる制度。
簡易企業型年金の創設(企業型年金関係)
簡易企業型年金は、設立条件を一定程度パッケージ化された制度とすることで、設立時に必要な書類等を削減して設立手続きを緩和するとともに、制度運営についても負担の少ないものにするなど、中小企業向けにシンプルな制度設計とした企業型年金。
確定拠出年金における運用の改善
確定拠出年金制度は、事業主等が拠出した掛金を個々の加入者が投資信託、預貯金、保険商品等の運用商品を選択した上で運用し、その運用結果に基づく年金を老後に受け取る制度である。
したがって、老後までの間の運用が、将来給付を左右することとなるため、個々人の運用商品の選択が重要となる。
改正確定拠出年金法では、加入者の運用商品の選択に資するべく、事業主等に対するいわゆる「投資教育」の提供や最低でも3つ以上(簡易企業型年金においては2つ以上)の商品の提示を義務付ける等の改正を行っている。
第11章 社会保険に関する一般常識
国民健康保険の保険料限度額の引き上げ
・基礎賦課分を3万円アップ(58万円→61万円)、介護保険分は引き上げ見送り。
基礎、後期、介護の限度額→61万円、19万円、16万円 の覚え方
国民健康保険は「労働に関する一般常識(ローイチ)及び社会保険に関する一般常識」の科目。
ローイチを思い出したら、61、61、61とし、(続きは動画)
介護保険の利用者負担の引上げ
介護サービスを利用する場合のこの利用者負担割合について、これまでは1割又は一定以上の所得のある方は2割されていたが、平成30年 8月から65歳以上の者(第1号被保険者)であって、現役並みの所得のあるものについては3割となる。
子ども・子育て拠出金率の改定
「新しい経済政策パッケージ」(平成29年12月8日閣議決定)において、子ども・子育て支援法に定める拠出金率の上限を0.25%から0.45%に変更し、0.3兆円の増額分を「子育て安心プラン」の実現に必要な企業主導型保育事業と保育の運営費(0~2歳児相当分)に充てることとされた。
拠出金率の引上げは段階的に実施することとし、平成31年度は、0.34%(現行+0.05%)とする。
厚生年金基金の特例解散の期限迫る
・株式市場の低迷を背景に代行返上して基金を廃止する大企業が相次ぐ
・2012年には投資顧問業者による年金消失問題が発生。
・基金の解散を促す特例解散制度が2014年4月に開始(2019年3月まで)
・2019年度以降は財政状況優良な基金のみが存続。
厚生年金基金は過去の頻出論点。しかし2014年以降全く出題されず(社一で一肢)。 2014年4月以降、基金の新設が認められなくなり、基金の項目自体が本則上、すべて削除されたため(経過措置が残るのみ)。 ゆえに、法律としてではなく、社一対策の”歴史”として押さえるのが吉。
以上です。
執筆/資格の大原 社会保険労務士講座
「時間の達人シリーズ社労士24」「経験者合格(旧上級)コース」を担当致しております。
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